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札幌地方裁判所 平成20年(ワ)1119号 判決 2010年3月26日

当事者の表示

別紙当事者目録記載のとおり

主文

1  被告は,次の各金員を支払え。

(1)  甲事件原告X1に対し,660万円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(2)  甲事件原告X2に対し,476万6666円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(3)  甲事件原告X3に対し,476万6666円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(4)  甲事件原告X4に対し,476万6666円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(5)  甲事件原告X5に対し,916万6666円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(6)  甲事件原告X6に対し,476万6666円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(7)  甲事件原告X7に対し,660万円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(8)  甲事件原告X8に対し,916万6666円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員

(9)  乙事件原告X9に対し,806万6666円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

(10)  乙事件原告X10に対し,476万6666円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

(11)  乙事件原告X11に対し,660万円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

(12)  乙事件原告X12に対し,916万6666円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

(13)  乙事件原告X13に対し,806万6666円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

(14)  乙事件原告X14に対し,916万6666円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

(15)  乙事件原告X15に対し,476万6666円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員

2  甲事件原告ら及び乙事件原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

3  訴訟費用は,これを3分し,その1を甲・乙事件原告らの,その余を被告の各負担とする。

事実及び理由

第1請求

1  被告は,甲事件原告らに対し,それぞれ1150万円及びこれに対する平成20年5月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2  被告は,乙事件原告らに対し,それぞれ1150万円及びこれに対する平成21年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2事案の概要

本件は,甲・乙事件原告ら(以下「原告ら」という。)が,甲・乙事件被告(以下「被告」という。)に対し,被告がじん肺の発生またはその増悪を防止するために鉱山保安法に基づく規制権限を行使することを怠ったこと等が違法であると主張して,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めている事案である。

1  前提となる事実(証拠摘示のない事実は当事者間に争いがない事実である。)

(1)  原告ら等

ア 甲事件原告X1(以下「原告X1」という。)

(ア) 原告X1(昭和6年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X1は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成10年9月10日,じん肺管理区分(以下「管理区分」という。)3ロと決定され,その後,平成11年4月23日を症状確認日とする合併症(じん肺と合併した肺結核その他のじん肺の進展経過に応じてじん肺と密接な関係があると認められる疾病のことをいう。以下同じ。)として続発性気管支炎を併発し,平成11年7月12日,労災補償の支給決定を受けた。

イ 甲事件原告X2(以下「原告X2」という。)

(ア) 原告X2(昭和15年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X2は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に羅患し,平成16年4月15日,管理区分2と決定されるとともに合併症として続発性気管支炎の併発が確認され,平成16年9月8日,労災補償の支給決定を受けた。

ウ 甲事件原告X3(以下「原告X3」という。)

(ア) 原告X3(昭和17年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である(なお,別紙就労状況一覧表の炭鉱名が空欄となっている部分は,北海道内の炭鉱であることは判明しているものの,その炭鉱名が不明なものである。)。

(イ) 原告X3は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成2年3月1日,管理区分2と決定され,その後,平成16年5月11日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成17年3月28日,労災補償の支給決定を受けた。

エ 甲事件原告X4(以下「原告X4」という。)

(ア) 原告X4(大正14年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X4は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成14年7月18日,管理区分2と決定され,その後,平成15年12月15日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成16年5月21日,労災補償の支給決定を受けた。

オ 甲事件原告X5(以下「原告X5」という。)

(ア) 原告X5(昭和9年○月○日生まれ)は,亡A(昭和8年○月○日生まれ。以下「亡A」という。)の妻である。

(イ) 亡Aは,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(ウ) 亡Aは,(イ)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,昭和54年7月6日,管理区分3イと決定されるとともに合併症として肺結核の併発が確認され,平成14年12月6日,じん肺により死亡した。

(エ) 亡Aの相続人は原告X5とBの2名であるところ(<証拠省略>,弁論の全趣旨),原告X5とBは,平成21年1月16日付けで,亡Aの被告に対するじん肺を原因とする損害賠償請求権を原告X5が相続することを合意した(<証拠省略>,弁論の全趣旨)。

カ 甲事件原告X6(以下「原告X6」という。)

(ア) 原告X6(昭和17年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X6は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成15年9月26日,管理区分2と決定されるとともに合併症として続発性気管支炎の併発が確認され,平成15年12月16日,労災補償の支給決定を受けた。

キ 甲事件原告X7(以下「原告X7」という。)

(ア) 原告X7(昭和23年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X7は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成10年8月4日,管理区分3ロと決定され,その後,平成11年1月21日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成11年9月30日,労災補償の支給決定を受けた。

