大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和45(あ)1251 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中一二〇日を本刑に算入する。

理 由

弁護人豊川正明、同伊多波重義、同細見茂、同岡村渥子、同西岡芳樹の上告趣意

第一点について。

所論が憲法三三条、三一条違反を主張する理由は、所論主張事実を前提として、

所論詐欺被疑事実に基づく被告人の逮捕・勾留は、当初から全くその取調または起

訴の意図がなく、専ら被告人に対する本件殺人事件の取調に利用する目的のもとに

なされた違法なものであり、この違法な拘禁中に得られた被告人の右殺人事件に関

する自白調書およびこの自白に基づくじ後の逮捕・勾留中に得られた前同様の自白

調書は、いずれも証拠能力がなく、これを証拠とした原判決は前示憲法の条項に違

反するという趣旨に帰する。

しかしながら、原判決が確定した事実関係のもとでは、その認定する事実に立つ

て本件殺人事件の被疑事実に基づく被告人の逮捕・勾留に先だち、原判示詐欺被疑

事実に基づいて被告人を逮捕・勾留したことを目して違法ではないとした原判決の

判断は、結局相当として首肯し得るところであり、また、記録を調べても、右詐欺

事実による被告人の拘禁が捜査権の濫用として違法と断ずべき証跡を発見できない

から、これと異なる事実関係に立ち、右拘禁が違法であることを前提とする所論違

憲の主張は、その前提を欠き、上告適法の理由にあたらない。

同第二点は、憲法三八条違反をいうが、記録を調べても、所論自白の任意性を疑

わせる証跡を発見できないから、その前提を欠き、同第三点は、事実誤認の主張で

あつて、いずれも上告適法の理由にあたらない。

被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、上告適法の理由にあたらな

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い。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条により、主文のとおり決

定する。

昭和四六年三月一〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 色 川 幸 太 郎

裁判官 村 上 朝 一

裁判官 岡 原 昌 男

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