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札幌地方裁判所 昭和44年(行ウ)30号 判決 1975年3月11日

原告

板摺哲

外三名

右原告ら訴訟代理人弁護士

彦坂敏尚

外四名

被告

北海道郵政局長

浅野国夫

右指定代理人

五十嵐和弘

外八名

主文

1  被告札幌郵政局長が昭和四四年八月二日付で原告らに対してなした懲戒免職処分はいずれもこれを取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

事実

第一  当事者双方の求める裁判

一、原告ら

主文と同旨

二、被告

1  原告らの請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告らの負担とする。

第二  当事者双方の主張

一、原告ら(請求の原因)

1  原告らはいずれも郵政省事務官として郵政省札幌郵政局(後に北海道郵政局と改称)管内幾春別郵政局(以下、幾春別局という)において勤務し、国の営む郵便事業に従事していたものであるが、被告札幌郵政局長(後に北海道郵政局長と改称)は、昭和四四年八月二日付で原告らに対しそれぞれ懲戒免職処分を通知した。

2  しかし原告らには処分事由は存在しない。したがつて処分事由があることを前提として為された本件処分は違法であり取消を免れない。

二、被告(請求の原因に対する認否)<中略>

三、被告(抗弁)

原告らに対する懲戒処分の対象とした非違行為の詳細は、次のとおりである。

1  原告板摺に関する事実<中略>

(一四) 同原告は、同月六日午後五時一五分頃から同七時一五分頃までの間約二〇名の組合員とともに同局二階廊下において、座り込みを行ない、訴外氏家庶務会計課長の解散・退去命令を無視したうえ、さらにその後同七時二六分頃から、無許可で訴外河村ら組合幹部数名とともに同局宿直室を使用し、これを発見して注意を与えた右氏家に対し「また座り込みをして欲しいのか」などと反抗して応じなかつた。<中略>

(二一) 同原告は、同月一六日午後五時六分頃から、ハンドマイクを持つて同局一階廊下に姿を見せ、集合して来た約一〇〇名の組合員および部外者に対し、「局班の方は先頭に出て下さい。これから二階に上つて座り込みを行ないます。」と呼びかけて整列させ、自ら率先して管理者の制止を押し切り局長室前廊下に座り込み、「本日は私が座り込みの総指揮をとります。」と発言し、同六時一三分まで座り込みを行なつた。<後略>

理由

一請求原因1の事実は当事者間に争いがない。なお、<証拠>によれば、原告板摺は全逓岩見沢分会幾春別局班々長、同斉藤は同分会青年部長、同戸沢および高橋は幾春別局班郵便課外務係組長であり、何れも全逓組合員であつたことが認められる。

二本件紛争に至る経緯

<証拠>を総合すれば、以下の事実が認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

1  昭和四一年七月、札幌郵政局長として訴外浅見喜作が赴任してきたが、その直後の同年八月一六日付で、同局人事部長名により管内の普通局長、集配特定郵便局長にあて、「労務管理体制の点検について」と題する通達を送付し、同年九月末日までに別紙のような点検項目につきその点検結果を報告するように求めた。

さらに同局長は昭和四三年三月一日付で職員自らが一年間における自己の目標を設定すべく、管内の郵政職員に対して「目標管理カード」の作成を命じた。

これらの同局長らの処置は、当局側からすれば、従来のルーズとも思われる労務政策を改善しかつ事務能率を向上させるための手段として正当視されたのに対し、全逓側としてはいわゆる組合弾圧のための「しめつけ」であると反撥し、北海道内における労使関係は極めて悪化していつた。

2  ところで幾春別局においては昭和四二年八月に訴外渡部幸夫が同局々長として赴任してきたが、同訴外人は前記のような当局の労務方針を忠実に実行したため、やはり労使関係は極めて険悪なものとなつていた。

そのような労使関係のもとで、①一万三、〇〇〇円の賃上げ ②労働時間の短縮 ③労務政策の変更 ④労働条件の改善を求めて昭和四四年の春闘を迎えることとなつたが、全逓幾春別局班では、全国戦術委員会の決定を受けて指令第二一号が発せられたのに基づき、同年四月一五日に臨時局班総会を開催し、そこにおいて、いわゆる年休闘争を同月一六日から、ストライキを同月二四日から行うことを決定した。そしてその翌日である同月一六日訴外高久功は全逓幾春別局班を代表して ①業務命令の件 ②担務外就労の件 ③スト参加の意向調査の件の三点について訴外氏家渡部局長に対して話し合いを求め、訴外氏家庶務会計課長といわゆる「窓口折衝」を行つたが、当局側は右の三点はすべて管理運営事項であり話し合いにはなじまないとして話し合いを拒否したため、右の当局の態度に抗議すべく、同月一七日からいわゆる庁内すわり込みなどの抗議行動が行なわれたが、同月一八日に至り幾春別局において全逓からの脱退者によりいわゆる二組の「全郵政」が結成されたため、全逓側は、右の二組の結成については当局側が関与しているとして、同年五月二〇日の当局側と全逓の話し合いにより一応の解決がなされるまでの間、一層の抗議行動が展開されるに至つた。

三抗弁事実について

1  原告板摺

(一)  (一)の事実(昭和四四年四月一五日)について

<証拠>によれば、同日午後五時一五分頃から幾春別局庶務会計課室において、訴外氏家庶務会計課長が訴外飯田局班書記長と、いわゆる窓口折衝を行なつていたところ、原告板摺は、約二〇名の組合員の先頭に立つて同室に入り込み、「話し合いに応じろ、交渉しろ」と声高に叫びながら詰め寄つたため、右氏家が「これは集団なので正常な話し合いはできないから打ちきる。」と告げて局長室に入つたが、同原告は局長室に向つて「出てこい、こちらから入るぞ」と大声で怒鳴り、さらに同日午後五時二四分ころ「幾春別局班頑張ろう」とシュプレヒコールの音頭をとつたことが認められ、<証拠判断省略>

