大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和45(行ツ)54 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

論旨は、要するに、本件売買契約の合意解除の実質は代金不払いを理由とする解

除権の行使であり、右解除により契約の効力は遡及的に消滅し、法律的には所有権

の移転がもともとなかつたものとして取り扱われるのであるから、本件合意解除に

基づく所有権の復帰に対しては、不動産取得税を課することができないにもかかわ

らず、課税することができるとした原判決は、地方税法七三条の二第一項の解釈を

誤つたものであるというにある。

不動産取得税は、いわゆる流通税の一種であり、不動産の取得者が当該不動産に

より取得しあるいは将来取得するであろう利益に着目して課せられるものではなく、

不動産の移転という事実自体に着目して課せられるのをその本質とするものである

ことに照らすと、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」とは、所有権

の得喪に関する法律効果の側面からではなく、その経過的事実に則してとらえた不

動産所有権取得の事実をいうものと解するのが相当である。売買契約の解除に基づ

く売主の所有権の回復も、その経過的事実に則してこれをみれば、それが合意によ

るものであると解除権の行使によるものであるとにかかわらず、一旦買主に移転し

た所有権が再び売主に移転したものというべきであり、したがつて、右にいう「不

動産の取得」にあたると解すべきである。このことは、地方税法(昭和四五年法律

第二四号による改正前のもの)七三条の七第一二号の二が、契約解除により不動産

を取得する場合は原則として同法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあた

ることを前提としたうえで、とくに「日本住宅公団又は地方住宅供給公社がその譲

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渡した不動産を当該不動産に係る譲渡契約の解除……により取得する場合における

当該不動産の取得」だけを非課税としていることからも裏付けられる。�

そうすると本件売買契約の合意解除に基づく上告人の不動産所有権の回復が地方

税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたるとして、これにつき不動産

取得税を課することが許されるとした原審の判断は正当である。原判決に所論の違

法はなく、論旨は採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官

全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 小 川 信 雄

裁判官 吉 田 豊

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