ク 甲事件原告X8(以下「原告X8」という。)

(ア) 原告X8(昭和36年○月○日生まれ)は,亡C(昭和12年○月○日生まれ。以下「亡C」という。)の長女である。

(イ) 亡Cは,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(ウ) 亡Cは,(イ)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,昭和56年1月31日,管理区分4と決定され,平成16年10月27日,じん肺により死亡した。

(エ) 亡Cの相続人は原告X8とDの2名であるところ(<証拠省略>,弁論の全趣旨),原告X8とDは,平成21年1月20日付けで,亡Cの被告に対するじん肺を原因とする損害賠償請求権を原告X8が相続することを合意した(<証拠省略>,弁論の全趣旨)。

ケ 乙事件原告X9(以下「原告X9」という。)

(ア) 原告X9(昭和8年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X9は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成13年6月26日,管理区分4と決定された。

コ 乙事件原告X10(以下「原告X10」という。)

(ア) 原告X10(昭和9年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である(なお,別紙就労状況一覧表の炭鉱名が空欄となっている部分は,北海道内の炭鉱であることは判明しているものの,その炭鉱名が不明なものである。)。

(イ) 原告X10は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成15年2月20日,管理区分2と決定され,その後,平成15年8月25日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成16年3月16日,労災補償の支給決定を受けた。

サ 乙事件原告X11(以下「原告X11」という。)

(ア) 原告X11(昭和9年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X11は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成13年7月30日,管理区分3ロと決定され,その後,平成17年4月26日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成17年11月2日,労災補償の支給決定を受けた。

シ 乙事件原告X12(以下「原告X12」という。)

(ア) 原告X12(昭和8年○月○日生まれ)は,亡E(昭和7年○月○日生まれ。以下「亡E」という。)の妻である。

(イ) 亡Eは,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(ウ) 亡Eは,(イ)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,昭和60年6月6日,管理区分4と決定され,平成14年4月1日,じん肺により死亡した。

(エ) 亡Eの相続人は原告X12,F及びGの3名であるところ(<証拠省略>,弁論の全趣旨),原告X12,F及びGは,亡Eの被告に対するじん肺を原因とする損害賠償請求権を原告X12が相続することを合意した(<証拠省略>,弁論の全趣旨)。

ス 乙事件原告X13(以下「原告X13」という。)

(ア) 原告X13(昭和3年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X13は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成17年9月28日,管理区分4と決定された。

セ 乙事件原告X14(以下「原告X14」という。)

(ア) 原告X14(昭和26年○月○日生まれ)は,亡H(大正10年○月○日生まれ。以下「亡H」という。)の子(三女)である。

(イ) 亡Hは,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(ウ) 亡Hは,(イ)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,昭和51年3月15日,管理区分4と決定され,平成17年1月8日,じん肺により死亡した。

(エ) 亡Hの相続人は原告X14,I,J,K,L,M及びNの7名であるところ(<証拠省略>,弁論の全趣旨),原告X14,I,J,K,L,M及びNは,平成21年11月7日付けで,亡Hの被告に対するじん肺を原因とする損害賠償請求権を原告X14が相続することを合意した(<証拠省略>,弁論の全趣旨)。

ソ 乙事件原告X15(以下「原告X15」という。)

(ア) 原告X15(昭和12年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載のとおり,北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた者である。

(イ) 原告X15は,(ア)の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成12年2月15日,管理区分2と決定され,その後,平成15年3月5日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成15年7月1日,労災補償の支給決定を受けた。

(2)  通商産業大臣の規制権限の不行使の違法等

ア 通商産業大臣は,遅くとも,昭和35年3月31日のじん肺法成立の時までに,じん肺に関する医学的知見及びこれに基づくじん肺法制定の趣旨に沿った石炭鉱山保安規則の内容の見直しをして,石炭鉱山においても,衝撃式さく岩機の湿式型化等の有効な粉じん発生防止策を一般的に義務付けるなどの新たな保安規制措置を執った上で,鉱山保安法に基づく監督権限を適切に行使して,粉じん発生防止策の速やかな普及,実施を図るべきであったにもかかわらず,昭和35年4月以隆,鉱山保安法に基づく前記保安規制の権限を直ちに行使しなかった。

イ アの通商産業大臣の規制権限の不行使は,国家賠償法1条1項の適用上違法である。

ウ 通商産業大臣がアの保安規制の権限(省令改正権限等)を適切に行使していれば,昭和35年4月1日以降,炭鉱労働者のじん肺被害をより小さくすることができたといえるから,アの通商産業大臣の規制権限の不行使と北海道内の炭鉱において坑内の粉じん作業に従事していた(1)の被災者ら(以下「本件被災者ら」という。)のじん肺の発生または増悪もしくはじん肺による死亡との間には因果関係がある(弁論の全趣旨)。

