大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(テ)10 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高橋万五郎の上告理由第一点について。

所論は、民訴法四〇三条の憲法三二条違反をいう。しかして、民訴法四〇三条が

「原判決ニ於テ適法ニ確定シタル事実ハ上告裁判所ヲ覊束ス」と規定する結果、同

法三九四条と相俟つて、控訴審判決の事実認定に対しては、単に右認定の不当を主

張することは許されず、かかる主張は適法な上告理由とならないことは所論のとお

りである。しかし、憲法三二条は、なにびとも裁判所において裁判を受ける権利が

あることを規定したにすぎないものであり、高等裁判所が上告審として判決をする

については、いかなる上告理由に基づいて審理することを要するかとの点を含み、

いかなる裁判所において裁判を受くべきかというような裁判所の組織、権限、審級

等については、すべて法律において諸般の事情を考慮して定められるべき事項であ

り、憲法には、同法八一条を除き他にこれを制限する規定のないことは、すでに当

裁判所大法廷判決の判示するところであつて(昭和二二年(れ)第四三号、同二三

年三月一〇日判決、刑集二巻一七五頁、昭和二二年(れ)第一八八号、同二三年七

月七日大法廷判決、刑集二巻八〇一頁、昭和二三年(れ)第二八一号、同二五年二

月一日判決、刑集四巻八八頁)、同判決の趣旨に徴すれば、前示民訴法の規定が憲

法三二条に違反する旨の所論は採用できない。

同第二点について。

所論は、民訴法四〇九条ノ二第一項の規定の憲法三二条違反をいう(憲法二九条

違反をいう部分も結局同法三二条違反をいうに帰着すると解する。)。しかし、前

掲大法廷判決の趣旨に徴すれば、右民訴法の規定が憲法三二条に違反する旨の所論

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は採用できない(昭和三七年(テ)第二七号、同三八年一月二五日第二小法廷判決、

民集一七巻八二頁参照)。

よつて、民訴法四〇九条ノ三、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の

一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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