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札幌地方裁判所 平成15年(行ウ)13号 判決 2004年10月28日

原告 甲

訴訟代理人弁護士 林裕司

被告 小樽税務署長

加藤敏夫

指定代理人 澤井知子

同 大山光久

同 齊藤章夫

同 天満三樹

同 市川光雄

同 行場孝之

同 房田達也

同 山田昌弘

主文

1  原告の請求をいずれも棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第1  請求

1  被告が原告の平成10年分の所得税について、平成14年2月22日付けでした更正処分のうち、総所得額1342万7093円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定(審査裁決によって取り消された所得3万5994円、所得税1万0800円、加算税1000円の部分は除く。)を取り消す。

2  被告が原告の平成11年分の所得税について、平成14年2月22日付けでした更正処分のうち、総所得額1265万3186円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定を取り消す。

3  被告が原告の平成12年分の所得税について、平成14年2月22日付けでした更正処分のうち、総所得額1514万5757円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定を取り消す。

第2  事案の概要

本件は、不動産貸付業を営む原告が、平成10年分ないし同12年分の所得税に係る青色確定申告をしたのに対し、被告が、平成14年2月22日付けで、所得税の各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分」といい、本件各更正処分と併せて「本件各処分」という。ただし、平成10年分について審査裁決によって取り消された所得3万5994円、所得税1万0800円、加算税1000円の部分は除く。以下同じ。)をしたのは違法であると主張して、本件各処分の取消しを求めたものである。

1  前提事実(争いのない事実以外は括弧内に証拠等を掲記した。)

(1)  当事者等

ア 原告は、小樽市所在のAⅠ、同Ⅱ、同Ⅲ及びBという名称の4棟の賃貸建物(以下、これらを併せて「本件建物」という。)を所有するとともに、これを学生に貸し付ける者である。

イ 有限会社C(以下「C」という。)は、不動産賃貸及び管理業務等を目的として平成10年7月29日に設立された有限会社であり、原告がその全額の出資持分を保有するとともに、その代表である取締役に就いており、法人税法2条10号に規定する同族会社である。

ウ 原告は、平成10年7月29日、原告を委託者、Cを受託者として、本件建物に係る管理委託業務契約(以下「本件契約」という。)を締結した。

原告がCに委託した管理業務の内容であるが、本件契約に係る管理委託業務契約書(乙5、以下「本件契約書」という。)上、原告は、Cに対し、①家賃、駐車場収入の管理徴収業務、②食事提供等賄いに関する販売業務、③水道料、電話基本料徴収精算業務、④その他自動販売機、テレホンカード等の販売業務を委託する(1条)、また、原則として家賃、駐車場収入の20%を限度とし、管理委託料として月額78万円を支払い、他方、上記②ないし④の業務に係る収入はCに帰属し、その経費もすべてCが負担する(3条)というものであった。

なお、Cは、原告から支払われる管理料の中から、本件建物の警備、清掃、エレベーターの保守及び自動ドアの保守といった本件建物の維持管理等に係る業務について外部の業者に委託する費用並びに本件建物の共用部分に係る電気料及び灯油料(以下、これらを併せて「保守管理料等」という。)を支払っている。

エ Cが営業を開始した平成10年8月1日以降の、平成10年ないし同12年分の本件建物賃貸に伴う収入、Cに支払われた管理料、Cが負担した保守管理料等は、それぞれ別表2の各年分の「不動産収入の金額」、「管理料の金額」中の「原告主張の金額」及び「保守管理料等の金額」欄記載のとおりである。

(2)  本件各処分の経緯

ア 原告は、別表1の順号①「確定申告」欄記載のとおり、被告に対し、確定申告書及び青色申告決算書を法定申告期限内に提出し、平成10年分ないし同12年分の所得税の確定申告を行った(以下「本件確定申告」という。)。

イ 被告は、平成10年分ないし同12年分の所得金額の適否について原告及びCに対する税務調査を実施し、平成14年2月22日付けで、別表1の順号②「更正処分等」欄記載のとおり、本件各処分を行った。

本件各処分の理由は、概ね、次のような内容であった(甲1ないし3)。

(ア) 青色申告特別控除額の是正(平成11年分及び同12年分)

原告は、租税特別措置法25条の2第3項に規定する青色申告特別控除額(平成11年分につき45万円、同12年分につき55万円)の適用を受けるものとして申告する。しかし、同規定の適用を受けるためには、不動産所得に係る取引を少なくとも簡易な簿記の方法及び記載事項により記録し、その帳簿書類その他の書類に基づいて作成した貸借対照表等を確定申告書に添付していなければならないところ、原告個人分の不動産所得に係る帳簿書類は、Cの帳簿書類中の「仮受金家賃等」勘定及び「仮払金」勘定(以下、単に「仮受金・仮払金勘定」という。)で代用されており、簡易な簿記の方法で記録されているとは認められず、かつ、この記録状況では現金残高等を確認できず、資産負債面の記載が帳簿に基づき作成されたものとは認められないから、同規定の適用を受けるものとは認めず、同控除額は、平成11年分及び同12年分のいずれについても10万円として所得の計算をする。