2  当事者の主張の要旨

(1)  原告らの主張(請求原因)

ア 被告の責任

前記前提となる事実によれば,被告は,原告らに対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う。

イ 損害

(ア) 慰謝料 各自1000万円

本件被災者らが被った被害は甚大かつ悲惨であり,その精神的苦痛に対する慰謝料は控え目に見ても3000万円を下回らないところ,被告はその損害の3分の1を限度として損害賠償責任を負うから,原告らにつきそれぞれ1000万円の慰謝料を支払う責任を負う。

(イ) 弁護士費用 各自150万円(請求額の15パーセント相当額)

ウ よって,原告らは,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,それぞれ1150万円及びこれに対する甲事件原告らについては甲事件の訴状送達の日の翌日である平成20年5月20日から,乙事件原告らについては乙事件の訴状送達の日の翌日である平成21年1月17日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(2)  被告の主張(請求原因に対する認否等)

ア 原告らの主張(請求原因)ア(被告の責任)は争わない。

イ 原告らの主張(請求原因)イ(損害)のうち,被告が損害賠償責任を負う損害の範囲が本件被災者らの慰謝料の3分の1を限度とすることは争わないが,その額が1000万円であること,及び,弁護士費用が請求額の15パーセント相当額であることは争う。また,本件被災者らの損害を賠償する責任は,第一次的かつ最終的には本件被災者らに対していわゆる安全配慮義務を負っていた使用者企業であり,被告の損害賠償責任はあくまでも二次的ないし補充的責任にすぎないから,当該使用者企業の損害賠償義務が履行された場合は当然被告の損害賠償責任も消滅する。

(3)  被告の主張(抗弁・消滅時効)

別紙被告の主張(消滅時効)<省略>記載のとおり

(4)  原告らの主張(抗弁・消滅時効に対する認否等)

別紙原告らの主張(消滅時効に対する反論)<省略>記載のとおり

(5)  原告らの主張(再抗弁・援用権の濫用)

別紙原告らの主張(援用権の濫用)<省略>記載のとおり

(6)  被告の主張(再抗弁・援用権の濫用に対する反論)

別紙被告の主張(援用権の濫用に対する反論)<省略>記載のとおり

3  争点

(1)  被告が損害賠償責任を負う損害額はいくらか(損害額)(争点1)。

(2)  原告らの被告に対する本件損害賠償請求権(以下「本件損害賠償請求権」という。)は時効によって消滅したか。

ア 本件損害賠償請求権について消滅時効は完成したか(消滅時効の成否)(争点2)。

イ 被告が本件損害賠償請求の消滅時効を援用することは権利の濫用か(援用権の行使の可否)(争点3)。

第3争点1(損害額)に対する当裁判所の判断

前記前提となる事実によれば,被告は原告らに対し,国家賠償法1条1項に基づき,原告らに生じた損害を賠償する責任を負わなければならないところ,労働者がじん肺に罹患しまたは増悪させることがないようにその安全を配慮すべき義務は,第一次的かつ最終的には使用者に課せられた義務であり,被告は,使用者が労働者の危害防止及び安全衛生に関する第一次的かつ最終的責任者であることを前提として,省令等により,使用者に対し,国家に対する義務を課し,その実効性を罰則や行政監督によって確保しようとし,また,使用者の労働者に対する危害防止及び安全衛生についての義務履行を後見的に監督するものであるから,被告の責任は,使用者の安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任が存在することを前提とし,それを一時的,最終的責任とする二次的,補充的責任であると解するのが相当である。また,被告が負うべき損害賠償義務の具体的範囲は,じん肺に罹患した本件被災者らにつき,それぞれその損害の3分の1を限度とするのが相当である。

そして,本件被災者らの損害額(慰謝料額)は,その管理区分等に応じ,別紙原告らの損害額1記載のとおりと認めるのが相当であるから,被告が負うべき損害賠償義務の具体的範囲は,その3分の1を限度とすることになる(なお,損害額を計算する際に生じた1円未満の端数金額は切り捨てることにする。以下,同じ。)。また,証拠(<証拠省略>)によれば,原告らは,その使用者企業から損害額の3分の2を超える損害金の支払を受けていないことが認められる。よって,被告が損害賠償責任を負う損害額(慰謝料額)は,別紙原告らの損害額2記載のとおりとなる。

