大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和60(あ)173 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当たらず、

弁護人佐竹修三の上告趣意のうち、違憲をいう点は、現行法上の死刑制度が憲法一

三条、三一条、三六条に違反しないことは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一

一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁)の趣旨に徴し明ら

かであるから、理由がなく、その余は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、適法

な上告理由に当たらない。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(本

件は、被告人が九か月余りの間に何の落度もない女性二名を殺害したというまこと

に重大、悪質な事案である上、その動機に酌量すべき余地がないこと、第一審判決

判示第一の境町事件の被害者に対しては、強姦致傷の犯行に及んだ上、犯跡隠蔽の

ため、同女の頸部を手拭等で緊縛し、その胸部等を鋭利な小刀で多数回にわたつて

突き刺して殺害し、同第二の宮城村事件の被害者に対しては、同女を人目につかな

い山林内に引きずり込んだ上、その頸部を手拭等で絞め付けて殺害し、更にその死

体を凌辱する行為に及んでおり、犯行は執拗かつ非道であること、被告人には強盗

致傷罪で懲役八年に処せられたほか、本件と同種の強姦致傷、殺人、死体遺棄の各

罪で無期懲役に処せられた前科があり、本件は仮出獄中の犯行であることなどの本

件犯行の罪質、動機、態様、結果、社会的影響、被害者の遺族の被害感情及び被告

人の前科等に照らすと、本件は短絡的、衝動的な犯行であり計画性が認められない

ことや、被告人が反省していることなどを考慮しても、被告人の罪責はまことに重

大であり、原判決の維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せ

ざるを得ない。)。

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よつて、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官西岡幸彦 公判出席

昭和六三年五月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 久 之

裁判官 牧 圭 次

裁判官 島 谷 六 郎

裁判官 藤 島 昭

裁判官 香 川 保 一

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