(イ) 必要経費に算入されない管理料(平成10年分ないし同12年分)

原告は、本件確定申告において、平成10年分ないし同12年分の事業所得の金額の計算上、本件契約に基づきCに対して支払った管理委託料(以下「本件管理料」という。)を必要経費として算入する。しかし、原告の本件建物に係る賃貸料収入の額に対し、原告と同様の不動産賃貸業を営む者で、かつ、賃貸アパート等の管理業務を同族関係にない不動産管理会社に委託している者(以下「比準同業者」という。)の賃貸料収入の額に占める管理料割合の平均値(平成10年分につき5.5%、同11年分につき5.1%、同12年分につき5.0%、以下「同業者管理料割合」という。)を乗じ、その額に各年度にCが負担した保守管理料等を加えた額(以下「適正管理料」という。)に比して、本件管理料は著しく高額であり、本件管理料の額のうち適正管理料の額を超えた部分については所得税法157条1項に規定する「所得税の負担を不当に減少させる結果」になるものとして、必要経費の算入を認めない。

ウ なお、原告は、本件確定申告において、本件建物の賃貸から生じる所得を事業所得として申告していたが、被告は、本件各処分において、Cが営業を開始した平成10年8月1日以降の上記所得は不動産所得に該当するものであるとして、不動産所得として所得区分を変更した(以下、本件建物の賃貸から生じる所得については、単に「不動産所得」と表記する。)。

(3)  本件各処分に対する不服申立ての経緯

ア 原告は、平成14年4月19日、国税不服審判所長に対し、本件各処分に不服があるとして、国税通則法75条4項1号に基づき、別表1の順号③「審査請求」欄記載のとおり、本件各処分の取消しを求める審査請求を行った。

イ 同所長は、これを受けて、平成15年2月28日付けで、別表1の順号④「審査裁決」欄記載のとおり、平成10年分の所得税の更正処分及び過少申告課税の賦課決定処分の一部(本税の額1万0800円、加算税の額1000円)を取り消し、その余はいずれも棄却する旨の審査裁決を行い、同年3月4日、同裁決書謄本は原告に送達された。

2  争点

(1)  租税特別措置法25条の2第3項の適用の有無

平成11年分及び同12年分の原告の不動産所得に係る帳簿書類が、租税特別措置法25条の2第3項所定の青色申告特別控除の適用要件を満たすか否か。

(原告の主張)

原告は、平成10年7月28日にCを設立した後、Cの総勘定元帳中の仮受金・仮払金勘定を原告個人分の総勘定元帳として代用していたものの、Cの総勘定元帳はコンピューターにデータを入力して作成されていたから、Cの総勘定元帳から原告個人分の総勘定元帳部分を分離して取り出すことは容易であった。また、原告は、平成10年分ないし同12年分について、Cの取引を含めた日々の取引に係る仕訳帳、小口現金出納帳などの帳簿書類も作成していた。こうした原告個人分の取引に係る帳簿書類は、「正規の簿記の方式にかかる帳簿書類その他の書類」あるいは「簡易な簿記に係る帳簿書類その他の書類」に当たるものと評価されるべきである。加えて、平成11年分及び同12年分についての帳簿の記帳状況及び貸借対照表の記載内容は、青色申告特別控除の適用要件を満たすとした平成10年分と同様のものである。そうすると、平成11年分及び同12年分の原告個人分の不動産所得に係る帳簿書類は、租税特別措置法25条の2第3項に規定する青色申告特別控除の適用要件を満たすというべきである。

なお、原告及び原告の顧問税理士であるD(以下「D税理士」という。)は、初回の税務調査期日の際は原告個人の総勘定元帳はフロッピーディスクにデータとして保存されていると回答しており、提示できなかったが、その後データをアウトプットして原告個人分の総勘定元帳を作成し備え付けており、第2回調査期日以降、被告の係官である乙(以下「乙係官」という。)に対し、再三にわたり確認を求めたにもかかわらず、乙係官はこれに耳を貸さなかったのであって、こうした不適切な税務調査の結果、原告の帳簿書類が、租税特別措置法25条の2第3項所定の青色申告特別控除の適用要件を満たさないものと判断されたことは明らかである。

(被告の主張)