そして,弁護士費用は,本件に顕れた諸般の事情を斟酌すると,被告が損害賠償責任を負う損害額(慰謝料額)の1割と認めるのが相当である。

以上のとおりであるから,被告が損害賠償責任を負う損害額(弁護士費用を含む。)は,別紙原告らの損害額3記載のとおりとなる。

第4争点2(消滅時効の成否)に対する当裁判所の判断

1  本件における「加害者を知った時」の意味について

(1)  本件では,主として,原告らが「加害者を知った時」(民法724条前段参照)はいつかが争われているので,この点について判断する。

(2)  昭和35年4月から昭和61年11月までの間に日本国内の炭鉱で粉じん作業に従事した労働者(以下「本件労働者」という。)のうち,①管理区分2と決定され,かつ,合併症の認定を受けた者,②管理区分3と決定され,かつ,合併症の認定を受けた者,及び,③管理区分4と決定された者が,前記前提となる事実(第2の1)の(2)アの通商産業大臣の規制権限の不行使を理由に被告に対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求をする場合,「加害者を知った時」(民法724条前段)とは,当該労働者が被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識した時を意味すると解するのが相当である。また,④本件労働者のうち,じん肺によって死亡した者(なお,じん肺を直接原因とする死亡に限られず,じん肺が重大な原因となって死亡した場合や,じん肺のため別の疾病の発見が遅れたり,適切な治療を行うことが困難となり,それが死亡に対して重要な原因となった場合も含まれる。)の相続人が,上記通商産業大臣の規制権限の不行使を理由に被告に対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求をする場合,「加害者を知った時」(民法724条前段)とは,当該労働者の相続人が被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識した時を意味すると解するのが相当である。以下,理由を述べる。

まず,民法724条前段の「加害者を知った時」は,当該被害者が現実に認識した事実をもとに判断すべきである。なぜなら,当該被害者が現実に認識していない事実であってもその事実が当該被害者にとって容易に認識しうるものであったような場合に「加害者を知った」ということができるとすると,被害者が現実に加害者を知らない場合であっても「加害者を知った」とされて時効により損害賠償請求権を失うことになりかねず,このような結論は,法の文言に反するばかりか,不法行為によって損害を被った被害者にとって著しく酷であり不当だからである(なお,この点については被告も積極的に争っていないと解される。)。

問題となるのは,当該被害者が現実に認識した事実を前提として,当該被害者は加害者に対して損害賠償請求が可能であると判断することができなかったが,一般人を基準とすれば加害者に対して損害賠償請求が可能であると判断することができた場合をどのように考えるかという点である。この点について,被告は,最高裁昭和44年11月27日第一小法廷判決(以下「最高裁昭和44年判決」という。)等を根拠に一般人を基準に判断すべきであると主張し,その上で,筑豊じん肺訴訟最高裁判決の概要を認識しさえすれば,特段の事情のない限り,被告に対して損害賠償請求が可能であると判断することができたと主張する。

しかし,被告の主張は採用することができない。その理由は次のとおりである。

まず,被告が主張する「筑豊じん肺訴訟最高裁判決の概要」が何を指すかは不明であるが,仮に一般人が「筑豊じん肺訴訟最高裁判決の概要」を認識したとしても,その一般人が被告に対して損害賠償請求が可能であると判断することはできないというべきである。なぜなら,通商産業大臣の規制権限の不行使を理由とする前記①ないし③の本件労働者及び前記④の本件労働者の相続人の被告に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権は,筑豊じん肺訴訟最高裁判決によって初めて確定的に認められた権利であり,どのような者が,どのような場合に被告に対して損害賠償請求権を行使することができるかは,筑豊じん肺訴訟最高裁判決を読んだだけでは明らかにならず,その原審である福岡高裁判決(福岡高裁平成13年7月19日判決)を併せて読み,かつ,筑豊じん肺訴訟最高裁判決が他の事件にも同様に当てはまるかどうか(すなわち,筑豊じん肺訴訟最高裁判決の射程範囲)を具体的に検討して初めて明らかになるものであるから,このような検討を一般人が行うことができたとは到底いえないからである(なお,通商産業大臣の規制権限の不行使を理由とする前記①ないし③の本件労働者及び前記④の本件労働者の相続人の被告に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権は,上記のような検討を行った結果,筑豊じん肺訴訟最高裁判決がなされたことによって権利として確定的に認められることになったと考えられている権利である(弁論の全趣旨)。)。

