大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)962 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を高松高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人後藤吾郎の上告理由第一点、第二点について。

被上告人の上告人に対する昭和三七年二月一〇日の書留内容証明郵便による原判

示催告が同人ら間の本件賃貸借契約解除の前提たる催告として有効か否かを判定す

るについては、その催告にかかる賃料額(昭和二三年度ないし三六年度分の合計二

六、七五五円)が本件賃貸借における具体的賃料額との関連において相当であるか

どうかを判断するのが必須不可缺のことである。�

原審の認定するところによれば、上告人は本件土地につきDが被上告人に対して

有していた賃借権をその承諾を得て譲り受け、右同様の賃借権を有するに至つたと

いうのであるから、特段の判示のない以上、被上告人とDとの間の賃料に関する約

定も承継されたと認定したものと解せられるが、原判決は、右約定賃料額の判示を

していない。原判決は、「本件については約定賃料額を認定できる証拠はない」旨

及び「統制賃料額が相当賃料額と認められる」旨を判示しているが、本件当事者間

において相当賃料額を具体的賃料額と定めたことは認定していない。従つて、具体

的賃料額と統制賃料額とが同一でないとすれば、統制賃料額を以てその賃料額とす

るためには、統制額変更の都度その旨の合意または増減請求権の行使がなされなけ

ればならない。�

しかるに、原判決は、本件催告額二六、七五五円が前示期間中の統制賃料額に相

当することを認定判断した上で、それと本件具体的賃料額との関係については何ら

説示することなしに、卒然と右催告の有効を判断し、その催告期間中になされた上

告人の金三、四五四円の弁済を以てしては、本件賃料催告に対する有効な弁済とは

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いえないとして、右催告期間の経過とともに本件賃貸借は解除されたと判断してい

るのであるから、右の点において、原審に審理不尽、理由不備のかどがあるといわ

ねばならず、この点を指摘する論旨は理由がある。�

よつて、その余の論点について判断するまでもなく、原判決は破棄を免れず、本

件を原審に差し戻すべきものとして、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員一致

で主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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