(二)  (二)の事実(昭和四四年四月一六日)について

同日午後一時五〇分頃から同二時頃までの間、同原告が幾春別局郵便課集配作業室に入室した事実および同所で訴外高橋信夫に対し、業務命令は文書で出してもらうように指示した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実および<証拠>によれば、同原告は同日午後一時五〇分ころ、幾春別局郵便課作業室において作業中の同課職員訴外高橋信夫に対し「業務命令は文書によるもののほか受ける必要がない」旨指導していたところ、たまたま訴外氏家庶務会計課長が右事実を目撃し、同原告に注意をしたが、同原告はこれを聞き入れなかつたため、同課長は同原告の直属の上司である訴外武田貯金保険課長に連絡したところ、右武田課長は右氏家課長を立会せたうえ、同原告に対し「勤務時間中だから仕事につきなさい」と就労を命じたが、同原告は「勤務時間中であろうと俺はやることだけはやつているんだから文句はないだろう」などと言つてこれを拒否したことが認められ、<証拠判断省略>。

(三)  (三)の事実(昭和四四年四月一六日)について

同日午後五時二〇分頃から同六時二〇分頃までの間、同原告が組合員二〇数名とともに同局庶務会計事務室において訴外氏家庶務会計課長に対し、局長が話し合いに応ずるよう要求した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実および<証拠>によれば、同原告は訴外高久組長とともに同日午後五時二〇分頃から、幾春別局庶務会計課事務室において、訴外氏家庶務会計課長に対し話し合いを申し入れたが、同課長がこれを拒否したため、一旦同室から退去した後、約二五名程の組合員や地区労事務局長らを同室に誘導したうえ、同課長の再三にわたる解散退去命令を無視して「この話し合いは、ただちに抗議行動に変える。」「何とか言え、この野郎、俺らを馬鹿にしているのか。」「処分は俺達は何も恐れていない。」「どうなんだ、何とか返事してくれ、この野郎。」などと暴言をはき、さらに机を素手で叩いたり等して午後六時二〇分頃まで、話し合いを求めて抗議を行つたことが認められ、<証拠判断省略>。

(四)  (四)の事実(昭和四四年四月一七日)について

同日午前八時二〇分ころから、同原告が訴外高橋正男ら二〇数名の者とともに、局長に対し話し合いを求めるため幾春別局々長室に入室したことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同日午前八時三〇分頃、同原告が約二〇数名の組合員とともに幾春別局々長室に訴外渡部局長らの制止するのを押して入り込み、訴外渡部局長、同氏家庶務会計課長の退去命令にもかかわらず、同課長が前日話し合いを拒否したことに対し、こもごも大声で離詰するなどして約五分間にわたり勤務を欠き、同局長らに話し合いを強要したが、その際右氏家課長が「このような集団はルールにない。局長の命令のとおりただちに退去を命ずる。」旨命令したところ、同原告は「何が集団だ、この野郎」と暴言をはいたことが認められ、<証拠判断省略>。

(五)  (五)の事実(昭和四四年四月一七日)について

同原告が、同日午後六時一二分頃局長との話し合いを求めて幾春別局二階廊下で行なわれた座り込みに参加したことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば同原告が同日午後六時二二分頃、訴外氏家庶務会計課長の再三にわたる解散退去命令を無視して約三〇名の組合員とともに座り込みを行つていた際、同原告が、右氏家課長に対し「街を歩いたらぶんなぐつてやるぞ」と暴言をはいたことが認められ、<証拠判断省略>。

(六)  (六)の事実(昭和四四年四月一八日)について

同原告が、同日午後五時一五分頃、組合員とともに幾春別局庶務会計課事務室に入室したことおよび組合員とともに二列で同局庁舎内で示威行進を行なつたことは、当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午後五時一五分頃、訴外高崎分会長とともに組合員約二〇名の先頭に立つて同局二階にかけあがり、庶務会計課事務室西側入口の扉をどんどん叩いたところ、同扉の掛金がはずれるや、更に訴外生島郵便課長の制止を押しのけて、他の多数の組合員とともに同室に入り込み、同課長や訴外氏家庶務会計課長の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、同五時四五分まで同室にとどまつたが、その際右氏家課長に対して「黙れ、カスベうるさい」「人が話しているのに黙れ、うるさいカスベ」などと発言したほか「ここにいる局長、氏家、鍵谷、寺口ぶんなぐつてやりたいが暴力になる。」「家族をノイローゼにしてやる、沢向と同じにしてやる。」と大声で暴言をはき、更に「これから庁内デモを行いますから、二列に並んで下さい。」とマイクで他組合員に呼びかけ、自ら指揮して同局庁舎内で示威行進を行い、その際郵便課事務室において、郵便窓口で執務中の訴外今井主事に対して「裏切り、裏切り」とののしつたことが認められ、<証拠判断省略>。

(七)  (七)の事実(昭和四四年四月二一日)について

同原告が、同日午後五時四二分頃から午後六時三五分頃まで組合員三〇数名の者とともに同局二階廊下で座り込みを続けたことおよび午後六時三五分頃から庁舎内で示威行進が行なわれた際、同原告がこれに加わつたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時三〇分ころから午後七時三〇分頃までの間、訴外生島郵便課長、同氏家庶務会計課長らの再三にわたる解散、退去命令にもかかわらず、幾春別局二階廊下に三〇数名の組合員とともに座り込みを行つたが、その際午後六時三五分ころ、同原告が「ただ今からデモを行いますから二列に並んで下さい」と他の組合員に呼びかけ、同原告の「ワツショイ、ワツショイ」の掛声に他の組合員が同じく「ワツショイ、ワツショイ」と叫びながら同局庁舎内を示威行進して郵便課事務室に至つたが、同所で執務中の訴外佐藤信也に対し、原告斉藤らとともに「裏切り者ぶつつぶせ」と連呼して他の組合員に唱和させ、さらに野次、罵声を浴びせてその執務を妨害し、また廊下に座り込みをしていた午後七時一七分ころ、訴外鍵谷庶務会計課主事に対して「お前も入院させてやるぞ」と申し向け、滝川郵便局駐在労務連絡官付訴外佐藤主事に対しても「お前も病院へ送つてやるから一週間いれ」と申し向けたことが認められ、<証拠判断省略>。

(八)  (八)の事実(昭和四四年四月二二日)について

同原告が、同日午後五時五分頃から同六時四〇分頃までの間、多数の組合員とともに幾春別局二階廊下に座り込んだことは当事者間に争いがない。右争いのない事実および<証拠>を総合すれば、同原告は「勤務の終つたものは二階で座り込むように」と呼びかけるなどして、同日午後五時五分頃から同六時四〇分頃までの間、訴外氏家庶務会計課長の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、多数の組合員を指揮して同局二階の局長室前廊下に座り込みを行わせたことが認められ、<証拠判断省略>。