原告は、原告個人分の不動産所得に係る収入及び必要経費を日々継続して記帳した帳簿書類並びに日々の現金の入出金及びその結果としての現金残高が記載された帳簿書類(現金出納帳)を作成していないのであるから、租税特別措置法25条の2第3項に規定する「当該事業につき帳簿書類を備え付けて」いる場合には該当せず、また、そうである以上、平成11年分及び同12年分の貸借対照表及び損益計算書は、同条第5項に規定する「…に規定する帳簿書類に基づき…作成された貸借対照表、損益計算書その他不動産所得の金額…の計算に関する明細書」に該当しない。平成11年分及び同12年分の小口現金出納帳は、その存在が確認できず、また、仕訳帳はCに係る仕訳と原告個人に係る仕訳が混在して記載されており、原告個人の帳簿書類には当たらない。さらに、原告が原告個人分の総勘定元帳として代用していると申し立てたCの総勘定元帳中の仮受金・仮払金勘定は、あくまでCの帳簿書類の一部分であって、原告個人分の帳簿種類とは認められない。なお、原告が、税務調査に際して、平成11年分及び同12年分の不動産所得に係る原告個人分の帳簿書類を提示した事実はない。

上記のような原告個人分の取引に係る帳簿書類の記載状況を前提とすると、平成11年分及び同12年分の原告の不動産所得に係る貸借対照表は、租税特別措置法25条の2第5項に規定するところの同条3項に規定する帳簿書類に基づき作成された「貸借対照表、損益計算書その他不動産所得の金額…の計算に係る明細書」に該当せず、青色申告特別控除の適用要件を充たしていないことは明らかである。

(2)  所得税法157条1項の適用の有無

本件管理料の額のうち、同業者管理料割合に基づき算出した管理料の額を超える部分について、被告が、所得税法157条1項を適用し、「所得税の負担を不当に減少させる結果」となるとして必要経費に算入しないものとしたことが適法であったか否か。具体的には、同業者管理料割合を算定するために設定した比準同業者の抽出基準が合理的であったか否か。

(原告の主張)

原告が本件契約に基づきCに委託した管理業務の内容は、一般の不動産管理会社が行っている通常の入居者管理業務の他に、①入居者が病気の時の入退院の付き添い、②入居時の買い物先案内や業者紹介、③新聞、宗教等の各種勧誘に対する見回り、④冬期間の水道水落しの説明会、⑤入居者募集のための広告宣伝、⑥入居者からのクレーム処理、⑦新入生、卒業生の歓送迎会の開催、⑧入居者に対する24時間サポート、⑨各種の法定点検や各種設備の修理の立ち会い、⑩郵便物、宅配物の代理受領や宅配便の発送、⑪ゴミ収集場の整理、⑫甲個人の不動産賃貸借に関する会計事務といった学生下宿特有の管理業務(以下、原告が主張する①から⑫までの管理業務を「本件管理業務」という。)を加えたものである。したがって、Cが原告から委託された管理業務の内容は、一般の不動産管理会社が行っているものとは異なり、学生下宿特有の入居者に対する24時間サポートを特色とした管理業務であって、加重なものであるから、管理業務の対価である管理料も当然に増加するはずである。

しかしながら、乙係官は、原告がCに委託した管理業務の内容を丁寧に調査しないまま、本件契約書の文言に拘泥し、賃貸借契約の締結・更新、入居者の募集及び集金等に限定された管理業務を不動産管理会社に委託している同業者を比準同業者として抽出したのであるから、本件管理業務の実態が全く反映されておらず、その内容にはおよそ合理性はない。

(被告の主張)

本件契約書に照らせば、原告がCに委託した管理業務の内容に、本件管理業務が含まれないことは明らかであるから、本件管理業務は原告個人が不動産貸付業者の立場で行っている業務であるというべきである。仮に、原告がCに委託した管理業務の中に本件管理業務が含まれると解する余地があるとしても、比準同業者の抽出基準に反映させねばならない程の特殊な業務とはいえず、入居者管理料割合の平均値を求める過程で捨象される程度のものにすぎないのである。いずれにせよ、比準同業者を抽出するに際し、本件管理業務を考慮する必要はないのであるから、比準同業者の抽出基準は合理性を有する。

被告は、このように客観的かつ合理的に求められた同業者管理料割合によって適正管理料の額を算出したのであるが、本件管理料の額のうち適正管理料の額を超えた部分まで必要経費に算入することを容認した場合には、所得税法157条1項に規定する「所得税の負担を不当に減少させる結果」になると認められるから、本件各処分において、所得税法157条1項を適用したことは適法である。

第3  争点に対する判断

1  争点1(租税特別措置法25条の2第3項の適用の有無)について

(1)  上記前提事実、証拠(括弧内に掲記したもののほか、甲18、19、乙27、証人D、証人乙、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、被告の原告及びCに対する税務調査の経緯について、以下の事実が認められる。

