大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和43(オ)477 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高野篤信、同平野保の上告理由(一)について。

原判決挙示の証拠関係に照らせば、原審の、本件事故は上告人の被用者である訴

外Dが上告人の事業の執行について過失があつたことにより生じたものであつて、

上告人に損害賠償義務があるとした判断、および訴外亡Eには所論の各過失は認め

られない旨の認定判断は、肯認することができ、また、本件記録によれば、原審が、

所論の事実は当事者間に争いがないとして事実を確定した点にも違法は認められな

い。論旨は、原審が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採

用できない。

同(二)について。

将来一定期間に得べき利得を損害賠償として一時に支払を受ける場合の損害の額

の算定においては、ホフマン式計算法により、原判示のように計算する方法による

ことができることは、すでに当裁判所の判例(昭和三四年(オ)第二一三号、同三

七年一二月一四日第二小法廷判決、民集一六巻一二号二三六八頁)の趣旨とすると

ころであり、これと異なる見地に立つて原判決を非難する論旨は、採ることができ

ない。�

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官色川幸太郎の反対意見

があるほか、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

裁判官色川幸太郎の反対意見は、次のとおりである。

職権をもつて按ずるに、原審は、本件被害者Eの死亡状況は即死であつた旨確定

し、同人は右死亡により上告人に対し金三〇万円の慰藉料請求権を取得し、被上告

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人が相続により右請求権を承継取得した旨判示しているが、他人の不法行為によつ

て死亡した者について、死亡したことそのものを原因とする慰藉語料請求権の取得

は認められないと解すべきであり、その詳細は最高裁判所昭和三八年(オ)第一四

〇八号、昭和四二年一一月一日大法廷判決、民集二一巻九号二二六二頁以下に記載

のとおりであるので、ここにそれを引用する。したがつて、右Eには相続の対象と

なるべき原判示の慰藉料請求権はなかつたというべきであるから、原判決中、右請

求権があることを前提として被上告人の本訴請求を認容した部分は、破棄を免れず、

右部分の請求は棄却されるべきであると考える。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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