(九)  (九)の事実(昭和四四年四月二三日)について

同原告が同日午後五時一七分頃から同五時二二分までの間、組合員とともに幾春別局二階廊下に座り込んだことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実および<証拠>を総合すれば、同原告は訴外飯田敏美とともに座り込みを行おうと呼びかけるなどして、同日午後五時一七分頃から同六時三〇分頃までの間、訴外氏家庶務会計課長ら同局管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、約四〇名の組合員を指揮して同局二階の局長室前廊下に座り込みを行い、その間庁内示威行進を行なつたことが認められ、<証拠判断省略>。

(一〇)  (一〇)の事実(昭和四四年四月二四日)について

同原告が同日午後六時五二分頃から同六時五五分頃までの間、組合員三〇数名とともに庁舎内で示威行進をした事実および幾春別局郵便課事務室に入室した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、および<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後六時五二分頃から同六時五五分頃までの間、組合員三〇数名を指揮して庁舎内で示威行進を行い、その際右組合員らとともに、訴外生島郵便課長ら同局管理者らの制止を押しのけて同局郵便課事務室に入り込み、同課長らの再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、「ワツショイ、ワツショイ」などと掛声をあげながら同室窓口で執務中の訴外佐藤信也のところに至るや、同原告は「この辺まで」と言つてデモ隊の進行を止め、同訴外人を半円型に取り巻いたうえ「裏切者」等と罵声を浴びせ、同訴外人をして執務不能に陥し入れたことが認められ、<証拠判断省略>。

(一一)  (一一)の事実(昭和四四年四月二六日)について

幾春別局管理者が全逓旗をもち去つた事実および同日午後零時一二分頃から組合員数名とともに同原告が前記全逓旗の右撤去に対して抗議した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実および<証拠>によれば、同局管理者が、同日午前九時四〇分ころ、許可なく幾春別局東側通用門に立てられていた全逓旗その他単産の組合旗を撤去したことに関し、同原告は午後零時一二分頃組合員数名の先頭に立つて同局庶務会計課事務室押しかけ、同二時一九分頃までにわたつて訴外氏家庶務会計課長に対し抗議をしたが、たまたま居合せた札幌郵政局人事部管理課訴外加保事務官に対し「旗返せ、お前ら盗つ人か、馬鹿たれ」「盗つ人何を言つているんだ。青二才、浅見に云つておけ」「街を歩いたら可愛がつてやつてくれ。」などと大声をあげ暴言を浴びせたことが認められ、<証拠判断省略>。

(一二)  (一二)の事実(昭和四四年四月三〇日)について

同原告が、同日午後七時一〇分頃から約三〇名の組合員とともに局長室に入り話し合いを求めたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時三五分頃、組合員ら多数の先頭に立つて幾春別局庶務会計課事務室に入り込み「局長に会わせろ」などと訴外氏家庶務会計課長に抗議したうえ同課長の再三にわたる退去命令にもかかわらず同室を占拠し、さらに午後六時四五分頃から約五〇名の組合員を指揮して同局庁舎内を示威行進し、その際同局郵便課事務室において執務中の訴外佐藤信也を半円型に取り囲み「ワツショイ、ワツショイ」と掛声をあげて同訴外人の執務を妨害し、その後同局二階局長室前廊下に座り込み、午後七時七分頃「たまには局長室をつぶすくらいやつてもよい」と組合員らをあおり午後七時一〇分頃、局長室の外側廊下から、執務中の局長に対し「局長、会わないのはおかしい」などと大声で言いながら部外者を含む約三〇名の先頭になつて施錠してある局長室廊下側扉を押し破つて入り込み、局長の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、集団で話し合いを求めたが、その際同原告は机越しに身体を乗り出したうえ、大声で「局長なぜ会わないんだ、二組づくりするな」などとののしり、さらに局長が右の事情を他の管理者に連絡しようとして受話器をとるや、同原告は右局長の手から受話器を取り上げ、また訴外生島郵便課長から局長への通話を受話器のボタンを押して不能にし、同局長が警察に電話しようとするのを受話器を上部にかざすなどして同局長の右通話を不能にするなど、午後八時一五分頃まで右局長の執務を妨害したことが認められ、<証拠判断省略>。

(一三)  (一三)の事実(昭和四四年五月一日)について

<証拠>によれば、同原告は同日午後三時二八分頃から同三時三三分頃までの間、幾春別局々長室に酒気を帯びて無断入室し、折から執務中の訴外渡部局長に対し、同局長や訴外武田貯金保険課長の制止、退去命令にもかかわらず、大声で「俺は局長に話があるんだ」「出せるものなら出してみろ」「うるさい、タヌキ、バカヤロー」などと罵声を発して退室したことが認められる。

なお被告は、同原告がその際ポケットからボールペンを取り出して前記局長の顔面に向つて突き刺す姿勢を示したと主張し、<証拠>中には、右主張に副う部分も認められるが、<証拠>中には、同原告には人と話をするとき指をさすくせがあるので、たまたまポケットにあつたボールペンをもつて指をさすようなしぐさをした旨の記載が認められ、<証拠判断省略>。

(一四)  (一四)の事実(昭和四四年五月六日)について

右事実については当事者間に争いがない。

(一五)  (一五)の事実(昭和四四年五月七日)について

同原告が同日午後五時一五分頃から幾春別局二階廊下で組合員一〇数名とともに座り込みを行つた事実および同六時一五分頃局長室に入室した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時一五分頃から、訴外氏家庶務会計課長ら管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、幾春別局二階局長室前廊下に他の原告らを含む約一〇数名の組合員とともに座り込み、次いで局長不在の事実を知りながら同原告が先頭になつて右組合員らとともに、前記氏家課長および訴外生島郵便課長の両名を取り巻き「局長が局長室に居るのか居ないのか」などと言いながら、危険を感じて腕組みをした右両名に対しうず巻きデモをかけて、右両名を同局二階階段付近まで押して行きさらに右氏家課長が解散命令を発するや、「何言つていやがるんだ、ばかやろう」「人をなめるな」などと暴言をはき、右課長両名を壁や水槽桶に強く押しつけ次いで午後六時一五分頃、同原告は他の組合員一二、三名とともに同局庶務会計課事務室の施旋を解いて同室に入り込み、さらに「鍵谷あけろ」などと言いながら局長室ドアの鍵穴を千枚通しで突ついたり、ドアを叩いたり、足蹴りしたあげく、ドア二個所に設置されている蝶番をはずして局長室に入り込み、局長から電話番をして居残を命ぜられて同室に居た訴外鍵谷庶務会計課主事に対し、原告斉藤、訴外古守とともに局長室後方にあるロッカー付近まで肘や体で押しつけ、同所において原告板摺が同主事の足を踏みつけるなどしたうえ、「お前いつから局長になつた」と大声をあげたことが認められ、<証拠判断省略>。

