大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(オ)1110 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人笹本晴明の上告理由第一点について。

私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出されたものであると

きは、反証のないかぎり、該印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上

推定するを相当とすることは、当裁判所の判例とするところである(昭和三九年五

月一二日第三小法廷判決、民集一八巻四号五九七頁参照)。原判決は、反証たる上

告人本人の供述は措信しえないとしているのであるから、民訴法三二六条により甲

一号証の成立を認めたのは正当であつて、所論の違法は認められない。論旨は排斥

を免れない。

同第二点について。

原判決は甲一号証の成立を認めているのであるから、同号証の記載により本件契

約成立の日時を認定しても所論の違法はない。論旨は採用に値しない。

同第三点について。

甲一号証が写で提出された事実は本件記録上看取しえない。論旨は、前提を欠き、

採用することができない。

同第四点について。

本件保証契約成立の事実は被上告人の主張するところであり、甲一号証も同人の

提出するところであるから、裁判所が甲一号証の成立を認め、これによつて本件保

証契約成立の事実を認めても、上告人を不意打したことにならないし、釈明権不行

使の違法もない。論旨は排斥を免れない。

同第五点について。

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口頭弁論終結後に提出された「準備書面」と願する書面は、民訴法二四三条にい

わゆる「準備書面」に該当せず、これを相手方に送達する必要のないことは、当裁

判所の判例とするところである(昭和二八年一月二二日第一小法廷判決、民集七巻

一号六五頁参照)。また、右書面を判決の資料とすることができないこと論旨指摘

のとおりであるが、甲一号証につき前記のとおり二重の推定を重ねて民訴法三二六

条によりその真正な成立を認定することは、法規適用の当然の結果であつて、当事

者の主張を俟たないものであるから、原審が右書面記載の主張を採用し、もしくは

斟酌したということはできない。論旨は採用に値しない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 石 田 和 外

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