また,そもそも「加害者を知った」か否かは当該被害者を基準に判断すべきであり,一般人を基準に判断することは許されないというべきである。なぜなら,仮に一般人において「加害者を知った」といえる以上,当該被害者において「加害者を知った」といえなくても消滅時効が進行するという解釈は,結局のところ,「被害者(又はその法定代理人)が(損害及び)加害者を知った時」から消滅時効が進行すると定めている民法724条前段の文言に反する上,前述したところと同様,不法行為によって損害を被った当該被害者にとって著しく酷であり不当だからである。

これに対し,被告は,最高裁昭和44年判決を根拠に自己の主張が正当であると主張する。しかし,同判決は民法715条に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点について判断したものであり,同判決の事例と本件訴訟の事例は全く異なるから,同判決によって被告の主張が正当であるということはできない。また,被告は,当該被害者において損害賠償請求が可能であることを現実に認識した時を意味するということになれば,消滅時効の制度は実際上ほとんど無意味になってしまう上,「法の不知は弁解とならない」との原則や短期時効により被害者保護と加害者保護の調和を図っている法の趣旨に照らしても合理的とはいえないなどと主張する。しかし,当該被害者において損害賠償請求が可能であることを現実に認識した時から3年を経過すれば消滅時効が完成するのであるから,消滅時効の制度が実際上ほとんど無意味になるということはできない。また,本件訴訟で問題となっている損害賠償請求権は,筑豊じん肺訴訟最高裁判決によって初めて確定的に認められた権利であるから,「法の不知は弁解とならない」という原則は同権利については必ずしも当てはまらないというべきである。さらに,短期時効により被害者保護と加害者保護の調和を図っている法の趣旨に反するという点についても,民法724条の短期消滅時効の趣旨は,飽くまで被害者が不法行為による損害の発生及び加害者を現実に認識しながら3年間も放置していた場合に加害者の法的地位を図ろうとしているものにすぎず,それ以上に加害者を保護しようという趣旨ではないというべきであるから(最高裁平成8年(オ)第2067号同14年1月29日第三小法廷判決も同旨である。),被告の主張は失当である。

その他被告の主張に即して検討しても,被告の主張を採用することはできない(なお,被告は,本件損害賠償請求権の消滅時効の起算点を考える上で問題となるのは本件損害賠償請求権の行使可能性であって,判決における認容可能性ではないと主張する。しかし,先に述べたとおり,本件訴訟で問題となっている損害賠償請求権は,筑豊じん肺訴訟最高裁判決によって初めて確定的に認められた権利であるから,当該損害賠償請求権が判決で認容されることを知って初めて当該被害者は訴訟を提起することが可能になるというべきである。被告の主張は,要するに,法律上まだ「加害者」といえるかどうか明らかでない場合でも「加害者を知った」以上,消滅時効が進行するという主張であるが,このような主張が失当であることは明らかというべきである。)。

(3)  以上のとおりであるから,本件において原告らが「加害者を知った時」とは,当該原告らが被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識した時を意味すると解するのが相当である。そして,甲事件原告らが本件訴訟を堤起したのは平成20年4月25日であり,乙事件原告らが本件訴訟を提起したのは同年12月19日であるから(当裁判所に顕著な事実),甲事件原告らについては平成17年4月24日以前に,乙事件原告らについては同年12月18日以前に,それぞれ被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識した場合には消滅時効が完成していることになるが,そうでない場合には消滅時効は完成していないことになる。

そこで,以下,原告らについて消滅時効が完成しているかどうかを個別に検討する。

2  原告らの消滅時効の成否について

(1)  原告X1について

ア 前記前提となる事実に証拠(<証拠省略>,原告X1本人)と弁論の全趣旨を総合すれば次の事実が認められ,この認定を覆すに足りる証拠はない。

原告X1(昭和6年○月○日生まれ)は,別紙就労状況一覧表記載の粉じん作業によりじん肺に罹患し,平成10年9月10日,管理区分3ロと決定され,その後,平成11年4月23日を症状確認日とする合併症として続発性気管支炎を併発し,平成11年7月12日,労災補償の支給決定を受けた。

原告X1は,現在,夕張市で生活している。

原告X1は,昭和57年10月にb株式会社を退職した後,毎年のように風邪をひき,咳が酷くなった。しかし,じん肺に関する知識がなかったことから,じん肺に罹患しているとは思わなかった。ところが,その後もその状態が続くため,平成10年,元同僚からじん肺に詳しい病院であると聞いた札幌市内のa病院を受診したところ,じん肺と診断され,以後,同病院でじん肺の治療を受けている。

