大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和38(オ)929 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人山田友記の上告理由第一点について。

被上告人が判示の経緯で取得した本件1ないし6の約束手形を、いつたん訴外D

株式会社に白地式裏書によつて譲渡したが、その後右各手形の期限後である昭和三

五年一一月二二日D株式会社より同会社のなした裏書部分を抹消したうえ返還を受

け、右各手形を再取得したことは、原判決の引用する第一審判決の確定したところ

である。右のような方法により手形を譲渡する場合も、実質的に権利を移転する意

思をもつて手形を交付すれば、これによつて完全に手形上の権利は移転するもので

あり、右の譲渡が期限後になされたため、その効力については手形法二〇条一項の

規定の準用があるとしても、譲渡の方式として債権譲渡の通知をしなければ債務者

に対抗しえないと解すべき理由はない。これと同一結論に出た原審の判断は正当で

ある。右と異なる見解に立つて原判決の法令違背をいう論旨は採用できない。

同第二点について。

D株式会社と被上告人間の本件手形の譲渡は、指名債権譲渡の方式に則り、上告

人に対する譲渡の通知を要するとの上告人の主張を判断するには、該手形の譲渡が、

支払拒絶証書作成後か、もしくは、支払拒絶証書作成の有無にかかわらず、支払拒

絶証書作成期間経過後に行われたことを確定すれば足りるのであり、たとえ本件手

形につき支払拒絶証書作成義務の免除がないとしても、その点を確定しなければ、

前示主張に対する判断に立ち入れないものではない。しかして、原判決は、本件手

形の譲渡が支払拒絶証書作成期間経過後になされたことを認定判示した趣旨と解さ

れるのであるから、この点につき審理不尽をいう所論は採用できない。その余の所

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論は、本件手形の譲渡は指名債権譲渡の方式によるべきであるとの見解(その理由

のないことは前段で説示したとおりである。)に立脚して審理不尽・判断遺脱をい

うものであり、論旨はすべて採用に値しない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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