大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和59(あ)590 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人駒場豊の上告趣意のうち、憲法違反をいう点は、死刑が憲法一四条、三六

条に違反しないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一一九号伺二三年三

月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁)の趣旨に徴し明らかであり、また、

絞首刑が憲法三六条に違反しないことは、当裁判所の判例(昭和二六年(れ)第二

五一八号同三〇年四月六日大法廷判決・刑集九巻四号六六三頁)とするところであ

るから、所論は理由がなく、その余は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条

の上告理由に当たらない。

また、記録を調査しても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない(本

件は、酒色に溺れて多額の会社資金を使い込んだ被告人が、証拠となる帳簿類を焼

却し会社所有の現金を入手した上で逃走することを計画し、深夜これを実行する過

程で、その妨げとなつた会社上司とビル管理人を殺害するとともに、現金二五二万

円余を強取し、かつ、ビルの一部を焼燬したという事案である。強盗殺人二件に加

えて現住建造物等放火も伴うという本件の罪質はまことに重くその結果は極めて重

大であり、動機に酌量の余地はなく、犯行の態様は悪質で、殊に被害者らに対する

殺害の手段方法は甚だ残忍であるといわざるを得ない。更に、遺族らの被害感情も

深刻であり、社会に与えた影響も軽視し難い。以上の諸点に照らすと、被告人が当

初から被害者らの殺害を企図していたものでないこと、被告人に前科はなく、現在

深く反省していることなど被告人のために斟酌すべき事情を十分考慮しても、被告

人の罪責はまことに重く、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所

もこれを是認せざるを得ない。)。

よつて、刑訴法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致

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の意見で、主文のとおり判決する。

検察官佐藤勲平 公判出席

昭和六三年七月一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 久 之

裁判官 牧 圭 次

裁判官 島 谷 六 郎

裁判官 藤 島 昭

裁判官 香 川 保 一

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