(一六)  (一六)の事実(昭和四四年五月九日)について

同原告が同日午後五時四六分頃から同七時頃までの間、組合員とともに座り込みを行つた事実、訴外氏家庶務会計課長に対し局長との話し合いを求めた事実、庁舎内で行われた示威行進に参加した事実、および幾春別局郵便課事務室に入室した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時四六分頃から同局舎二階廊下において、訴外氏家庶務会計課長ら同局管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、部外者(炭労、北教組、自治労)を含む約三〇名の組合員とともに座り込みをし、この間訴外高久が右氏家課長に対し局長との面会を求めたのに対し、同課長が「このような状態では話し合いできない。座り込みがなされないという確認がなければできない」と言つて拒否したことに反撥し、同五時五八分頃、同局庶務会計課事務室西側入口付近に立つていた右氏家課長および訴外生島郵便課長のところに、他の組合員とともに集り、「話し合え」「局長に会わせろ」「なぜ局長に会わせないんだ」などどなりながら右両課長をとり囲み、うず巻きデモをしながら二階廊下階段まで連行し、同所において右両課長が腕を組んでいるのを、訴外宮崎とともに切り離し、さらに右氏家課長に対し種々抗議したうえ、右生島課長の右腕に自己の左腕を組んで局長室付近まで連行し、他の組合員とともに右両課長を局長室前廊下側ドアに押しつけるなどしたが、その際右ドアの止めねじ一本が折れ、さらにその後同七時頃、ハンドマイクを使用して「只今から庁内デモを行いますから起立して下さい。」と座り込みをしている組合員に向つて呼びかけ、同原告の「ワツシヨ、ワツシヨ」の掛声に合わせて約二〇名の組合員が「ワツシヨ、ワツショ」と言いながら床を踏みつけ、同局二階局長室前から階下の郵便室内まで示威行進させ、折から右郵便事務室で自動押印機を使用して執務中の訴外佐藤信也に対し、右自動押印機付近を約七回くらい回るなどして同訴外人の執務を妨害したことが認められ、<証拠判断省略>。

(一七)  (一七)の事実(昭和四四年五月一〇日)について

同原告が同日午後零時三〇分頃から同一時二八分頃までの間、組合員一〇数名とともに幾春別局庶務会計課事務室に入室し、訴外氏家庶務会計課長に対し局長との話し合いを求めた事実およびその後再び一〇数名の組合員とともに局長室に入り、局長に話し合いに応じるよう要求した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後零時三〇分ころから七、八名の組合員とともに、幾春別当局の訓告処分(昭和四四年四月一六日に同局において行なわれた全逓幾春別局班の年休闘争の際不承認のまま欠勤したことによる処分)に抗議するため、「局長に会わせろ」などと言いながら同局二階局長室前廊下に押しかけ同局庶務会計課事務室に入りこみ、訴外氏家庶務会計課長が、同鍵谷庶務会計課主事とともに「この件については各課長から伝達してあり、あらたに局長から説明をしたりする要はない。解散しなさい。」とこれを制止したが、その頃一〇数名となつた同原告らは、右氏家課長らを身体で押したり、足を引つ張つたりした後、制止を振り切つて局長室に押し入り、入室した他の組合員らとともに「人を処分しておいて説明しないとは何事だ」などと大声をあげ、当局側がその場を治めるため、関係者四名に対し訴外渡部局長から改めて処分理由を説明することとして関係者以外の退室を求めたため、いつたんは同局長室から退去したものの、同局長が処分理由を説明中、同原告らは再び局長室に入り込み同局長に対し怒声を浴びせ、さらに同局長が退庁しようとすると、同原告は「何だこのやろう」などと言いながら、他の組合員らとともに局長の進路に立ちふさがり、同局長が庶務会計課西側出口から廊下に出ようとすると、右出口に椅子を持つてきてこれにすわつて妨害し、同局長が東側出口から出ようとするや、更にその方向に走つてその進路に立ちはだかり手を広げるなどしてその退庁を妨害し、同局長が、ようやく職員通用口に行き着くと、同通用口のドアを締めたうえ自からの背中をつけ、訴外武田貯金保険課長や前記鍵谷主事がドアをあけようとしたり、「器物がこわれるからやめなさい」と制止するのもかまわずに、右ドアに背中を押しつけてそのガラスを割り、さらに「警察がきたらあけてやる」と言つて午後二時一〇分頃まで訴外渡部局長の退庁を妨害したことが認められ、<証拠判断省略>。

(一八)  (一八)の事実(昭和四四年五月一二日)について

同原告が同日午後五時一〇分頃から同六時頃までの間局長室に入室していた事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午後五時一〇分頃から、約一〇名の組合員とともに幾春別局庶務会計課事務室内の局長室入口付近で「局長居るか」などと叫びたまたま同局長室内に居た訴外氏家庶務会計課長がドアをあけて「帰りなさい」と命じたものの、同原告らが先頭になつて同室内に入り込み、同課長が「局長は不在である」旨告げたところ、同原告は「人を処分しておいて、ろくたま説明もしないで居ないなんてとんでもない奴だ、タヌキやろう」「庶務課長お前どこへ行つたか知つているんだべ、局長を呼べ、局長を」「電話で呼べ」などと抗議し、さらに原告斉藤が同課長の腕を引つ張るや、同課長の後方から押したり、体当りするなどして局長席付近まで押しつけ、これを振り切り局長室内の庶務会計課入口付近に行つて退去命令を発した同課長の右肩をつかんで同所から会議用椅子付近まで引つ張つて行つて右椅子に座らせるなどして同六時二五分頃まで局長室に留まり、その後、他の組合員に合図して同七時五分頃まで同局二階局長室前廊下に座り込みをさせたことが認められ、<証拠判断省略>。

