大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(行ツ)5 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

論旨は、前訴の判決の既判力が本件訴には及ばないと主張し、そのことを前提と

して、原判決には審理不尽、判断遺脱、理由不備、理由齟齬の違法があるという。

上告人がさきに本件農地賃貸借契約解除許可処分は農地法二〇条二項一号に違反

することを請求の原因とし、農林大臣宛の訴願が三箇月を経過しても裁決されない

と主張して訴願の裁決を経ることなく、被上告人知事を相手どり、右処分の取消を

求める訴を提起したが、敗訴の判決を受け、同判決が確定したこと、しかるに、上

告人が右訴の口頭弁論終結後にいたり前記訴願について棄却の裁決がなされたとこ

ろから、さらに、右と全く同一の請求原因事実に基づき、同一の被告に対し、本件

農地賃貸借契約解除許可処分自体の取消を求める本件訴に及んだことは、いずれも

記録上明らかである。

しからば、前訴と後訴とは、当事者並びに請求の趣旨および請求の原因を同一に

するものであり、訴願の裁決の有無のごときは、訴提起の要件としての訴願前置の

要否を決する事由たるにとどまり、訴の同一性を左右する基準となり得ず、しかも、

前訴はかかる要件を欠く不適法な訴として却下されたものでないこと前叙によつて

明らかである。従つて、前訴の右確定判決は、後訴たる本件訴に対しその既判力を

及ぼすべき関係にあるものといわなければならない。

されば、叙上と同趣旨に出た原判決は相当であつて、論旨は、その前提を欠くに

帰し、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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