原告X1は,北海道新聞を購読しているが,大事件の記事やテレビ番組欄等に目を通すくらいで新聞を熟読する習慣はなかった。また,原告X1は,平成18年ころ,近所に住んでいた元同僚から,「じん肺の件で自分は裁判をするつもりだが,X1さんはしないのか。」と話しかけられたが,「自分は高齢なので裁判は考えていない。」と答え,その元同僚と裁判について詳しい話をしなかった。

平成19年,原告X1は,平成19年からa病院に通院するようになったじん肺患者たちが被告を相手に損害賠償請求訴訟を提起していることを知った。また,そのじん肺患者たちから,原告X1も被告に対して損害賠償請求が可能であると聞いた。そこで,そのじん肺患者たちから,原告ら訴訟代理人によって構成されている通称新・北海道石炭じん肺訴訟弁護団(以下「弁護団」という。)の連絡先を聞き,平成19年11月9日,弁護団に連絡した。

その後,弁護団は,原告X1に対し,平成20年4月4日に聴取会を開催することを連絡した。原告X1は,弁護団から指示された書類をそろえて上記聴取会に参加し,弁護団所属の弁護士から事情を聴取された。その結果,原告X1は,弁護士から,被告に対して損害賠償を請求できる要件を満たしていること等を説明されたことから,弁護団所属の弁護士と委任契約を締結し,同月25日,本件損害賠償請求訴訟を提起した。

イ 前記認定事実によれば,原告X1は,平成16年当時,北海道新聞を購読していたから,平成17年4月24日以前に筑豊じん肺訴訟最高裁判決に関する新聞記事を目にした可能性がある。しかし,原告X1に新聞を熟読する習慣はなかった上,原告X1は被告に対して損害賠償請求が可能であるかどうかを判断する専門的知識を持ち合わせていなかったのであるから(弁論の全趣旨),前記新聞記事によって原告X1が被告に対して損害賠償請求が可能であると現実に認識したとは認められない。

また,前記認定事実によれば,原告X1は,平成18年ころ,近所に住んでいた元同僚とじん肺の裁判の件について話をしているが,その時期が平成17年4月24日以前であることを認めるに足りる証拠はない上,原告X1は,その元同僚と裁判について詳しい話をしなかったのであるから,元同僚との話によって原告X1が被告に対して損害賠償請求が可能であると現実に認識したとも認められない。

かえって,前記認定事実によれば,原告X1は,平成17年4月24日以前は被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識していなかったと認められ,そして,原告X1がそのことを認識するようになったのは,a病院に通院していたじん肺患者たちから原告X1も被告に対して損害賠償請求が可能であると聞いた平成19年以降であったと認められる(もっとも,原告X1がその時にじん肺患者たちから聞いた話の詳細は不明であるから,原告X1がその時に被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識したと断定することはできない。)。

ウ 以上のとおりであるから,原告X1について消滅時効は完成していない。

(2)  原告X2について<略。以下,原告X3ないしX15にかかる(3)ないし(15)についても省略>

(16) まとめ

以上のとおりであるから,原告らについて消滅時効は完成していない。

第5争点3(援用権の行使の可否)に対する当裁判所の判断

本件では,第4で述べたとおり,原告らについて消滅時効は完成していないから,被告が本件損害賠償請求の消滅時効を援用することが権利の濫用に該当するかどうかは問題とならない。被告による上記消滅時効の援用権の行使が権利の濫用に該当するかどうかは,当該原告が被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識した時にもかかわらず,その時から3年を経過してから初めて被告に対して損害賠償請求をした場合に問題となるのであり,その場合には,別紙原告らの主張(援用権の濫用)に記載されている事情や,別紙被告の主張(援用権の濫用に対する反論)に記載されている事情のほか,当該原告が被告に対して損害賠償請求が可能であることを現実に認識したにもかかわらず,その時から3年を経過してから被告に対して損害賠償請求をした理由等の事情を総合考慮して,被告による上記消滅時効の援用権の行使が権利の濫用に該当するかどうかが判断されることになると思われるが,本件ではこの点は問題とならないので,援用権の行使の可否(争点3)に対する当裁判所の判断を示すことは差し控えることにする。

第6結語

以上のとおりであるから,原告らの請求は,別紙原告らの損害額3記載の金員及びこれに対する甲事件原告らについては甲事件の訴状送達の日の翌日である平成20年5月20日から,乙事件原告らについては乙事件の訴状送達の日の翌日である平成21年1月17日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。よって,訴訟費用の負担について民訴法61条,64条本文,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。なお,仮執行宣言については相当でないからこれを付さないこととする。

(裁判長裁判官 中山幾次郎 裁判官 村主隆行 裁判官 鷺坂計知)