ア 乙係官は、平成13年8月28日、丙財務事務官とともに、原告の自宅に臨場し、原告、D税理士及び丁事務員と面接した。その際、乙係官は、原告から不動産所得に係る事業概況を聴取し、また、本件確定申告の基礎とした帳簿書類の提示を求めた。これに対して、原告及びD税理士は、平成10年分ないし同12年分のCの総勘定元帳(甲8ないし10)及び平成10年分の原告個人の総勘定元帳(甲11)を提示したものの、それ以外の帳簿書類を提示することはなかった。そして、D税理士は、平成10年分ないし同12年分の現金出納帳や平成11年分及び同12年分の原告個人の帳簿書類については、Cの総勘定元帳中の仮受金・仮払金勘定を原告個人の帳簿書類として代用している旨を申し立てた。

イ 乙係官は、同年9月7日、丙財務事務官とともに、E事務所に臨場し、原告個人分の業務とCに委託した管理業務の業務区分を調査するとともに、原告がCに対して支払った管理料を調査した。その上で、D税理士に対して、同業者管理料割合を示して原告の賃貸料収入の額に占める管理料の割合が高いことを説明するとともに、原告個人の帳簿書類として代用しているCの総勘定元帳中の仮受金・仮払金勘定が簡易な簿記の方法に当たらないことを説明した。

ウ 乙係官は、同月18日、原告の自宅に臨場し、原告及び丁事務員に対し、平成10年分ないし同12年分の現金出納帳や平成11年分及び同12年分の原告個人の帳簿書類が作成されていないこと、平成11年分及び同12年分の貸借対照表の「現金」勘定及び各種「預り金」勘定の12月31日(期末)の各欄に金額の記載がないこと、Cの総勘定元帳中の仮受金・仮払金勘定からでは、「現金」勘定及び「事業主貸」勘定等の各期末残高を算出することはできず、平成11年分及び同12年分の貸借対照表が帳簿書類に基づいて作成されたものとはいえないことなどから、平成11年分及び同12年分の青色申告特別控除については、いずれも10万円に是正されるべきであることを説明した。

エ 乙係官は、同年11月12日、原告の自宅に臨場し、原告及びD税理士と面接したが、その際、D税理士は、平成11年分及び同12年分の貸借対照表には各勘定科目の期末残高が記載されているのであるから、青色申告特別控除の申請は正当である旨を申し立てた。これに対し、乙係官は、原告個人の帳簿書類として代用している仮受金・仮払金勘定はあくまでCの総勘定元帳であって、原告個人としての帳簿書類がないのであるから、平成11年分及び同12年分の青色申告特別控除は是正されるべきであることを再度説明した。

オ その後、乙係官は、同月20日付けでこれまでの調査内容を記載した文書を送付し(乙20)、また、同年12月13日付けでその時点における調査額を記載した文書を送付した(乙21)。

カ 乙係官は、平成14年1月24日、原告の自宅に臨場し、原告、D税理士及び丁事務員と面接した。その際、D税理士は、「平成13年分青色申告の決算の手引き(一般用)」(乙22)を示して、仮受金・仮払金勘定が簡易な簿記の方法に当たらないとする理由の説明を求めるとともに、原告個人の帳簿書類についてはすぐにでも作成できること、貸借対照表の「現金」勘定欄等に金額の記載がないのは原告個人に帰属する現金等がないためであることなどと申し立てた。これに対し、乙係官は、仮受金・仮払金勘定は、あくまでCの総勘定元帳であって、原告個人としての帳簿書類としては認められないのであるから、簡易な簿記の方法に当たらないと説明した。

キ 同年2月5日及び同月12日、戊税理士、D税理士及び丁事務員は小樽税務署を訪れ、乙係官及びF統括国税調査官と面接した際に、仮受金・仮払金勘定が簡易な簿記の方法に当たるし、貸借対照表も適正に計上されているなどと申し立てた。これに対し、乙係官は、仮受金・仮払金勘定はCの総勘定元帳の一部分であって原告個人の帳簿書類ではないし、現金出納帳等の原告個人の帳簿書類がない状況では、貸借対照表も適正に計上されているとは認められないと説明した。

