大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和41(あ)2421 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人今泉政信の上告趣意は、量刑不当、事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇

五条の上告理由にあたらない(記録によれば、被告人は、第一審判決判示第一の窃

盗の事実について逮捕勾留中ではあつたが、同第四の窃盗の各事実については、犯

人の何人たるかは勿論、犯罪事実さえ全く官に発覚していない時期に、これを自発

的に供述したものと認められ、同第三の強盗未遂の事実についても、犯罪事実は発

覚していたが、犯人の何人たるかは未だ発覚していない時期に、被告人の方から供

述したものであり、その供述に先立つて捜査官の方から右事実に関する尋問が行な

われた形跡は全く認められず、かえつて第一審第二回公判における被告人の供述に

よれば、右事実についても、警察官からの質問を待たずに被告人から進んで供述し

たものと認められるから、右第三ないし第四の各事実についても、自首があつたも

のと認めるのが相当である。しかるに、原判決は、右各事実については自首を認定

するに足りるなんらの証拠もないとしているのであつて、これは事実を誤認したか、

もしくは自首の成否に関する法令の解釈をあやまつた違法があるといわざるを得な

い。しかしながら自首による減軽をなすと否とは、事実審の裁量に属する問題であ

り、自首減軽の必要がないと認めたときは、自首の事実を判決の理由中に判示する

必要はないのであり、殊に判示第三の事実については、未遂による減軽が行なわれ

ている以上、重ねて法律上の減軽である自首減軽を行う余地は認められず、従つて、

右第三および第四の各事実について、自首の事実を判示しなかつた一審判決を、そ

れのみで違法ということはできず、また、本件事案の内容から見て同判決の量刑は

不当とは認められないのであるから、これを是認した原判決の理由中に前記の如き

瑕疵が認められるにしても、これを破棄しなければ著しく正義に反するものとは認

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められない。)

よつて、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により、裁判官全員

一致の意見で、主文のとおり決定する。

昭和四二年二月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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