(別紙)

当事者目録

甲事件原告 X1

甲事件原告 X2

甲事件原告 X3

甲事件原告 X4

甲事件原告 X5

甲事件原告 X6

甲事件原告 X7

甲事件原告 X8

乙事件原告 X9

乙事件原告 X10

乙事件原告 X11

乙事件原告 X12

乙事件原告 X13

乙事件原告 X14

乙事件原告 X15

上記原告ら訴訟代理人弁護士 別紙原告ら代理人目録<省略>記載のとおり

甲・乙事件被告 国

同代表者法務大臣 S

同指定代理人 別紙被告指定代理人目録<省略>記載のとおり

以上

(別紙)

原告らの損害額

1 本件被災者らの損害額(慰謝料額)

(1) 原告X1 管理区分3で合併症あり 1800万円

(2) 原告X2 管理区分2で合併症あり 1300万円

(3) 原告X3 管理区分2で合併症あり 1300万円

(4) 原告X4 管理区分2で合併症あり 1300万円

(5) 原告X5(亡O) じん肺死(管理区分3で合併症あり) 2500万円

(6) 原告X6 管理区分2で合併症あり 1300万円

(7) 原告X7 管理区分3で合併症あり 1800万円

(8) 原告X8(亡P) じん肺死(管理区分4) 2500万円

(9) 原告X9 管理区分4 2200万円

(10) 原告X10 管理区分2で合併症あり 1300万円

(11) 原告X11 管理区分3で合併症あり 1800万円

(12) 原告X12(亡Q) じん肺死(管理区分4) 2500万円

(13) 原告X13 管理区分4 2200万円

(14) 原告X14(亡R) じん肺死(管理区分4) 2500万円

(15) 原告X15 管理区分2で合併症あり 1300万円

2 被告が損害賠償責任を負う損害額(慰謝料額)

(1) 原告X1 600万0000円

(2) 原告X2 433万3333円

(3) 原告X3 433万3333円

(4) 原告X4 433万3333円

(5) 原告X5(亡O) 833万3333円

(6) 原告X6 433万3333円

(7) 原告X7 600万0000円

(8) 原告X8(亡P) 833万3333円

(9) 原告X9 733万3333円

(10) 原告X10 433万3333円

(11) 原告X11 600万0000円

(12) 原告X12(亡Q) 833万3333円

(13) 原告X13 733万3333円

(14) 原告X14(亡R) 833万3333円

(15) 原告X15 433万3333円

3 被告が損害賠償責任を負う損害額(弁護士費用を含む。)

(1) 原告X1(弁護士費用60万円) 660万0000円

(2) 原告X2(弁護士費用43万3333円) 476万6666円

(3) 原告X3(弁護士費用43万3333円) 476万6666円

(4) 原告X4(弁護士費用43万3333円) 476万6666円

(5) 原告X5(弁護士費用83万3333円) 916万6666円

(6) 原告X6(弁護士費用43万3333円) 476万6666円

(7) 原告X7(弁護士費用60万円) 660万0000円

(8) 原告X8(弁護士費用83万3333円) 916万6666円

(9) 原告X9(弁護士費用73万3333円) 806万6666円

(10) 原告X10(弁護士費用43万3333円) 476万6666円

(11) 原告X11(弁護士費用60万円) 660万0000円

(12) 原告X12(弁護士費用83万3333円) 916万6666円

(13) 原告X13(弁護士費用73万3333円) 806万6666円

(14) 原告X14(弁護士費用83万3333円) 916万6666円

(15) 原告X15(弁護士費用43万3333円) 476万6666円

以上

(別紙) 就労状況一覧表

原告

原告

(被災者)

氏名

NO.

就労の

始期

就労の

終期

炭鉱名

鉱業権者

元請会社

直接雇用者

D1

X1

S27.11.12

S40.4.26

築別

羽幌炭鉱鉄道(株)

c(株)c1鉱業所

S40.5.18

S46.5.1

夕張第二

北海道炭砿汽船(株)

北炭

d(株)d1炭鉱

S46.5.1

S55.4.30

清水沢

北炭夕張炭砿(株)

北炭

d(株)d2炭礦

S55.5.8

S57.10.15

夕張新

北炭夕張炭鉱(株)

北炭

b(株)b1新炭鉱

D4

X2

S33.6.1

S38.4.8

紋平

中島建設(株)

e(株)

S38.4.16

S39.10.1

石狩

石狩炭鉱(株)

f(株)

S39.10.1

S62.7.15

三井砂川

三井石炭鉱業(株)

