大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和41(行ツ)53 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人リチヤード・ダブリユー・ラビノウイツツ、同松枝迪夫、同佐藤正昭

の上告理由について。

特許法一五六条一項が、審判長をして当事者および参加人に審理の終結を通知さ

せるのは、特許の審判事件は書面審理による場合が多いことにかんがみ、事件が審

決をするのに熟したものと認めて審理を打ち切った旨を事件関係者に知らせ、不意

打ち審決の幣を避けるとともに、審決は原則として右通知を発した日から二〇日以

内になすべきものとして(同条三項)、審判の促進をも図らんとしたものと解せら

れる。もつとも、右終結の通知をした後であつても、審判長は必要があるときは、

当事者らの申立によりまたは職権で審理を再開することができることになつている

が(同条二項)、右再開をするか否かは審判長の権限に属するのであつて、当事者

らに審理再開の権利を与えたものとは解されない。

従つて右一五六条の規定は、職権審理主義の建前のもとにおける審判機関の審判

の公正と促進を図るのを主眼として設けられた手続とみるのを相当とし、これを当

事者らの審判手続上の権利を保障したもののごとく主張する所論は首肯しがたい。

しかも、本件における同条違反は、審理終結の通知が審決書作成に遅れて発せられ

たというだけのことであり、そのことによつて、上告人が審判上不利益を被つた事

実は認められず、そのことが、審決の実体は影響を及ぼしたことも考えられない。

してみれば、原判決が本件に審決を取り消すほどの瑕疵の存しをない旨を判示した

のは、正当であり、論旨は理由がない。�

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

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とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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