大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和50(あ)1321 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人太田惺の上告趣意第一点について

所論は、憲法三七条一項、三項違反をいうが、第一審が辞任届を提出している国

選弁護人を解任しないで弁護人不出廷のまま本件の審理判決をしたこと及び国選弁

護人の辞任理由について事実の取調べをしたことに違法はないとした原審の判断は、

正当であるから、所論は前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。

同第二点について

所論は、憲法三七条三項違反をいうが、実質は単なる法令違反の主張であつて、

適法な上告理由にあたらない。

同第三点について

所論のうち、憲法三一条、三二条、三七条一項、二項違反をいう点は、第一審裁

判所が被告人ら及び弁護人らの要求する事前の統一折衝及び審理方式をいれなかつ

た点に違法はないとした原審の判断は正当であるから、所論は前提を欠き、その余

は、単なる法令違反の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。

同第四点について

所論は、憲法三一条、三二条、三七条一項、二項違反をいうが、被告人らに対す

る退廷命令は、被告人らが裁判長の訴訟指揮に従わず、法廷の秩序を乱したため採

られた措置であつて、第一審裁判所が被告人ら不在のまま審理判決したことはやむ

をえないところであるとした原審の判断は正当であるから、所論は前提を欠き、適

法な上告理由にあたらない。

同第五点について

所論は、憲法三一条、三七条一項違反をいう点もあるが、実質はすべて単なる法

- 1 -

令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和五一年一二月一七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 吉 田 豊

裁判官 本 林 讓

裁判官 栗 本 一 夫

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!