大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(さ)11 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告理由について。

関係記録によれば、被告人は、「日本専売公社指定のたばこ小売人でないのに、

昭和三九年二月一五日午前九時頃、周吉郡a町大字b字cd番地A方において同人

に対し製造たばこ新生二〇本入三個を代金一二〇円で販売したものである。」との

公訴事実により同年五月七日西郷区検察庁検察官事務取扱検察官から西郷簡易裁判

所に起訴、略式命令を請求され、同月一九日同裁判所において、右の事実につき、

たばこ専売法違反(同法二九条二項、七一条五号、罰金等臨時措置法二条、刑法一

八条適用)として「罰金三千円に処する。右罰金を完納することができないときは

金二百五十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。」旨の略式命令を

受け、この裁判は同年六月三日被告人に送達され、正式裁判請求期間の経過により

同月一八日確定するに至つたこと、右犯則事実については、たばこ専売法七九条所

定の収税官吏の職務を行う者の告発を必要とするに拘らず、その告発がなかつたの

に略式命令の請求がなされたものであることが認められる。

してみると、略式命令の請求を受けた西郷簡易裁判所は、刑訴法四六三条により

通常の規定に従つて審判をした上、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効

であるとして、同法三三八条四号により判決をもつて公訴を棄却すべきであつたと

いわなければならない。しかるに、前記のように有罪の認定をし略式命令をしたの

は違法であり、かつ、被告人に不利益であることが明らかである。

よつて、同法四五八条一号により、原略式命令を破棄し、本件公訴を棄却すべき

ものとし、裁判官全員一致で主文のとおり判決する。

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検察官 高橋一郎出席

昭和四〇年三月一二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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