大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和38(オ)585 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点および第三点について。

しかし、一件記録によると、原審においては、第一回の口頭弁論期日において不

出頭の控訴人(上告人)の控訴状の記載を陳述したものとみなし、出頭した被控訴

人(被上告人)において第一審判決書の事実摘示のとおり第一審の口頭弁論の結果

を陳述していることが認められるから、原審には所論のような違法はない(論旨引

用の裁判例は当事者双方不出頭のときに関するものであり、本件と事案を異にする。)。

所論は、独自の見解に立つて原審判決を非難するものであつて、到底、採用しが

たい。

同第二点について。

しかし、原審判決は、民訴法第三九一条の規定にもとづき第一審判決書の事実お

よび理由を引用していることはあきらかであり、所論のような違法はない。

所論は、独自の見解を前提とし、排斥を免れない。

同第四点について。

記録によると、上告人は、第一審において本案の弁論をなさず、また、答弁書そ

の他準備書面をも提出しなかつたので、参加前の第一審被告らの自白の効力を受け、

かつその余の被上告人の主張の事実を自白したものとして判決を受けた。そして、

原審における第一回口頭弁論期日に控訴人(上告人)は不出頭であつたので、原審

は控訴状記載の事項を陳述したものとみなして相手方に弁論を命じたのであるが、

控訴状には「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一・二審

共被控訴人の負担とする。」との裁判を求める旨の控訴の趣旨と第一審判決の表示

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のほかには単に「東京地方裁判所昭和三五年(ワ)第九六八三号建物収去土地明渡

請求事件について同庁が昭和三七年十月二四日言渡した前記主文の判決に対し全部

不服であるから控訴する。」との記載があるに過ぎない。右の程度の控訴状の記載

をもつてしては請求の趣旨を否認したと解することはできるが、請求原因たる事実

に対する認否を明らかにしているものとは認め得ないから、原審判決が、民訴法第

三九一条の規定にもとづき、被上告人の請求原因たる事実について参加前の第一審

被告らの自白の効力を受けかつ擬制自白の成立を認めた第一審判決を引用して、改

めて判断すべき事項は何もないと記載したことは当然であつて、なんら違法ではな

い。�

所論は独自の見解で採用しがたい。

同第五点について。

しかし、本件において、所論のような控訴状のみが控訴審に提出されたにとどま

るときには、前記第四点において判断したとおりの効果を生ずるにとどまるもので

あり、これに対し控訴審においてあらためて民訴法第一二八条の規定により控訴人

(上告人)に対し釈明を求める必要はなんらないというべきである。

所論は独自の見解である。

なお、所論は、控訴審における第一回弁論期日の変更の事情について述べている

が、右第一回口頭弁論期日の変更について当事者間に合意の成立したことを認める

に足るもののないことは記録上あきらかであり、原審が第一回口頭弁論期日に弁論

を終結したことはなんら違法ではない。

所論は、いずれも、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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