大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(行ツ)17 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人安原正直名義の上告理由について。

論旨は、原判決が、その添付第一目録記載の(1)(2)(3)の土地につき、

本件買収計画の樹立当時においても依然植木畑として農地たるを失わず、これを未

墾地(雑木林)と化したものとは認めがたい旨を判示し、現に肥培管理が十分でな

いにせもよ、その土地の来歴、効用等を斟酌して農地と判定するのを妨げないとす

る見解をとつたのを失当とし、植木畑として農地と認められるためには、その植栽

の全期間にわたり樹種に適応した肥培管理の作業が継続的に行なわれていなければ

ならないものと主張する。

しかし、前示各土地について原判決の認定した事実によれば、これらの土地は、

被上告人先代によつて、もともと植木畑として設定管理されてきたものであり、そ

の管理のおろそかになつたのは、戦中戦後の異常な事態、被上告人先代の死亡等の

事情によるものであつたが、成長した鑑賞用樹木は管理が十分でなくても影響を受

けることは少なく、本件買収計画の樹立当時においてもなおその数十本が同地に生

立し、それらは植木として販売に耐えないものではなく、被上告人もこれら土地を

他の用途に供する意図はなく、依然植木畑として保持しようとしていたことを窺う

に足りる。されば、原判決が、肥培管理の程度は栽植の目的である植物の必要とす

る限度によつておのずから異り、成長した植木の栽植されている土地などは多少そ

の管理に欠けるところがあつても、直ちに植木畑としての効用が失われるものでは

なく、かつ前示各土地は少しく手を加えれば原状の回復も容易なものとし、なお農

地としての植木畑たる性質を保有する旨を判示したのは首肯しえないものではない。

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そして、このような意味において、原判決が農地か未墾地かの判別につき、単に肥

培管理の有無にのみとらわれることなく、土地の来歴、効用等をも考慮すべきもの

としたのは、正当といわなければならない。論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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