ク なお、D税理士は、平成13年8月28日の時点では原告個人分の総勘定元帳を作成しておらず乙係官に提示できなかったものの、原告個人の取引状況はフロッピーに保存しており、直ちに作成が可能である旨を申し立て、同年9月7日、平成14年2月5日、同月12日の各税務調査に際し、原告個人分の総勘定元帳を持参し、再三にわたり確認を求めたなどと証言する。しかしながら、D税理士は、平成13年9月7日の調査に際し、原告個人分の総勘定元帳を持参していたとすれば、上記のとおり、主に原告個人分の総勘定元帳をめぐって乙係官との間でやりとりがされていたのであるから、「手元まで出さなかったですけれども、ここにあるということで、手で指図はいたしました。」とか、平成14年2月5日及び同月12日の調査に際しても、原告個人分の総勘定元帳を紙袋から、「出す予定でいたけれども、横に置いていた。出しませんでした。」というように消極的な態度に終始していたというのは不可解である。特に、D税理士は昭和28年4月から平成4年7月まで税務署に勤務し、その間長く法人部門を担当していたという経歴に照らせば(甲18)、税務調査の方法や帳簿の重要性についても当然に理解していたはずであるから、税務調査に際して持参した帳簿を提示しなかったというのは極めて不自然である。したがって、D税理士の前記供述部分はにわかに採用できず、同人が原告個人分の総勘定元帳を持参し確認を求めたものと認めることはできない。

(2)  ところで、青色申告制度は、申告納税制度のもと適正な課税を実現するために不可欠な帳簿の正確な記帳を推進する目的で、適式に帳簿書類を備え付けてこれに取引を忠実に記載し、かつ、これを保存する青色申告の承認を受けている納税者について、その帳簿の備付け、記録保存が正しく行われていることを前提に、税法上各種の特典を付与するものである。そのうち、租税特別措置法25条の2第3項所定の青色申告特別控除は、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人で、不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの(所得税法67条の規定の適用を受ける者は除かれる。)が、所得税法148条1項の規定による帳簿書類に不動産所得又は事業所得に係る取引を記録し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表を損益計算書とともに確定申告書に添付する場合には、その年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額について、平成11年分は最高45万円、同12年分は最高55万円の青色申告特別控除を受けることができるとするものである(なお、租税特別措置法25条の2第3項の適用を受けない青色申告者は、同条第1項により10万円の青色申告特別控除を受ける。)。

そして、所得税法148条1項の規定による帳簿書類の記録方法及び記載事項については、不動産所得の金額又は事業所得の金額に係る一切の取引の内容を正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録していなければならず、この具体的内容については、所得税法施行規則56条ないし62条及び64条、並びに「所得税法施行規則第56条第1項ただし書、第58条第1項及び第61条第1項の規定に基づき、これらの規定に規定する記録の方法及び記載事項、取引に関する事項並びに科目に定める件」(昭和42年8月31日大蔵省告示第112号、乙19、以下、単に「大蔵省告示」という。)が定めている。具体的な備付帳簿及び記載事項について、同施行規則58条1項は、仕訳帳、総勘定元帳及びその他必要な帳簿を備え、財務大臣の定める取引に関する事項、すなわち、大蔵省告示の別表第一各号(不動産所得に係る取引に関する事項については、同別表第一第二号)の表の第一欄に定めるところにより記載しなければならないと規定している。また、複式簿記のみならず、同施行規則56条1項ただし書に規定するいわゆる簡易な記録の方法もまた正規の簿記に該当するが、この場合は大蔵省告示の別表第一各号(不動産所得に係る取引に関する事項については、同別表第一第二号)の表の第二欄に定めるところにより記載しなければならないと規定している。

そして、大蔵省告示の別表第一第二号の表の第一欄及び第二欄によれば、正規の簿記及び簡易の簿記のいずれの場合においても、現金出納等に関する事項について、現金取引の年月日、事由、出納先及び金額並びに日々の残高を記載すること、また、収入及び費用に関する事項について、適宜な科目に区分して、取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載することが要求されている。

(3)  しかしながら、平成11年分及び同12年分の原告個人の取引については、以下のとおり、上記の法令に定める方式に則って、不動産所得の金額に係る一切の取引の内容を簿記の原則に従って、整然と、かつ、明瞭に記録された帳簿が備え付けられているものと評価することはできない。

ア 小口現金出納帳について

この点、原告は、平成11年分及び同12年分については、平成14年分の小口現金出納帳(甲17)と同様の記録方法及び記載事項による小口現金出納帳を作成していたものと主張し、原告、D税理士及びCの従業員であるG(以下「G」という。)はこれに沿う供述をするが、平成11年分及び同12年分の小口現金出納帳は書証として提出されていない。原告は、これについて、税務調査終了後に廃棄したと供述するが、上記認定のとおり税務調査において終始原告がどのような帳簿書類を作成していたかが問題とされていたことに照らせば極めて不自然であり、原告が平成11年分及び同12年分の小口現金出納帳を作成した事実を認めることはできない。

