大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和40(あ)2220 判決

主 文

原判決中「当審における未決勾留日数中六〇日を原判決の刑に算入する。」

との部分を破棄する。

原審における未決勾留日数中二五日を本刑に算入する。

その余の部分に対する本件上告を棄却する。

理 由

広島高等検察庁検事長渡部善信の上告極意について。

記録によると、被告人は、本件窃盗事実につき、起訴前である昭和四〇年六月二

日勾留状の執行を受け、その後一、二審および当審を通じて勾留を継続されている

ものであるが、これよりさき、昭和三九年三月一二日浜田簡易裁判所で窃盗罪によ

り懲役一年六月(未決勾留日数中裁定三〇日、法定一五日算入)に処せられ、同年

三月二七日右裁判の確定により、同日からその刑の執行を受け、翌四〇年五月一三

日に仮出獄を許されたが、その後仮出獄が取り消されたため同年八月三日から残刑

の執行を受け、同年一一月二日にこの執行を終つたものであること、被告人は、本

件第一審判決に対し、同年七月九日控訴を申し立て、原裁判所はこれに対し同年九

月二九日控訴を棄却するとともに原審における未決勾留日数中六〇日を本刑に算入

する旨の判決を言い渡したものであることが明らかである。

ところで、右のように勾留と刑の執行とが競合している場合、その重複する部分

の未決勾留日数を本刑に算入することが違法であることは、論旨引用の当裁判所の

各判例の示すところであるから、原判決において、算入することのできる未決勾留

日数の限度は、前記控訴申立の日から、右残刑執行開始の前日までの二五日間であ

る。しかるに原判決がこれを超えて、原審における未決勾留日数中六〇日を本刑に

算入する旨言い渡したことは、刑法二一条の適用につき右各判例に相反する判断を

したものといわなければならない。論旨は理由があり、原判決中右の部分は、刑訴

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法四〇五条二号、四一〇条一項本文により破棄を免れない。

よつて同四一三条但書により、原判決中「当審における未決勾留日数中六〇日を

原判決の刑に算入する」との部分を破棄し、刑法二一条により、原審における未決

勾留日数中二五日を本刑に算入することにし、原判決のその余の部分に対する検察

官の上告は、上告趣意としてなんらの主張がなく、したがつてその理由がないこと

に帰するから、刑訴法四一四条、三九六条によりこれを棄却すべく、当審における

訴訟費用は、同一八一条一項但書により被告人に負担させないことにし、裁判官全

員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官 平出禾出席

昭和四一年三月一八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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