大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(オ)961 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人新垣進の上告理由第一点について。

所論は、原審の専権に委ねられた証拠の取捨判断および事実の認定を非難するに

すぎず、採用するを得ない。

同第二点について。

原判決およびその引用する第一審判決によると、上告会社の所論甲一号証の加入

申込書は真正に作成提出されたものであり、したがつて、上告会社が被上告組合の

組合員なのであつて、訴外Dが右組合員であるかのごとき帳簿その他の書類の取扱

がなされたことがあつても、それは単に被上告組合の事務処理のずさんさからそう

されたにすぎないというのである。そして、右甲一号証には上告会社の製畳機数三

台と明記されているし、上告会社の答弁書自体によつてもDは組合加入資格がない

が上告会社はその資格があると主張しているのであるから、原審は上告会社の保有

製畳機を三台と認めている趣旨と解される。されば、原判決には所論の違法はない

のみならず、保有製畳機の台数が三台であるか二台であるかは、原判決の結論には

影響のないことである。論旨は、理由がない。

同第三点、第四点について。

所論過怠金について上告会社が所論約束手形によつて代物弁済して示談が成立し

たとの事実は、上告会社において原審でなんら主張せず、したがつてその判断を経

ていないことであり、これを前提とする論旨は、いずれも適法な上告理由と認める

ことはできない。

同第五点について。

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所論は、上告会社が原審で主張しなかつたことであるのみならず、記録上上告会

社に過怠金二〇万円を賦課したことが公序良俗に反すると認めるべき資料も存しな

い。論旨は採用できない。

上告代理人但馬弘衛の上告理由第一点について。

所論は、畳床生産業に関するかぎり、本訴提起当時から現在に至るまで、自主調

整規則を制定して通商産業大臣が被上告組合に一定の事務処理を委託し、調整数量

の割当、販売の表示、登録、調整証紙の交付をなすがごとき必要は毫もなく、原料

藁、原料糸の買入、製品の出荷保管等なんらの調整を必要としないことは、畳床事

業者間公知の事実であり、ことに、調整規則七条二項に規定する新規事業者に対す

る調整数量の割当のごときは、事業者の生存権を剥奪するものであると主張し、こ

の主張事実を前提として被上告組合の調整規程および昭和三六年三月三〇日通商産

業省令第一九号関東地区畳床調整規則が憲法二二条一項の保障する営業自由の原則

に違反するというにあるが、このような事実関係については、原審においてなんら

主張・判断を経ていないことであるから、上告会社の右違憲の主張はその前提を欠

くものというべきであり、適法の上告理由となしえない。

同第二点について。

原判決は、所論甲一号証(加入申込書)が作成されたのは、昭和三三年六月一五

日かくい荘で開催された会合の席上であること、右加入申込書の日付が同年六月一

日となつているのは、六月一日に徴する予定でその加入申込書用紙が用意されてい

たためであること、第一審証人Eの証言中には右会合の開かれた日を六月一日と述

べている部分があるが、これは原審における同証人の証言に照らすと記憶ちがいに

よるものであることなどを認定説示しているのであり、以上の認定事実は、右六月

一日にはDが旅行不在であつたという所論主張と符合こそすれ毫も矛盾するもので

はないから、所論はその前提を欠くものである。原判決に所論違法の点はない。

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よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

通り判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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