(一九)  (一九)の事実(昭和四四年五月一二日)について

同原告が同日午後七時五分頃から同七時一五分頃までの間、幾春別局庁舎内において示威行進に加わつたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実および<証拠>によれば、同原告は同日午後七時五分頃から同七時一五分頃までの間、幾春別局庁舎内の示威行進に加わつたが、訴外氏家庶務会計課長が右示威行進を制止せんとするや、原告高橋とともに同課長を抱きかかえたうえ、こずくなどし同課長の再三にわたる解散命令にもかかわらず、これを無視したばかりか「馬鹿野郎」などと罵声を浴びせ、さらに同局郵便課事務室において、他の組合員とともに同課長をはじめ訴外生島郵便課長、同武田貯金保険課長、同鍵谷庶務会計課主事を個々にとりまいたうえ種々の抗議をなしたが、その際同所で執務中の訴外佐藤信也の執務を妨害し、その後同八時一〇分頃まで同局二階廊下で座り込みを行つたことが認められ、<証拠判断省略>。

(二〇)  (二〇)の事実(昭和四四年五月一四日)について

同原告が同日午前九時ころ幾春別局郵便課事務室に入室していた事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午前八時五七分頃、原告斉藤、同戸沢ら郵便課員が幾春別局郵便課事務室において、訴外生島郵便課長に対し集団で抗議しているのを聞きつけてこれに加わり、同課長に対して「なんできたないことをするんだ」と大声で抗議したところ、同課長から「君には関係がない、部屋に戻りなさい」と命じられたため「何このやろう」と言いながら同課長席の机上にあつた算盤を右手につかんで振り上げ、同課長めがけて振り下したことが認められる。

被告は、原告板摺の右の行為によつて前記生島課長の右胸部を強打し、同人に加療二週間を要する傷害を負わせた旨主張し、証人渡部幸夫(第一回)、同生島照国の各証言乙第一二号証の一〇、一一、乙第二〇号証には、右主張に副う部分が存するところである。

しかしながら、右生島課長が診断を受けた際の昭和四四年五月一四日付診断書(乙第二二号証)には、病名として「(一)右臀部打撲症兼坐骨神経痛(14/V)、(二)左臀部打撲症兼右胸部打撲症(7/V)」と記載されていて、本件傷害が五月一四日ではなく同月七日の受傷であることを示す部分があつて、右各証拠とは大きな矛盾がある。もつとも、右診断書には、「訂正(二)の疾病中右胸部打撲症については昭和四四年五月一四日の受傷である事と訂正致します」との加筆部分があり、これによれば、本件傷害が五月七日の受傷であるとの右記載は診断書を作成した医師の書き誤まりであるとみれないこともないが、右加筆部分は他とは筆跡を異にし、しかも加筆の状況をあきらかにした証拠はないから、直ちに書き誤まりと断定することはできない。のみならず、医師は一般に患者の訴えにもとづいて診断しその結果を診断書に記載するのが通常であることからすれば、診断書の前記記載は、生島課長自身が診察の際に本件傷害は五月七日に受傷した旨申告したものと推認するのが相当であり(診察の際、生島課長が日時を異にする複数の傷害を申告していることは、乙第二二号証の記載から窺うことができる)そうとすれば、生島課長が五月一四日に殴打されて傷害を受けたという前掲各証拠ははなはだ疑わしいものといわなければならない。けだし、もし生島課長が実際に五月一四日に右胸部を殴打されて傷害を受けたとすれば、それがために医師の診断を受けながら右事実を申告しないはずはないし、その日の出来事を日時を誤まつて申告したとはとうてい考えられないからである。従つて前掲各証拠中、原告板摺が右生島課長の右胸部を算盤で強打したとの点についてはいずれもこれを措信することができず、また乙第二三号証(菅原克医師作成名義の右生島課長に対する昭和四四年五月一八日付診断書)には同日右生島課長が右前胸部挫傷を呈していた旨の記載があるが、その受傷の日時については明らかではないので、これによつても被告の前記主張を認めるに足りず、他にこれを認めるに足る証拠はない(証人氏家の証言も、原告板摺が算盤を振り上げたことは目撃しているが、それが前記生島課長の右胸部にあたつたところは目撃はしていないというものである。)

さらに被告は、原告板摺が七分間その勤務を欠いたと主張するところ、前記認定の如く、同原告が前記生島課長に対する集団抗議に加わつたりしたため、同原告が若干の時間その勤務を欠いたことは認められるところである。しかし右勤務欠如がそれ以上七分間にわたつたことについてはこれを認めるに足りる証拠はない。

他方、証人高崎正男、同飯田敏美、同上井忠の各証言、各原告本人尋問の結果、甲第四、五号証中には前示認定に反する部分が存するが、前示認定に照らしたやすく措信できず、殊に証人上井忠の証言については ①原告板摺と訴外高崎のいずれが早く郵便課事務室に入室したかという点に関し、いつたん訴外高崎の方が早かつたと証言しながら、その確認を求められたところ、右の証言を訂正しかけたものであつて、その証言内容は不確実であり又、②原告板摺本人尋問の結果中、同原告が郵便課事務室に来るまでの行為に関する部分は著しく不自然であつて、右郵便課事務室に入室した時間をことさら遅らせようとする態度が窺われ、いずれもこれを措信できない。他に前記認定をくつがえすに足りる証拠はない。

(二一)  (二一)の事実(昭和四四年五月一六日)について

右事実については当事者間に争いがない。

2  原告斉藤

(一)  (一)の事実(昭和四四年四月二一日)について

同原告か同日午後五時四二分頃から同六時三五分頃までの間幾春別局二階廊下に約三〇数名の組合員とともに座り込みを続けたこと、同六時三五分頃から庁舎内で行なわれた示威行進に加わつていたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午後五時四二分頃から同六時三五分頃までの間、再三にわたる訴外氏家庶務会計課長ら同局管理者の解散退去命令にもかかわらず、幾春別局二階廊下に三〇数名の組合員とともに座り込みを続け、さらに同六時三五分頃から原告板摺の指揮のもとに行われた庁舎内示威行進に加わり、その際同局郵便課事務室において、執務中の訴外佐藤信也に対し、原告板摺らとともに「裏切り者ふつつぶせ」と連呼して他の組合員に唱和させたうえ、野次、罵声を浴びせてその執務を妨害した後、再び同局二階廊下に座り込んだが、同七時一六分頃、前記氏家課長の発した解散退去命令に対し「うるさい黙れ」と暴言を浴びせ、これを無視したことが認められ、<証拠判断省略>。

