大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和62(あ)192 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人諸橋襄の上告趣意のうち、憲法三六条、三八条二項違反をいう点は、記録

を調査しても、所論のような拷問の事実及び被告人の自白の任意性を疑わせる証跡

は認められないから前提を欠き、その余は、事実誤認、量刑不当の主張であって、

適法な上告理由に当たらない。

被告人本人の上告趣意のうち、憲法三八条違反をいう点は、記録を調査しても、

所論のような強制、拷問、脅迫の事実は認められないから前提を欠き、憲法三三条、

三四条違反をいう点は、本件捜査に所論の違法は認められないから前提を欠き、そ

の余は、憲法違反をいう点を含め、実質はすべて単なる法令違反、事実誤認、量刑

不当の主張であって、適法な上告理由に当たらない。

また、記録を調査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(

本件強盗殺人罪の成立を肯定した原判断は、正当として是認することができる。本

件の主たる犯行は、いわゆる居直り強盗の際、被害者の女性が大声で助けを求めた

ことから、逮捕されるのを恐れて同女を絞殺し、更に、その約二か月後にも、空き

巣に入った際、逮捕を免れるため所携の登山ナイフで追跡者の頸部を突き刺して重

傷を負わせたというものであって、各犯行の罪質、動機、態様、結果、遺族らの被

害感情に併せ、被告人が強盗殺人罪により無期懲役に処せられ仮出獄中の身であっ

たことなどを総合すると、被告人の生い立ちなど被告人のため酌むべき事情を考慮

しても、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざ

るをえない。)。

よって、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

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検察官若林安則 公判出席

平成二年一二月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 中 島 敏 次 郎

裁判官 藤 島 昭

裁判官 香 川 保 一

裁判官 木 崎 良 平

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