札幌地方裁判所 昭和41年(ワ)232号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕原告は、本件更生債権が民法第三〇六条第四号、第三一〇条に定める債権であるから一般の先取特権を有する旨主張するが、原告主張の本件売買代金債権は、米穀類の卸売業者である原告が更生会社に卸売をした米穀等の販売代金債権であることは、当事者間に争がないのであるから、民法第三一〇条にいわゆる債務者またはその扶養すべき同居の親族およびその僕婢の生活に必要な物品の供給につき生じた債権に該当せず、したがつて、同法第三〇六条の定める一般の先取特権を生ずる債権ではない。よつて、本件更生債権は、このいみにおいて優先権のあるものとはいえない。
次に、原告は、本件更生債権につき公租公課に準ずる優先権の存在を主張するが、会社更生法にいわゆる優先権ある更生債権とは、同法第一五九条第一項第二号に定める「一般の先取特権その他一般の優先権のある債権」を指称するものと解すべきところ、これら一般の優先権ある債権は、民法その他の法律の定めるところによつて優先弁済を受ける権利を認められていなければならないのであるが、本件更生債権のような米穀卸売代金債権について、右のような優先権を定めた法律の規定は存せず、また米穀が原告の主張するような配給統制品であり、かつ原告が事実上政府の配給秩序に協力しているからといつて、本件更生債権を優先権ある更生債権ということができないのは論をまたないところであるから、原告のこの主張もまた理由がないものといわなければならない。(柳川俊一)