仮にこれを作成していたとしても、甲第17号証及び弁論の全趣旨によれば、本件の係争年分後のものである平成14年分の小口現金出納帳には、「収入金額」欄及び「摘要」欄に「雑収入」として電話代(テレホンカード販売収入)が、また、「支払金額」欄及び「摘要」欄に自動販売機に係る仕入や食材の仕入代金、食堂従業員に対する給料賃金や「雑費」として栄養士に対する報酬、「通信費」としてテレホンカードの仕入代金などが、それぞれ記載されているところ、これらはいずれも、Cが委託を受けた管理業務に伴うCの収入ないし必要経費に該当するものというべきである。そして、小口現金出納帳の作成者は、原告自身ではなくCの従業員であるGであること(証人G)、原告本人は小口現金出納帳についてCの補助簿であるとの認識であったこと(原告本人)、平成14年分の小口現金出納帳に記録された原告個人の取引は、1年を通してみても、「雑費(生徒焼肉会)」と記載されたジンギスカンパーティーの1項目だけであったこと(証人G)を併せて考慮すれば、同小口現金出納帳はCの帳簿であるというほかなく、原告個人の帳簿であるとは到底認められない。そうすると、仮に平成11年分及び同12年分について甲第17号証と同様の小口現金出納帳が作成されていたとしても、原告個人に係る取引について、現金出納等に関する事項を記載した帳簿書類があったものと認めることはできない。

イ 仕訳帳について

証拠(甲18ないし20、証人D、証人G、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、Cの取引を含め、日々の取引について領収証、預金通帳に基づき仕訳帳(甲5ないし7、以下「本件仕訳帳」という。)を作成し、これをもとに、毎月1回、Cの収入内訳明細書や試算表を作成し、これらに基づきCの総勘定元帳を作成していたものと認められる。このような作成の経緯に照らせば、本件仕訳帳は、本来的にはCの収入内訳明細書、試算表、ひいては総勘定元帳などを作成するための基礎資料というべき性質の帳簿であったものといい得る。また、本件仕訳帳の記載をみるに、Cに係る仕訳と原告個人に係る仕訳とが混在して記載されていることが認められ、本件仕訳帳の記載からは両者を区別することは極めて困難であるから、本件仕訳帳は、原告個人に係る取引について、収入及び費用に関する事項を適宜な科目に区分して、取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載した帳簿書類であると認めることはできない。

ウ 総勘定元帳について

原告は、平成11年分及び同12年分については、Cの総勘定元帳の仮受、仮払勘定が原告個人の取引についての総勘定元帳を兼ねており、同仮受、仮払勘定のデータから、容易に甲第12号証及び甲第13号証と同様の原告個人分の総勘定元帳を抽出し、作成することができたから、原告個人の取引について総勘定元帳が備え付けられていたと評価するべきであると主張する。

しかし、甲第12号証及び甲第13号証をみると、原告個人の不動産所得に係る収入のうち平成11年分及び同12年分の家賃及び駐車場代(コード番号「4111」の勘定科目)については、本件各建物ごとの各月の合計金額が記載されているものの、個別の各取引ごとの取引年月日、支払先及び金額等は明らかとはならない。また、原告個人の不動産所得に係る費用のうち平成11年分及び同12年分の修繕費(コード番号「6216」の勘定科目)並びに平成12年分の雑費(コード番号「6231」の勘定科目)については、本件各建物の区分も含め、取引年月日、支払先及び金額等は全く不明である。そうすると、仮に甲第12号証及び甲第13号証と同様の総勘定元帳が、データをアウトプットすれば容易に作成し得る状態にあったとしても、平成11年分及び同12年分の原告個人の取引について、収入及び費用に関する事項を適宜な科目に区分して、取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載した帳簿書類が作成されていたものとは認め難い。

なお、原告は、原告個人の不動産所得に係る収入及び費用に係る各勘定科目の個別の各取引ごとの取引年月日、支払先及び金額等については、Cの総勘定元帳の仮受、仮払勘定により明らかとなるものと主張し、証人Dも、原告個人の取引に係る預金や敷金はCの資産や負債勘定として会計処理されているなどと証言する。しかしながら、Cの総勘定元帳によらなければ、原告個人の取引ごとの取引年月日、支払先及び金額等が明らかとならないというのであれば、租税特別措置法25条の2第3項所定の「不動産所得について日々の記録に基づいて仕訳処理した帳簿」に当たるものとはもはやいえないのであり、原告の主張は採用することができない。

(4)  租税特別措置法25条の2第3項の適用を受けるためには、上記のとおり所得税法148条1項の規定による帳簿書類に基づき貸借対照表が作成され、かつ、その貸借対照表は大蔵省告示の別表第二第二号に定める科目が記載されていなければならないところ、原告個人の平成11年分及び同12年分の貸借対照表(甲15、16の各1頁目、乙7、8の各4頁目)は、上記のとおり、法令に定める方式に則って記録された帳簿に基づき作成されたものと認めることはできない。

