最高裁判所第二小法廷 昭和38(あ)2019 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人表権七の上告趣意第一点について。
所論のうち違憲をいう点は、要するに、物価統制令はその一条に規定するごとく、
「終戦後の事態に対処し物価の安定を確保し以て社会経済秩序を維持し、国民生活
の安定を図ることを目的とした」限時法的性格を具有した法規であり、経済状態が
常態に復し国民生活が安定したときは早晩廃止さるべき運命にあるものであるとこ
ろ、被告人の本件犯行時である昭和三六年頃の経済状態は安定し、同令所定の目的
はすでに解消したものであることは公知の事実であるから、裁判所は、もはや同令
の効力を認むべき合理的理由なしとして、これが適用を排除すべきであり、少くと
も終戦後の緊急事態の解消した今日においてもなおその存続の必要があるとすれば
今日の事態に合つた条件と法定刑をもつてすべきであるのに、被告人の本件所為に
同令をそのまま適用処断した原判決は憲法一三条の解釈を誤つたものであるという
にある。しかし、同令は、昭和二七年法律八八号により法律として効力を有するも
のとされ、その施行期限を予め定められた限時法ではないから、廃止されない限り
当然その効力を失うものでないこと原判示のとおりであるから、所論違憲の主張は
その前提において失当であり、その余の論旨は単なる法令違反の主張てあつて、結
局所論は適法な上告理由に当らない。
同第二点について。
所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて適法な上告理由に当らない。
また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
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昭和三九年九月八日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
裁判官 草 鹿 浅 之 介
裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 石 田 和 外
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