大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和52(オ)1215 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人下坂浩介の上告理由について

憲法二五条一項の法意は、国家は、国民一般に対して、概括的に、健康で文化的

な最低限度の生活を営ませるようにすべき責務を負担し、これを国政上の任務とす

べきであるとの趣旨であつて、この規定により、直接に、個々の国民は、国家に対

して具体的、現実的にこのような権利を有するものではないことは、すでに当裁判

所の判例とするところである(昭和二三年(れ)第二〇五号同年九月二九日大法廷

判決・刑集二巻一〇号一二三五頁)。それゆえ、上告人が右憲法の規定に基づいて

直接に刑務作業につき相当の対価を被上告人国に対して請求することができないこ

とは明らかであり、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができる。

したがつて、所論は判決の結論に影響を及ぼさない点について原審の判断を論難す

ることに帰し、適法な上告理由たりえず、論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 吉 田 豊

裁判官 本 林 讓

裁判官 栗 本 一 夫

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