以上に加え、同貸借対照表の記載内容をみても、「現金」勘定には現金の残高の記載は一切認められないし、また、証拠(乙23ないし25)によれば、原告には、原告個人の不動産所得である本件建物に係る家賃の振込先口座が存在するものと認められるにもかかわらず、同貸借対照表の「その他の預金」勘定には、平成11年分の1月1日(期首)欄に1737円の記載があるのみであって、それ以外の普通預金残高についての記載がない。さらに、Bに係る建物賃貸借契約書(乙26)によれば、賃借人は、賃貸人である原告に敷金を預託することが規定されている(5条)にもかかわらず、同貸借対照表の「預り金」勘定には、平成11年分の1月1日(期首)欄に200円の記載があるのみであって、預託を受けている敷金についての記載がない。そうすると、原告個人の平成11年分及び同12年分の貸借対照表は、大蔵省告示の別表第二第二号の表の第一欄に定められている資産、負債、資本の科目が正しく記載されているとは認められないのである。

以上によれば、原告個人の平成11年分及び同12年分に係る不動産所得について、租税特別措置法25条の2第3項の適用要件を満たすものとは認められず、原告が受けられる青色申告特別控除の額は10万円の限度でしかこれを認めることができない。

(5)  以上に対して、原告は、原告の帳簿の記帳状況及び貸借対照表の記載内容は、平成10年分と、同11年分及び同12年分との間では全く差異がないにもかかわらず、一方で青色申告特別控除の適用要件を満たすとしながら、他方ではこれを満たさないとするのは不合理であると主張する。

しかしながら、前提事実(1)アないしウのとおり、原告は、平成10年7月29日にCを設立し、本件契約を締結したのであるから、それに応じて帳簿等の備付けや記帳、記載状況も変わるはずであって、原告が個人として本件建物に係る管理業務をしていた時期と、Cに対して本件建物に係る管理業務を委託した以降の時期とで、青色申告特別控除の適用要件に差異が生じることは、同制度の趣旨からは当然であって、むしろ合理的な対応というべきであるから、原告の上記主張は採用することができない。

2  争点2(所得税法157条1項の適用の有無)について

(1)  証拠(乙9ないし13、14ないし18の各1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば、被告は、原告の納税地である小樽市及びその隣接地域において、賃貸の用に供するアパート・マンションを所有して不動産賃貸業を営み、青色申告を行っている者のうち、賃貸料収入が原告と同程度の範囲内にあり、同族関係にない不動産管理業者に賃貸借契約の締結・更新、入居者の募集及び集金の管理業務を委託している者(ただし、管理業務として清掃、エレベーター、電気等の保守等のメンテナンスを委託している者を除く。)等の条件によって比準同業者を抽出し、同業者管理料割合を調べたところ、平成10年分は5.28%、同11年分は4.87%、同12年分は4.66%であって、本件各処分の理由にある割合(平成10年分5.5%、同11年分5.1%、同12年分5.0%)に至らなかったものと認められる。

そうすると、賃貸借契約の締結・更新、入居者の募集及び集金の管理業務の委託費として適正な金額は、各年分の不動産収入金額(別表2の「不動産収入の金額」欄)に上記割合(平成10年分は5.28%、同11年分は4.87%、同12年分は4.66%)を乗じた金額であると認めるのが相当であり、これに実費弁償的な保守管理料等(別表2の「管理料の金額」欄中の「保守管理料等の金額」)を加えた金額、すなわち、平成10年分195万8415円、同11年分547万4402円、同12年分548万6447円を適正管理料と認めることができる(別表2の「管理料の金額」欄)。

(2)  原告は、比準同業者の抽出基準について、Cが原告から委託された管理業務の内容は、一般の不動産管理会社が行っているような賃貸借契約の締結・更新、入居者の募集及び集金といった管理業務の他に、本件管理業務を加えたものであるから、本件管理業務を反映していない抽出基準は合理的ではない旨を主張する。

ところで、所得税法157条1項は、同族会社において、これを支配する株主又は社員の所得税の負担を不当に減少させるような行為又は計算が行われやすいことにかんがみ、税負担の公平を維持するため、株主又は社員の所得税の負担を不当に減少させる結果となる行為又は計算が行われた場合に、これを正常な行為又は計算に引き直して当該株主又は社員に係る所得税の更正又は決定を行う権限を税務署長に認めたものである。このような規定の趣旨、内容からすれば、株主又は社員から同族会社に対する業務委託契約につき同規定の適用があるかどうかについては、当該契約の目的、委託した業務の内容などを踏まえた個別具体的な事案に即した検討を要するものというべきである。

