大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)920 判決

主 文

原判決中、上告人A1に関する部分を破棄し、右部分につき本件を広島

高等裁判所に差し戻す。

上告人A2の上告を棄却する。

前項の部分に関する上告費用は上告人A2の負担とする。

理 由

上告代理人藤堂真二、同開原真弓の上告理由の上告人A1に関する論点について。

被上告人の上告人A1に対する本訴請求は、本件家屋の賃借人たる被上告人が賃

貸人たる上告人A2に代位して、同人が所有権に基づき不法占拠者たる上告人A1

に対して行使しうる妨害排除の家屋明渡請求権の行使を同上告人に対し主張するも

のであるところ、原審において上告人A1は所有権者A2に対する占有権原として、

昭和二八年四月一日以降上告人A1の夫であり被相続人であつた亡Dが本件家屋に

おいて個人営業をするにあたり上告人A2の前主Eより直接本件家屋全部を賃借し、

その賃貸借関係が上告人A1と上告人A2との間に承継されている趣旨の主張をな

し、その立証として乙一号証(家賃通帳)乙三号証の一ないし三(家賃領収書)を

提出していることが、昭和三四年二月四日付準備書面の記載(記録二八三丁)その

他記録上に表われている。�

しかるに原判決は、上告人A1の右主張に対し何ら認定判断を示すことなく、た

だ被上告人がEから本件家屋を賃借した昭和二五年一〇月頃にDがEからこれを賃

借したとの上告人主張の認められないことを判示して、以て上告人A1の上告人A

2に対する占有権原のないことを断定し、よつて上告人A1に対する被上告人の請

求を認容していることが判文上明らかであつて、右の点につき原審の審理不尽、理

由不備をいう第一、第二点の論旨は理由がある。�

従つて原判決は、上告人A1に関する限り、その余の論点につき判断するまでも

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なく破棄を免れず、本件を原審に差し戻すべきである。

上告人A2に関する上告理由について。

第一、第一点は、同上告人の上告理由として採用するに足る論旨なく、論旨第三

点は、原判決の経験則違反をいうが、ひつきよう原審の専権たる証拠の取捨、事実

の認定を非難するにすぎず採用できない。

よつて、民訴法四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官

全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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