最高裁判所第二小法廷 昭和46(さ)3 判決
主 文
原略式命令を破棄する。
被告人を罰金二、五〇〇円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した
期間被告人を労役場に留置する。
理 由
本件非常上告申立の理由は、末尾添付書面記載のとおりである。
よつて、記録を調査するに、被告人に対する建造物侵入被告事件につき、昭和四
五年一〇月一九日、大分簡易裁判所は、「被告人は金員窃取の目的で昭和四五年一
〇月一一日午前三時三〇分頃、歯科医Aの管理にかかる大分市a町b丁目c番d号
のA歯科仮診療室二階技工室に故なく侵入したものである。」との事実を認定し、
刑法一三〇条、罰金等臨時措置法三条、刑法一八条、刑訴法三四八条を適用して、
「被告人を罰金五、〇〇〇円に処する。この罰金を完納できないときは金五〇〇円
を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。第一項の金額を仮りに納付す
ることを命ずる。」旨の略式命令を発し、同略式命令は、正式裁判請求期間の経過
により同年一一月三日確定したことが明らかである。
しかしながら、建造物侵入罪につき、刑法一三〇条、罰金等臨時措置法三条を適
用して、被告人を罰金に処すべきものとする以上、その法定刑の最高額は、二、五
〇〇円であるから、これを超過して被告人を罰金五、〇〇〇円に処した右略式命令
は、明らかに法令に違反したものであつて、本件非常上告は、理由があり、しかも、
右略式命令は、被告人のため不利益であるといわなければならない。よつて、刑訴
法四五八条一号但書により、主文第一項のとおり原略式命令を破棄し、さらに、こ
れにつき判決することとする。原略式命令が確定した事実に法律を適用すると、右
は、刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条一項、三条一項一号に該当するところ、
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所定刑中罰金刑を選択し、所定罰金額の範囲内において、被告人を主文第二項の罰
金刑に処し、なお、罰金不完納の場合における労役場留置につき、刑法一八条に則
り、主文第三項のとおり定め、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
検察官蒲原大輔 公判出席
昭和四六年一二月一七日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 色 川 幸 太 郎
裁判官 村 上 朝 一
裁判官 岡 原 昌 男
裁判官 小 川 信 雄
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