大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和41(さ)5 判決

主 文

昭和三九年三月三一日付の略式命令を破棄する。

右略式命令請求事件の公訴事実について、被告人を免訴する。

理 由

検事総長馬場義続の非常上告趣意について。

記録を調べると、被告人は、昭和三九年二月七日奈良簡易裁判所において、「昭

和三八年一一月一日午前三時四五分ころ、橿原市a町領三山橋北詰附近道路におい

て、法定の最高速度(三〇キロメートル毎時)をこえる四五キロメ―トル毎時の速

度で第一種原動機付自転車を運転したものである。」との事実につき、道路交通法

六八条、二二条一項、一一八条一項三号、同法施行令一一条四号、刑法一八条によ

り罰金五、〇〇〇円(換刑処分三〇〇円を一日。ただし、三〇〇円に満たない端数

を生じた場合は、その部分を最後の三〇〇円と合せてこれを一日に換算。)に処す

る旨の略式命令を受け、この裁判は同月二七日確定したところ、その後被告人は、

昭和三九年三月二三日奈良区検察庁検察官から奈良簡易裁判所に、前記と同一の事

実につき公訴提起と同時に略式命令を請求され、同月三一日同裁判所において、前

記と同一法条により同一内容の略式命令を受け、この裁判は同年四月二四日確定し

た事実を認めることがでぎる。

右によれば、後に起訴を受けた奈良簡易裁判所は、既に同一公訴事実について確

定の略式命令があつたのであるから右起訴にかかる公訴事実については、刑訴法三

三七条一号に則り判決で免訴の言渡をすべきであつたのである。しかるに、これを

看過して重ねて同一事実につき略式命令をしたことは違法であり、かつ被告人に不

利益なものであることは明らかであるから、本件非常上告は理由がある。

よつて、同四五八条一号により昭和三九年三月三一日付の略式命令を破棄し、同

三三七条一号により免訴の言渡をなすべきものと、裁判官全員一致の意見で主文の

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とおり判決する。

検察官 平出禾 公判出席

昭和四一年七月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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