大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和38(さ)3 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

鳥羽簡易裁判所が昭和三七年四月六日、被告人は法定の除外事由がないのに昭和

三七年二月一五日午後四時五分ころ鳥羽市a町A前道路においてBは第六一五七号

に軽自動車届出済証を備え付けないで運行の用に供したものであるとの公訴事実を

容認して、被告人に対し、道路運送車両法六六条、一〇九条、同法施行規則六三条

の三、刑法一八条を適用し、被告人を罰金一千円に処する、右罰金を完納できない

ときは金二百五十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する旨の略式命令

をし、同年四月一〇日その謄本を被告人に送達し、右略式命令は、法定期間内に正

式裁判の請求がなされることなく、同月二五日確定したことは、記録上明らかであ

る。

ところで、右罰条として掲げられた道路運送車両法六六条は、軽自動車を除く自

動車につき自動車検査証の備付義務を規定したものであつて(罰規は同法一〇九条)、

軽自動車届出済証の備付義務に関するものではなく、道路運送車両法施行規則六三

条の三は、軽自動車につき軽自動車届出済証の備付義務を規定しているが、右施行

規則の法条に違背する行為に対しては、罰則の定めがなく、したがつて、本件公訴

事実は罪とならないものであることが明らかであり、鳥羽簡易裁判所は刑訴三三九

条二号により本件公訴を棄却すべきであつたといわなければならない。されば、被

告人の右所為を有罪とした原略式命令は、法令に違反し、かつ被告人のために不利

益であることが明白である。

よつて、刑訴四五八条一号により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

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検察官 安田道直公判出席

昭和三八年五月三一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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