大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和38(あ)2458 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり(所論の各供述

調書につき任意性を疑うに足りる証跡は見当らない)、弁護人山本彦助の上告趣意

は、違憲をいうが実質は事実誤認、単なる法令違反の主張にすぎない(記録によれ

ば、宗像簡易裁判所は被告人Aを除く他の被告人一九名を略式命令にし、その謄本

と称する書面を各被告人に送達したが、右各書面には略式命令主文に誤記があつた

ため、さらに本件略式命令謄本を各被告人に送達したことを認めることができる。

このように略式命令の謄本と称する書面がその主要部分である主文に誤記があるた

め、その原本と相違する場合は、謄本としての効力を欠如すると解すべきであるか

ら、このような書面の送達をもつて略式命令の謄本の送達をしたということはでき

ない。してみれば本件は、適式な略式命令謄本を送達をした第二回目の送達のとき

に、はじめて各被告人にその送達があり、略式命令の告知があつたというべきであ

るから、同旨の原判示は相当である)。すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三九年一月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

- 1 -

裁判官 石 田 和 外

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!