大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(オ)587 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一の第一点について。

原判決(第一審判決引用。以下同じ。)挙示の証拠によると、原判決の認定した

事実を是認しえないわけではなく、したがつて、右認定した事実から、本件建物(

映画館)の所有権が有限会社Dから訴外Eに移転されたとする旨の原判決の判断は、

当審も是認しうる。

原判決には所論のよらな違法はなく、所論は、結局、原審の専権に属する証拠の

取捨・選択、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。

同第一の第二点について。

甲第四号証(一審記録一三〇丁)には、所論のような供述記載のあることは一件

記録上認められるが、これは、只単にEが本件建物(映画館)の登記が訴外有限会

社D名義でされていると思つている旨の推測を述べているにすぎないのであつて、

原判決の認定した事実とむじゆんするものではない。原判決には、所論のような違

法はない。

同第二の第一点について。

所論の点についての原判決の認定した事実は、その挙示の証拠により是認しえな

いわけではない。

原判決には、所論のように、虚無の証拠によつて認定した違法があるとか採証法

則をあやまつた違法があるとはいえない。

つぎに、所論中には、いかなる債務に代物弁済されたか不明である旨の主張もあ

るが、所論の代物弁済は被上告人らが訴外Eに対して有する総額金六〇〇万円にも

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達する債権の一部に対してされたことは、原判決の判文上明らかであつて、本件不

動産は原判決判示理由により一般債権者の共同担保たる余剰がなく、したがつて、

詐害行為を構成しないというのであるから、右代物弁済により消滅した債権の額に

ついて必ずしも明らかにする必要はない。それゆえ、原判決には、所論のような違

法があるとはいいがたい。�

また、所論は、原判決は主張しない事実を認定した違法があるというけれども、

原判決は、上告人の主張にかかる虚偽表示で無効である旨の主張を排斥したうえ、

右主張事実とむじゅんする事実を認定したにすぎず、これらはいわゆる間接事実に

属して当事者の主張を要しないでその存否を裁判所において判断しうるものである

から、原判決が、前記事実を認定したからといつて、所論のような違法があるとは

いえない。

要するに、原判決には所論のような違法があるとは断じがたく、所論は採用しが

たい。

同第二の第二点について。

原判決挙示の証拠によれば、所論の点の原判決の認定した事実を肯認しうる。

原判決には、所論のような違法はなく、所論は採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 劫

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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