大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和41(オ)683 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人谷村直雄、同谷村正太郎の上告理由について。

論旨は、Dが被上告人に対して本件土地の賃借権を対抗しえないとした原判決に

は、建物保護ニ関スル法律一条の解釈を誤った違法があるという。

しかし、地上建物を所有する土地賃借人は、自己の名義で登記した建物を有する

ことにより始めて建物保護ニ関スル法律一条の規定に基づき当該賃借権を第三者に

対抗しうるものと解すべく、地上建物を所有する土地賃借人がみずからの意思に基

づき他人名義で建物の保存登記をしたような場合には当該賃借人は右賃借権を第三

者に対抗することができないことは、当裁判所大法廷判決(昭和三七年(オ)第一

八号・同四元年四月二七日判決)の示すところである。そして、原判決の確定した

ところによれば、Dは、昭和二一年六月頃Eから本件土地を含む一六八坪の土地(

その後区画整理により坪数は一一一坪四合三勺となつた。)を賃借し、その後本件

土地上の本件建物について昭和二六年四月二八日Dの長男であるF名義をもつて所

有権保存登記がなされたが、被上告人が昭和二八年一〇月二八日Eから本件土地を

買い受け、同年一一月七日所有権取得登記を経ており、したがつて、被上告人が本

件土地の所有権取得登記手続を了した時は、本件建物についてF名義の登記はあつ

たが、D名義の登記はなかつたものであり、また、Dが自己所有の本件建物につき

F名義をもつて所有権保存登記をしたのは、自己の負債や税金対策など財産保全の

ためであつたというのである。右事実関係のもとにおいては、前記判例の趣旨に徴

すれば、Dは被上告人に対して本件土地賃借権を対抗しえないことが明らかである。

DがF名義に本件建物の登記をすることについて前地主Eの承認を得ていたかどう

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かは、右判断を左右するものではない。論旨は、ひつきようするに、原審のなした

正当な法律解釈を、これと異左る独自の見解に立つて非難するに帰するものであつ

て、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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