なお、被告は、同原告が、右庁舎内示威行進が行われた際その指揮をとつたと主張するが、右主張に副う証拠はなく、かえつて、<証拠>によれば、原告板摺がその指揮者であつたことが認められる。

(二)  (二)の事実(昭和四四年四月二五日)について

同原告が同日午後五時一二分頃から同七時五一分頃までの間、組合員約四〇名とともに同局々長室前廊下に座り込んだ事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時一二分頃から同七時五一分頃までの間、訴外氏家庶務会計課長ら幾春別局管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、組合員約四〇名とともに、同局々長室前廊下に座り込み、札幌郵政局人事部管理課訴外加保事務官らに対して「うるさい、うるさいばかやろう」と罵声を浴びせたほか、同事務官の耳元にハンドマイクをつけるようにして「うるさいかえれ」と叫び続け、さらに「ガッポ、ガッポ、お前の名前だ」「この人間は人殺しに似ているぞ」などと発言したことが認められ、<証拠判断省略>。

(三)  (三)の事実(昭和四四年四月三〇日)について

同原告が、同日午後七時一〇分頃から約三〇名の組合員とともに局長室に入室したことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午後七時一〇分頃、部外者を含む約三〇名の組合員らとともに、施錠してある幾春別局々長室廊下側扉を押し破つて入り込み、訴外渡部局長の再三にわたる解散命令にもかかわらず、同局長をとり囲むようにして集団で話し合いを求め、その際、同局長に対し「ばかやろう、二組作りするな」などと大声を浴びせ、同八時一〇分頃まで同局長の執務を妨害したことが認められ、<証拠判断省略>。

(四)  (四)の事実(昭和四四年五月六日)について

同原告が、同日午後五時一五分頃から同七時頃までの間、幾春別局々長室前廊下で座り込みをした事実および郵便課事務室の戸を開けた事実は、当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午後五時一五分頃から同七時一五分頃までの間、訴外飯田局班書記長のハンドマイクによる呼びかけに応じ、幾春別局二階廊下において座り込みに参加し訴外氏家庶務会計課長らの再三にわたる解散退去命令を無視したがその間同六時一〇分頃から行なわれた庁舎内デモ隊が階下郵便課事務室に至つた際、訴外武田貯金保険課長および同鍵谷庶務会計課主事が同デモ隊の同室への入室を阻止するべく同室の入口に心張捧をかい、これを押えていたところ、その背後から原告高橋とともに体を押しつけて、右武田課長らを押しつけて同室の戸を開けて右デモ隊を同室に侵入させ、さらに同六時一七分頃訴外吉田稔が前記氏家課長に対し「逓信記念日行事費はどうなつた。何時話すんだ」などと抗議した際、横から口をさしはさみ「お前全部使つてしまつたんではないか」「おいどうなんだ返事しろ」「おーい、お前は五時一五分過ぎるとおしになるのか」などと右氏家課長に暴言をはき、さらに同六時五七分頃同局二階廊下の電灯スイッチを切つたところ右氏家課長が同原告に対し「勝手に電気の点滅をするな」と注意したうえこれを点灯するや、同原告は同氏家課長に対し、「ああ、そうかい。勝手に点滅したらだめかい」と冷笑しながら、右電灯スイッチを再び切り、さらにその後の同八時前頃、前記鍵谷主事が右氏家課長とともに同局宿直室前廊下を巡回中、同主事に対し顔を近づけるようにして「鍵谷帰れ、ぶんなぐるぞ」と暴言をはいたことが認められ、<証拠判断省略>。

なお被告は、同原告が自から郵便課事務室の戸をあけた際、デモ隊に加わり執務中の職員を威圧して業務を妨害した旨および座り込みの行なわれていた際同原告が前記鍵谷主事に対し「ぶんなぐるぞ」と脅迫した旨主張するが、本件全証拠によるも被告の右主張事実を認めるに足る証拠はない。

(五)  (五)の事実(昭和四四年五月七日)について

同原告が同日午後五時一五分頃から、多数の組合員ととも同局二階廊下に座り込み、一〇数名の組合員とともに幾春別局々長室に入室し、その際訴外鍵谷庶務会計課主事に対し、「お前いつから局長になつた」と言つた事実は、いずれも当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時一五分頃から、訴外氏家庶務会計課長ら管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、幾春別局二階局長室前廊下に他の原告を含む約一〇数名の組合員とともに座り込み、次いで局長不在の事実を知りながら、右組合員らとともに、前記氏家課長および訴外生島郵便課長の両名を取り巻き局長との面会を求めたうえ、危険を感じて腕組みをした右両名に対しうず巻きデモをかけて、右両名を同局二階階段付近まで押して行つたうえ、壁や水槽桶に強く押しつけ、局長が早退したから賃金カットをするようにせまり、次いで、午後六時一五分頃、同原告は他の組合員一二、三名とともに同局庶務会計課事務室の施錠を解いて同室に入り込み、さらに「鍵谷、あけろ」などと言いながら同局長室ドアの鍵穴を千枚通しでつついたり、ドアを叩いたり、足げりしたあげく、ドア二個所に設置されている蝶番をはずして局長室に入り込み、局長から電話番を命ぜられて同室に居た訴外鍵谷庶務会計課主事に対し、原告板摺、訴外古守とともに局長室後方にあるロッカー付近まで肘や体で押しつけ、同所において肘で右鍵谷を押しつけながら「お前、いつから局長になつた」と大声をあげたことが認められ、<証拠判断省略>。

(六)  (六)の事実(昭和四四年五月一二日)について

同原告が同日午後五時一〇頃から約一〇名の組合員とともに局長室に入室していた事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は先に当局の承認を得ないで年次有給休暇をとつたことから訓告処分を受けたことに抗議する目的で同日午後五時一〇分頃から、約一〇名の組合員とともに幾春別局々長室に、訴外氏家庶務会計課長の制止を無視して入り込み、同室で再三にわたつて解散退去を命じている右氏家課長の腕を引つ張つて同人を局長席まで連行したうえ、同人に対してつばをはきかけるなどして抗議を続けたほか、たまたま居合せた札幌郵政局人事部管理課訴外山鹿課長補佐に対しても罵声を浴びせるなどして同六時二五分頃まで抗議を続け、その後同八時一〇分頃まで庁舎内示威行進に加わつたり、局長室前廊下に座り込んだりし、その間同局管理者から発せられた解散退去命令を無視したことが認められ、<証拠判断省略>。