(3)  これを本件についてみると、証拠(乙5)によれば、原告が本件契約に基づきCに委託した管理業務の内容は、①家賃、駐車場収入の管理徴収業務、②食事提供等賄いに関する販売業務、③水道料、電話基本料徴収精算業務、④その他自動販売機、テレホンカード等の販売業務と規定されているところ(1条)、②ないし④の業務は、その収入と経費がすべてCに帰属するものであり(3条)、原告が管理料を支払うべき業務とは評価できないから、その文言に照らせば、原告が管理料を支払うべき対象業務としてCに委託した管理業務は、比準同業者が委託する管理業務と同一であり、本件管理業務は含まれていない。Cは、原告より、契約書1条において委託された業務以外についてはその都度相談にて委託するものとすると規定されているものの(4条)、原告とCとの間で、同条に規定する相談等があったと認めるに足りる証拠はないし、かえって、証拠(証人D、原告本人)からは、本件契約書の改訂ないし再作成があったものの、本件管理業務について本件契約書に加筆訂正することがなかったことが認められるのである。そうすると、本件管理業務がCが原告から委託された管理業務に含まれるものと認めることは困難である。

また、証拠(甲19、20、証人G、原告本人)によれば、Cに勤務する原告及びGの具体的な管理業務について、原告は、入居者である学生が具合が悪くなった場合や水漏れが生じた場合などで連絡があれば夜中でも駆けつけて対応し、入居者である学生の健康面に対して配慮や対応等していたこと、Gは、主としてBの管理人として、平日の午前8時30分から午後2時まで、入居者である学生の健康面に配慮したり、修理や点検の立会い、郵便物や宅配物の受領、食材納入やメニュー作成などの食事提供に関する業務、コピー機や自動販売機に関する集金業務などを行っていたことが認められる。

しかしながら、Gの業務については、入居者である学生の健康面に配慮や対応等することを除けば、修理や点検の立会い、郵便物や宅配物の受領といった業務は、一般の不動産管理会社よりも加重な業務内容であるとは認められないし、食事提供及びコピー機や自動販売機に関わる業務は、いずれも前記のとおり、原告が管理料を支払うべき業務と認めることはできない。

原告本人が行っていた入居者である学生に対する配慮や対応等が、個人(不動産の貸主)の立場で行っている業務であるのか、あるいは法人(C)の役員の立場で行っている法人の業務であるのかが問題となるところ、証拠(甲19、20、証人G、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、こうした入居者への細かい配慮や対応等は、Cの設立の前後を問わず原告個人において行われていたものと認められるし、入居者であるH大学の学生の実情を深く理解し親身な対応をしている原告と入居者である学生との信頼関係を前提としなければ実現できない性質のものでもある。のみならず、本件建物の賃借人の募集の際、入居者に対し、24時間サポート体制であることを賃貸借契約の内容として勧誘していることや、かかる24時間サポート体制があることが賃料額の算定に反映されていることをうかがわせるに足りる証拠はないし、入居者に対する24時間サポートを行うことを管理業務の内容として原告がCに委託したことを認めるに足りる証拠もないことに照らせば、こうした入居者である学生への配慮や対応等は、学生を相手に不動産を賃貸している貸主兼不動産所有者としての原告が、学生のおかれている環境や状況を理解し親身に思いやるといった心情から、学生との信頼関係に基づき行っているものであって、こうした「大家」としての心情の発露としての自発的かつ個人的な支援行為の域を超えないものと見るのが相当であり、Cの管理業務として行われたものとは認め難いというべきである。

(4)  以上のとおりであって、本件管理業務は、不動産の貸主としての原告の個人的な支援行為というべきであって、原告がCに委託した管理業務に含まれるものと認めることはできない。したがって、賃貸借契約の締結・更新、入居者の募集及び集金を不動産管理会社に委託している同業者を比準同業者として抽出したことには合理性が認められる。

そして、原告がCに対して実際に支払った管理料(前提事実(1)エのとおり。)は、前記適正管理料に比して著しく高額である上、証拠(証人D、原告本人)によれば、本件契約書は、Cに実際に管理業務が委託された後に作成されたこと、その内容は、D税理士が主導して作成し、原告はD税理士を信頼して全面的に委ねていたことがうかがわれるのであり、D税理士は、原告の節税対策の観点から、必ずしも実態の伴わない部分を含めて管理料の金額を定めた可能性が高いこと等を併せ勘案すると、適正管理料を超える部分について所得税法157条1項を適用し、必要経費の算入を認めなかったことには合理性を認めることができる。

3  結論

以上によれば、平成10年分ないし同12年分の原告の不動産所得の金額は、別表2の「不動産所得の金額」欄記載のとおりであり、これに基づき原告の納付すべき同各年分の税額は、別表2の「原告の納付すべき税額」欄記載のとおりであるところ、納付すべき税額の範囲内にある本件各処分(ただし、平成10年分について審査請求によって取り消された部分を除く。)はいずれも適法である。

よって、原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 生野考司 裁判官 岡部純子 裁判官 大淵茂樹)

(別表1)

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(別表2)

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