大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和54(し)110 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

本件抗告の趣意は、憲法三一条違反をいうが、実質はすべて事実誤認、単なる法

令違反の主張であつて、刑訴法四三三条の抗告理由にあたらない。

なお、申立人が在監する新潟刑務所の所長宛に送達された原決定の謄本は、二枚

からなる原決定原本の一枚目にあたるものが重複して二枚綴じられ、右原本の二枚

目、すなわち原決定をした裁判所を構成する三人の裁判官を表示した部分が欠落し

ており、このような謄本は刑訴規則五七条一項に違反するといわなければならない。

しかし、右のような謄本であつても、裁判を受ける者の氏名、決定の主文、その

理由及び決定裁判所が東京高等裁判所第六刑事部であることは明白に示されており、

決定の名宛人である申立人において、右決定は自己がさきに抗告をした東京高等裁

判所の第六刑事部においてなされたものであることを知り、さらに右決定の内容を

了知し、これに対して改めて不服申立をするかどうかの判断をするに足りる事項は

含んでいることに加え、記録によれば、本件決定書原本には同刑事部を構成する裁

判官三人の記名押印の存することは明白であるから、本件謄本の送達による決定の

告知は前記刑訴規則違反の点にもかかわらず、なお、無効とはいえないと解するの

が相当である(最高裁昭和二四年(オ)第二七六号同二五年五月三〇日第三小法廷

判決・裁判集民事三号三五三頁、同三三年(オ)第一〇四九号同三五年七月一日第

二小法廷判決、裁判集民事四三号二一頁、大審院昭和五年(オ)第一八二七号同六

年一月二九日判決・法律新聞三二三二号一二頁参照)。

よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和五四年一一月五日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 塚 本 重 頼

裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 栗 本 一 夫

裁判官 木 下 忠 良

裁判官 鹽 野 宜 慶

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