大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和50(オ)737 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人渡辺重視、同安達正二の上告理由第一点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠に照らし、正当として是

認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は採用することができない。

同第二点について

下級審裁判所が上告審裁判所の破棄理由とした法律上の判断に従つてした判決に

対する再度の上告事件につき審判する場合には、上告審裁判所は、右差戻判決に示

された判断に拘束され、その下級審裁判所の判決を違法視することは許されない(

最高裁昭和四四年(オ)第一一八二号同四六年一〇月一九日第三小法廷判決・民集

二五巻七号九五二頁参照)。所論の点に関する原審の判断は、本件差戻上告審判決

が破棄理由として示した法律上の判断と同一であり、論旨は、差戻上告審が破棄理

由とした右法律上の判断の違法をいうに帰するから、採用することができない。

同第三点について

原審の適法に確定したところによれば、(一)訴外株式会社D(以下「訴外会社」

という。)は、被上告相互銀行に対し、昭和三六年一月三一日現在で、合計四一九

万一〇三四円の定期預金債権、定期積金債権、当座預金債権、普通預金債権(以下

「本件預金債権」という。)を有していたこと、(二)訴外会社は、昭和三六年一月

末ころ不渡手形を出して倒産したため、同年二月二日脱退被控訴人E株式会社(以

下「E」という。)ら債権者が集つてその善後策を講じた結果、訴外会社はその所

有する銀行預金、売掛債権、在庫商品等一切の財産を代物弁済として右債権者に譲

渡することとなり、本件預金債権については、同月七日、訴外会社がこれをEに対

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して譲渡し、その譲渡通知は同月九日に被上告相互銀行に到達したこと、(三)本件

預金債権には譲渡禁止の特約があつたが、Eは、本件預金債権の譲渡を受けるにあ

たつて、訴外会社又は被上告相互銀行のいずれに対しても右特約の有無について照

会をするなどその調査を行わなかつたこと、以上の事実が認められるというのであ

つて、右事実関係のもとにおいて、Eが右譲渡禁止の特約の存在を知らなかつたこ

とには重大な過失があるとした原審の認定判断は、正当として是認することができ、

その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 吉 田 豊

裁判官 本 林 讓

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