大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和40(あ)1537 判決

主 文

原判決中「当審における未決勾留日数中四〇日を本刑に算入する。」と

の部分を破棄する。

原審における未決勾留日数中六日を本刑に算入する。

その余の部分に対する本件上告を棄却する。

理 由

仙台高等検察庁検事長斎藤三郎の上告趣意について。

記録によると、被告人は、本件窃盗(第一審判決判示第一)事実につき、起訴前

である昭和四〇年三月二日勾留状の執行を受け、その後一、二審を通じ引き続き勾

留を継続されているものであるが、これよりさき、昭和三六年一二月六日仙台簡易

裁判所で窃盗罪等により懲役二年六月(未決勾留日数裁定一五日通算)に処せられ、

同三七年七月九日右裁判の確定により、同年一〇月二四日からその刑の執行を受け、

昭和四〇年一月一八日に仮出獄を許されたが、その後仮出獄が取り消されたため同

年四月二日から残刑の執行を受け、同年六月二二日にこの執行を終つたものである

こと、被告人は、本件第一審の判決に対し、右残刑の執行開始後である昭和四〇年

四月一三日控訴を申し立て、原裁判所はこれに対し同年六月二九日控訴を棄却する

とともに原審における未決勾留日数中四〇日を本刑に算入する旨の判決を言い渡し

たものであることが明らかである。

ところで、右のように勾留と刑の執行とが競合している場合、その重複する部分

の未決勾留日数を本刑に算入することが違法であることは、論旨引用の当裁判所の

判例(昭和二九年(あ)第三八九号、同三二年一二月二五日大法廷判決、刑集一一

巻一四号三三七七頁。)の示すところであるから、原審における未決勾留日数の算

入しうべき限度は、右残刑執行終了の翌日である昭和四〇年六月二三日から、原判

決言い渡しの日の前日である同月二八日までの六日である。しかるに原判決がこれ

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を超えて、原審における未決勾留日数中四〇日を本刑に算入する旨言い渡したこと

は、刑法二一条の適用につき右判例に相反する判断をしたものといわなければなら

ない。論旨は理由があり、原判決中右の部分は、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一

項本文により破棄を免れない。

よつて同四一三条但書により、原判決中「当審における未決勾留日数中四〇日を

本刑に算入する。」との部分を破棄し、刑法二一条に則り、原審における未決勾留

日数中六日を本刑に算入することにし、原判決その余の部分に対する検察官の上告

は、上告趣意としてなんらの主張がなく、したがつてその理由がないことに帰する

から、刑訴法四一四条、三九六条によりこれを棄却すべく、当審における訴訟費用

は、同一八一条一項但書により被告人に負担させないことにし、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官 長谷多郎出席

曜和四〇年一一月二六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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