大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和49(あ)589 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人川村延彦の上告趣意第一点の(一)は、所論詐欺被疑事実に基く被告人の

逮捕・勾留は、その必要性がなく、専ら被告人に対する所論暗殺未遂被疑事件の取

調に利用する目的のもとにされた違法なものであり、この違法な拘禁中に得られた

被告人の自白調書は、いずれも証拠能力がなく、これを証拠とした原判決は、憲法

三三条、三四条、三八条二項に違反する、というものである。しかしながら、記録

を調べても、右詐欺被疑事実による被告人の拘禁が捜査権の濫用として違法と断ず

べき証跡を発見できないから、右拘禁が違法であることを前提とする所論違憲の主

張は、その前提を欠き、上告適法の理由にあたらない。

同第一点の(二)は、憲法三七条違反をいうが、実質は、単なる法令違反の主張

であり、同第二点は、事実誤認の主張であり、同第三点は、量刑不当の主張であつ

て、いづれも上告適法の理由にあたらない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和四九年六月二一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 川 信 雄

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 吉 田 豊

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