大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和46(あ)88 判決

主 文

本件上告を棄却する

理 由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であり、

弁護人山本耕幹の上告趣意一ないし三は、憲法三七条違反をいう点もあるが、実質

はすべて単なる法令違反の主張であり、同四は、量刑不当の主張であつて、以上い

ずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(なお、被告人には、その素質およ

び生育歴において同情すべき点もあるが、本件犯行は、被告人が遊興費等を入手す

るため、二回にわたり周到な準備のもとにいわゆる金庫破りを行ない、うち一回は

熟睡中で全く無抵抗の宿直員(当時二〇才)の頸部を所携の鉈でたたき切つて殺害

したのち金庫室扉の切断にとりかかつたもので、その殺害の方法にみられる被告人

の残虐性およびその結果並びに社会的影響の重大性、さらには被告人に相当数の窃

盗事犯がある点等を考えると、被告人の責任はまことに重いものといわなければな

らない。原判決が、これら諸般の事情を慎重に考慮して、被告人を死刑に処したの

は、やむをえないものというべきである。)。

また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官古川健次郎 公判出席

昭和四八年三月二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 村 上 朝 一

裁判官 小 川 信 雄

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!