最高裁判所第二小法廷 昭和58(あ)1056 判決
主 文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中二四〇日を本刑に算入する。
理 由
被告人の上告趣意について
被告人の上告趣意のうち、共犯者らの被告人あて書簡の証拠能力に関して判例違
反をいう点は、原判決は所論の点につきなんら法律判断を示していないから、その
前提を欠き、Aらの所論各供述調書の証拠調がされていないとして憲法三一条、三
七条違反、判例違反をいう点は、記録によれば、第一審において所論各供述調書の
証拠調が適法に行われていることが明らかであるから、所論は前提を欠き、いずれ
も適法な上告理由にあたらない。
原裁判所が共犯者とされているBらの控訴審の審理判決を担当したとして憲法三
七条一項違反をいう点は、控訴審裁判所の構成員たる裁判官が、それ以前に、同一
の犯罪事実に関し、共犯者の別件被告事件の控訴審の審理判決に関与したとしても、
憲法の同条項に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和二四年新(れ)
第一〇四号同二五年四月一二日大法廷判決・刑集四巻四号五三五頁、昭和二八年(
あ)第二三九二号同年一〇月六日第三小法廷判決・刑集七巻一〇号一八八八頁)の
趣旨に徴し明らかであるから、所論は理由がない。
被告人の所論各供述調書の証拠能力に関して憲法三八条二項違反、判例違反をい
う点は、記録によれば、被告人が取調警察官から所論の強要、脅迫、偽計及び約束
等を受けたことを疑わせる証跡は存しないから、所論は前提を欠き、その余は、憲
法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であつ
て、いずれも適法な上告理由にあたらない。
弁護人の上告趣意について
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弁護人平松久生の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあた
らない。
弁護人谷口欣一の上告趣意のうち、憲法三七条違反をいう点は、原裁判所がBら
共犯者の控訴審の審理判決を担当したからといつて、憲法三七条に違反するもので
ないことは前叙のとおりであるから、所論は理由がなく、憲法三八条違反をいう点
は、記録を調べても、所論各供述調書の任意性を疑うべき証跡は存しないから、所
論は前提を欠き、その余は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事
実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
よつて、刑訴法四〇八条、、刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり判決する。
昭和五九年六月二九日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 木 下 忠 良
裁判官 鹽 野 宜 慶
裁判官 大 橋 進
裁判官 牧 圭 次
裁判官 島 谷 六 郎
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