大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和38(あ)1028 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論は、事実誤認、単なる訴訟法違反、量刑不当の主張であつて、適法な上告理

由に当らない。

弁護人三根谷実蔵の上告趣意について。

所論第一点は、事実誤認の語を用いる点もあるが、要するに、被告人が被害者に

対して脅迫的言動をしたのは、債権行使のためであるから、脅迫罪が成立するは格

別恐喝罪は成立しないのにかかわらず、原判決が被告人を恐喝、同未遂罪に問擬し

たのは所論引用の判例に反するというのである。しかし所論引用の大正一二年(れ)

第一八〇五号同一三年三月五日大審院決定、刑集三巻三号一七八頁は、すでに当裁

判所の判例により変更されたものであり(昭和二六年(れ)第七七号同年六月一日

第二小法廷判決、刑集五巻七号一二二二頁、昭和二七年(あ)第六五九六号同三〇

年一〇月一四日第二小法廷判決、刑集九巻一一号二一七三頁、昭和三一年(あ)第

四六九号同三三年五月六日第三小法廷判決、刑集一二巻七号一三三六頁参照)、ま

た原判決はなんら所論引用の昭和二六年(あ)第四〇七八号同二七年三月七日第二

小法廷判決、刑集六巻三号四五〇頁、昭和二六年(れ)第七七号同年六月一日第二

小法廷判決、刑集五巻七号一二二二頁と相反する判断を示していないから、所論は

理由がない。

所論第二点は、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り判決する。

- 1 -

昭和三九年八月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!