三井

g(株)g1鉱業所

S62.7.15

S62.9.1

三井砂川

三井石炭鉱業(株)

三井

h(株)h1事業所

D5

X3

S36.1.11

S37.10.20

清水沢

北海道炭砿汽船(株)

北炭

i(株)i1出張所

S38.1.15

S39.5.9

太平洋炭礦(株)

太平洋

i(株)i2出張所

S39.7.27

S40.10.9

夕張第二

北海道炭砿汽船(株)

北炭

d(株)d1炭鉱

S48.11.7

S57.1.25

北海道炭砿汽船(株)

北炭

j(株)j1作業所

S57.1.25

S59.4.1

三井砂川

三井石炭鉱業(株)

三井

j(株)j2作業所

S59.4.1

H7.3.31

太平洋炭礦(株)

太平洋

j(株)j3作業所

H7.5.1

H9.8.31

太平洋炭礦(株)

太平洋

k(株)

D11

X4

S40.5.1

S42.5.1

歌志内

住友石炭鉱業(株)

住友

l(株)l1礦業所

S42.5.2

S55.10.1

赤平

住友石炭赤平炭砿(株)

住友

m(株)

D18

X5(A)

S32.1.15

S35.10.1

奔別

住友石炭鉱業(株)

住友

l(株)l2礦

S35.10.1

S46.9.2

奔別

住友石炭鉱業(株)

住友

l(株)l3礦業所

S46.9.20

S57.5.31

南大夕張

三菱石炭鉱業(株)

三菱

n(株)n1砿業所

D22

X6

S35.8.14

S35.10.1

異人沢

織田鉱業(株)

織田

o(株)

S39.9.10

S42.5.1

三井砂川

三井石炭鉱業(株)

三井

p(株)

S52.1.28

S62.7.15

三井砂川

三井石炭鉱業(株)

三井

q(株)

D26

X7

S41.7.18

S45.7.14

美唄

美唄炭鉱(株)

三菱

r(株)r1鉱業所

S45.7.23

S62.5.31

南大夕張

三菱石炭鉱業(株)

三菱

n(株)n1砿業所

D31

X8(C)

S31.11.5

S57.2.1

赤平

住友石炭赤平炭砿(株)

住友

m(株)

E3

X9

S28.3.11

S52.8.30

夕張第二

北海道炭砿汽船(株)

北炭

d(株)d4炭鉱

S52.9.5

S57.10.15

夕張新

北炭夕張炭鉱(株)

北炭

b清算人事務所

E10

X10

S40.1.11

S41.2.17

北海道炭砿汽船(株)

北炭

s(株)

S41.8.5

S42.2.15

北海道炭砿汽船(株)

北炭

s(株)

S42.4.1

S43.12.25

夕張

北海道炭砿汽船(株)

北炭

t(株)t1営業所

S44.4.1

S45.9.1

南大夕張

三菱石炭鉱業(株)

三菱

i(株)i3出張所

S45.9.1

S45.10.1

平和

北海道炭砿汽船(株)

北炭

u(株)u1出張所

S45.10.1

S47.5.2

夕張

北海道炭砿汽船(株)

北炭

i(株)i4出張所

S47.10.18

S57.1.20

北海道炭砿汽船(株)

北炭

j(株)j1作業所

S57.1.20

S63.1.6

幌内

北海道炭砿汽船(株)

北炭

j(株)j3作業所

j4作業所

E18

X11

S34.4.1

S45.3.31

新二岐

角田炭礦(株)

v(株)

S45.5.13

S50.3.24

平和

北海道炭砿汽船(株)

北炭

d(株)d5炭鉱

S50.3.27

S57.10.15

夕張新

北炭夕張炭砿(株)

北炭

b(株)b1新炭鉱

S57.11.15

H1.9.30

幌内

北炭幌内炭鉱(株)

北炭

w(株)

E21

X12(E)

S27.5.5

S46.10.26

奔別

住友石炭鉱業(株)

住友

l(株)l3礦業所

S46.11.15

S62.6.9

赤平

住友石炭赤平炭砿(株)

住友

m(株)

E26

X13

S25.3.23

S58.9.25

幌内

北炭幌内炭鉱(株)

北炭

d(株)d3礦業所

E31

X14(H)

S29.1.1

S42.4.1

新幌内

北海道炭砿汽船(株)

北炭

d(株)d6礦

S42.4.1

S51.2.10

幌内

北海道炭砿汽船(株)

北炭

d(株)d3砿業所

E37

X15

S40.10.4

H3.7.1

三井芦別

三井石炭鉱業(株)

三井

h(株)h2鉱業所

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