大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和49(さ)3 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金二、五〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した

期間、被告人を労役場に留置する。

理 由

記録によると、社簡易裁判所は、被告人に対する住居侵入被告事件(同庁昭和四

八年(い)第一〇〇九二号)について、昭和四八年三月八日付の略式命令により、

「被告人は、他人の居室をのぞき見る目的で、昭和四七年五月一六日午後一一時一

〇分ごろ、北九州市a区b団地cのdA方塀内に立ち入り、もつて故なく人の住居

に侵入したものである。」との事実を認定し、刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二

条一項、三条一項(昭和四七年法律第六一号による改正前)、刑法六条、一八条を

適用して、被告人を罰金七、〇〇〇円(その不完納の場合は金五〇〇円を一日に換

算。)に処し、右略式命令は同月二七日確定したことが明らかである。

しかしながら、本件住居侵入の事実につき、刑法一三〇条、昭和四七年法律第六

一号による改正前の罰金等臨時措置法二条一項、三条一項、刑法六条を適用して被

告人を罰金に処すべきものとする以上、その法定刑の最高額は二、五〇〇円である

から、これを超過して被告人を罰金七、〇〇〇円に処した右略式命令は、明らかに

法令に違反したものであり、しかも、被告人にとつて不利益であるといわなければ

ならない。

よつて、刑訴法四五八条一号但書により、主文第一項のとおり原略式命令を破棄

し、被告事件についてさらに判決することとする。

原略式命令によつて確定された住居侵入の事実に法令を適用すると、右事実は、

行為時においては刑法一三〇条、昭和四七年法律第六一号による改正前の罰金等臨

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時措置法三条一項一号に、裁判時においては刑法一三〇条、改正後の罰金等臨時措

置法三条一項一号に該当するが、犯罪後の法律により刑の変更があつたときにあた

るから、刑法六条、一〇条により軽い行為時法の刑によることとし、所定刑中罰金

刑を選択し、その金額の範囲内で被告人を罰金二、五〇〇円に処し、右罰金を完納

することができないときは、同法一八条により金五〇〇円を一日に換算した期間被

告人を労役場に留置することとし、主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官栗本六郎 公判出席

昭和四九年一一月一五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 吉 田 豊

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