大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和46(ク)349 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

抗告代理人田中治彦、同水田耕一の抗告理由第一点について。

所論は、緊急命令違反を理由とする処罰が非訟事件手続法の定めるところによつ

て行なわれるところから、労働組合法三二条は憲法三一条に違反する疑があり、そ

うでないとしても、緊急命令違反に対する過料の裁判手続は、刑事裁判手続と同様

の慎重な手続を履むのでなければ憲法三一条に違反するとし、このことを前提とし

て、原決定は憲法三一条、三二条に違反する、という。

しかし、緊急命令違反を理由とする過料を非訟事件手続法の定めるところによつ

て科することとし、右過料を科せられた者の不服申立の手続についてこれを同法の

定める即時抗告の手続によらしめることとしているのが憲法三一条、三二条に違反

するものでないことは、当裁判所大法廷判例(昭和三七年(ク)第六四号同四一年

一二月二七日決定・民集二〇巻一〇号二二七九頁)の趣旨に照らして明らかである。

それゆえ、緊急命令違反に対する過料の裁判手続が憲法に違反するとの主張は採

用しがたい。また、原決定の違憲をいう点は、右手続の違憲を前提とするか、その

実質において単なる法令違反の主張にすぎないものであるから、採用のかぎりでな

い。

同第二点について。

所論は、原決定が罪刑法定主義を定めた憲法三一条に違反するという。しかし、

本件緊急命令が技術を回復するために必要な訓練を命じているのは、労働者を実質

的に原職に復帰させるための手段としてであつて、特定内容の訓練を施すこと自体

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を目的とするものではない。このような見地からすれば、本件緊急命令の命ずる訓

練の内容は自ら確定しうるものであるとした原審の認定判断は、正当として首肯し

うるところである。したがつて、所論違憲の主張は、その前提を欠き、特別抗告適

法の理由とは認められない。

よつて、本件抗告はこれを棄却することとし、抗告費用は抗告人の負担として、

裁判官全員の一致で、主文のとおり決定する。

昭和四八年一月二六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 村 上 朝 一

裁判官 色 川 幸 太 郎

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 小 川 信 雄

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