(七)  (七)の事実(昭和四四年五月一四日)について

同原告が同日午前八時四〇分頃訴外生島郵便課長から残留郵便物の配達を命ぜられたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午前八時四〇分頃、幾春別局郵便課事務室において原告戸沢とともに道順組立中訴外生島郵便課長から前日未配達に終つた残留郵便物の配達を命じられたが、文書による命令でなければ命令には従わない旨述べてこれを拒否し、同課長が、配達区分棚のわきのファイバーに入れてあつた右郵便物をとり出し改めて配達区分棚に入れなおしたうえ、「まだ郵便物があるぞ」と告げるや、同原告は同課長に対し、「何だ、このやろう、てめえらが勝手にためやがつて持つていけつて、なに言つてやがんだ」といいながら、抗議し、さらに同課長席付近で就労命令を発している訴外氏家庶務会計課長に対し、郵便課事務室南窓の方向に押しながら「うるさい、かえれ」などと言つてつばをはきかけ、その間勤務を欠いたことが認められ、<証拠判断省略>。

被告は同原告が右生島課長および訴外渡部局長に対しても暴行を加え、右生島課長に対して加療二週間を要する傷害を与えたと主張し、それに副う証人渡部幸夫(第一回)、同生島照国の各証言、乙第一二号証の一一(生島照国作成名義の現認書)第二〇号証(生島照国名義の事情聴取書)第二二、二三号証(診断書)が存するけれども、その成立に争いがない甲第一号証の一によれば右生島課長は同原告の行動をマークする係りと定められており、同原告の行動については過大な記載をしたのではないかと疑われる余地があり、証人氏家正治は、同原告が当初右生島課長に向つてつめよつていつたものの、その後すぐ前記氏家課長のもとへ来て抗議をしたこと、そして同原告が右氏家課長のもとに来てから一応騒ぎがおさまるまでの間、同原告は右氏家課長に対する抗議を中断して他の管理者のもとへ行つたことはなかつた状況であつた旨証言するところ、右氏家課長は当日同原告からつばをはきかけられるなど同原告の行動には比較的関心を持つていたので、その認識はほぼ正確であると思われることなどを合わせ考慮すれば、原告斉藤の右暴行の点に関する前掲各証拠はいずれも措信できず、また乙第二二、二三号証によつては未だ被告の前記主張を認めることはできず、他にこれを認めるに足る証拠はない。

さらに被告は、同原告が同日午前八時五二分から同九時四分までの一二分間勤務を怠つたと主張するところ、前記認定の如く、同原告が前記氏家課長に対してつばをはきかけるなどしていたため、若干の時間その勤務を欠いたとは認められるところである。しかし右勤務欠如がそれ以上一二分間にわたつたことについてはこれを認めるに足りる証拠はない。

(八)  (八)の事実(昭和四四年五月一四日)について

同原告が、同日午後一時三七分頃、訴外田中郵便副課長から残留郵便物の配達を命じられたことは当事者間に争いがない。

<証拠>によれば、その際同原告は、右田中副課長に対し「なんだ、理由を言え」などと申し向け、同副課長が「拒否するんだね」と念を押すと、「ああ」と言つて前記命令を拒否したことが認められ、<証拠判断省略>。

3  原告戸沢

(一)  (一)の事実(昭和四四年四月二三日)について

同日午前八時三七分頃、同原告が訴外氏家庶務会計課長に対し抗議をした事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、訴外氏家庶務会計課長が、同日午前八時三七分頃幾春別局郵便課事務室において、原告板摺と同高橋の両名が話し合つているのを認めて「勤務中なのにそこで何をしている」と問うたところ、右板摺は「住所を聞いている」と答えたので、同課長が更に「住所を聞き終つたら帰りなさい」と指示したのであるが、原告戸沢を含む約一〇名ぐらいの組合員はその際こもごも「うるさい、仕事にならん、仕事にならなくてもいいのか」などと同課長に抗議し、右氏家課長の就労命令にもかかわらず、原告戸沢は、同八時三八分頃から同四二分頃までの四分間および同四五分頃から同四八分頃までの三分間の二度にわたつて勤務を欠いたことが認められ、<証拠判断省略>。

(二)  (二)の事実(昭和四四年四月二五日)について

同原告が同日午後五時一五分頃から同七時一五分頃まで幾春別局二階廊下で座り込みに参加した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時一五分頃から同七時五一分頃までの間、訴外氏家庶務会計課長ら幾春別局管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、組合員約三〇名とともに同局二階廊下で座り込みに参加したが、その間右氏家課長に向つて「局長を窓から投げてやれ」等と暴言をはいたことが認められ、<証拠判断省略>。

(三)  (三)の事実(昭和四四年五月九日)について

同原告が同日午前八時三二分頃、幾春別局郵便課外勤作業室で訴外生島郵便課長から「前日の配達未済郵便物を当日配達分に組み入れて配達するよう」命令されたこと、それに対し同原告が「非常勤はさがしているのか」と言つたことは、いずれも当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午前八時三二分頃、幾春別郵便局外勤室において訴外生島郵便課長から「戸沢君、昨日時間切れで持戻り郵便物(約四〇通)があるから今日配達するように」と作業指示を受けたが、これに対し「非常勤がいないと言つているが探しているのか。そんなこと言うなら廻らない。」などと訴外吉田とともに大声を出して抗議し、さらに同課長から「配達する郵便物については君等からとやかく言われる必要がない。配達郵便物があれば配達しなければならないのだ。」と注意されるや、立腹の余り、同所に在つた郵便物をつかんで区分台に叩きつけ、その後同八時五五分頃同課長から課長席に呼ばれたうえ再度「昨日の持戻郵便物を本日のと併せて道順組立して、昨日残つたところから廻りなさい」と業務命令をけたにもかかわらず、「文書でなければだめだ」「文書でなければ拒否だ」と述べてこの命令を拒否し、結局右持戻り郵便物を当日の一号便で持ち出さなかつたことが認められ、<証拠判断省略>。

