大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和40(あ)2193 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人村田左文の上告趣意第一は、判例違反をいうが、所論引用の判例はすべて

本件と事案を異にし適切でなく、同第二は、事実誤認の主張であり、同第三は、単

なる訴訟法違反の主張であつて、いずれも適法な上告理由に当らない。(被告人が

Aから同人所有のab番のcの山林を買受けるにあたり、その附近のB所有のad

番の山林及びC所有のef番の山林が登記簿上A名義となつているのを奇貨とし、

右二筆の山林を自己所有名義にして他に売却する目的の下に、Aの代理人たる長男

Dに対し、その意思がないのに、「自分の方で右b番のcの登記をする機会に、d

番の山林、f番の山林もそれぞれB、Cの方に所有権移転登記をしてやる。」と虚

構の事実を申し向けてその旨同人を誤信させ、因つて同人をして、Aから被告人の

長男E宛の右b番のcの山林の売渡書に、前記d番、f番の二筆の山林をも記入さ

せ、これを利用して右二筆の山林の登記簿原本にEのため所有権取得の登記の記載

をさせる等原判示の事情のもとにおいて、被告人に詐欺罪の成立を認めた原判断は

正当である。)

また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四一年七月一九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

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裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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