(四)  (四)の事実(昭和四四年五月九日)について

同原告が、同日午後五時四六分頃から同七時頃までの間、幾春別局二階局長室前廊下において座り込みをした事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時四六分頃から同七時頃までの間、同局二階局長室前廊下において、訴外氏家庶務会計課長ら同局管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず約三〇名の組合員らとともに座り込みをし、この間訴外高久が右氏家課長に対し局長との面会を求めたのに対し、同課長が「このような状態では話し合いできない。座り込みがなされないという確認がなければできない」と言つて拒否したことに反発し、局長室前において「ガラス割つてしまえ」と言いながら同室ドアを強く叩き同五時五八分頃、同局庶務会計課事務室入口付近に立つていた右氏家課長および訴外生島郵便課長のところに、他の組合員とともに集り、右両課長をとり囲んでうず巻きデモに巻きこみ二階廊下階段まで連行し、さらに同所から原告高橋が右氏家課長の左腕、左肩を肩で押しつけるのを、後から押しつけるなどして局長室付近まで押して行き、他の組合員とともに右両課長を局長室前廊下側ドアに押しつけるなどし、その際右ドアの止めねじ一本が折れたことが認められ、<証拠判断省略>。

(五)  (五)の事実(昭和四四年五月一三日)について

同原告が、同日午後一時四五分頃、郵便課長席において訴外生島郵便課長から「君は二度地二区の一号便の道順組立をしなさい」と命ぜられた事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後一時四五分頃、訴外生島郵便課長から課長席に呼ばれ「君は二度地二区の一号便の道順組立をしなさい」と命じられたが、「お前のやつていることを考えろ、年休もそうだろう」などと言つて反発し、さらに重ねて同課長から「拒否するのか」と尋ねられ、「拒否でない、文書で出しなさい」と発言し、結局命ぜられた作業に就かなかつたことが認められ、右認定に反する証拠はない。

(六)  (六)の事実(昭和四四年五月一四日)について

同原告が同日午前八時四〇分頃、訴外生島郵便課長から残留郵便物の配達を命ぜられたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午前八時四〇分頃幾春別局郵便課事務室において道順組立の作業中、訴外生島郵便課長から前日未配達に終つた残留郵便物の配達を命じられたが、文書による命令でなければ命令には従わない旨述べてこれを拒否し、同課長が配達区分棚のわきのファイバーに入れてあつた右郵便物をとり出し改めて配達区分棚に入れなおしたうえ、「まだ郵便物があるぞ」と告げるや、原告戸沢は、右配達区分棚の中から大型郵便物を取り出して「なんだこんなもの」と言いながら右郵便物を区分棚に叩きつけ、さらに同課長につめよつて抗議し、その間勤務を欠いたことが認められ、<証拠判断省略>。

ところで被告は、原告戸沢が右生島課長に対し暴行を加え、それにより同人に加療二週間を要する傷害を与えたと主張し、それに副う証人渡部幸夫(第一回)、同生島照国の各証言、乙第一二号証の一一(生島照国名義の現認書)、乙第二〇号証(生島照国の事情聴取書)乙第二二、二三号証(診断書)が存するけれども、これらは原告戸沢の行動は原告斉藤の行動と密接に関連していたというものであるところ、前記原告斉藤の(七)の事実で判示したとおり、前掲各証拠の原告斉藤に関する部分はいずれもこれを措信することができないところであるから、原告戸沢についてもこれを措信することができないといわなければならず他にこれを認めるに足りる証拠はない。

また被告は、同原告が同日午前八時五二分頃から同九時三分頃までの一一分間勤務を怠つた旨主張するところ、前記認定の如く、同原告が右生島課長に対してつめよつて抗議していたため、若干の時間その勤務を欠いたとは認められるところである。しかし右勤務欠如がそれ以上一一分間にわたつたことについてはこれを認めるに足りる証拠はない。

(七)  (七)の事実(昭和四四年五月一四日)について

同原告が、同日午後一時三六分頃、訴外田中郵便副課長から「本日の二号便に昨日の残り郵便物を併わせて配達しなさい」と命じられたことは、当事者間に争いがない。

<証拠>によれば、その際、同原告は、「文書でくれ」と右田中副課長に申し向けたが、右田中副課長から「口頭でも同じです。拒否すんですか。」と念を押されたため、「文書でないとできない。」と答えてこれを拒否したことが認められ、<証拠判断省略>。

4  原告高橋

(一)  (一)の事実(昭和四四年四月二一日)について

同原告が同日午後五時四二分頃から同七時二八分頃に至るまで、三〇数名の組合員とともに幾春別局二階廊下で座り込みに参加したことは、当事者間に争いがない。

右争いのない事実<証拠>を総合すれば、同原告は、同日午前九時頃幾春別局郵便課外勤室において、他の外勤者が配達郵便物の道順組立作業中に同局管理者や全郵政の悪口を言つているのを制しながら、居合わせた訴外生島郵便課長に対して「いいんだ、月夜の晩ばかりでないんだ、いいから俺にまかしておけ」「あいつの顔なぞ見たくない、カスベ野郎」などと申し向けたうえ、その後の午後五時四二分頃から同七時二八分頃に至るまで、再三にわたる訴外氏家庶務会計課長ら同局管理者の解散退去命令にもかかわらず、同局二階廊下に三〇数名の組合員とともに座り込みを行つたが、その際同七時一二分頃右生島課長に対して「今日は月夜でないぞ」「鍵谷の顔面神経痛」などと暴言をはいたことが認められ、<証拠判断省略>。

(二)  (二)の事実(昭和四四年四月二三日)について

同原告が同日午前八時三七分頃、幾春別局郵便課事務室において、訴外氏家庶務会計課長に対し抗議をした事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、訴外氏家庶務会計課長が同日午前八時三七分頃幾春別局郵便課事務室において、原告板摺と高橋とが話し合つているのを認めて「勤務中なのにそこで何をしている」と問うたところ、右板摺は「住所を聞いている」と答えたので、同課長が更に「住所を聞き終つたら帰りなさい」と指示したのであるが、原告高橋、同戸沢を含む約一〇名の組合員はその際、こもごも「うるさい仕事にならん、仕事にならなくてもいいのか」などと同課長に抗議をはじめ、右氏家課長の就労命令にもかかわらず、原告高橋は、同八時三八分頃から同四二分頃までの四分間および同四五分頃から同四八分頃までの三分間の二度にわたつて勤務を欠いたことが認められ、<証拠判断省略>。

(三)  (三)の事実(昭和四四年四月三〇日)について

同日午後零時一二分頃、訴外生島郵便課長が幾春別局外勤休憩室において、原告高橋、同戸沢、訴外宮崎昭八、同木沢良治に対し年次有給休暇の時季変更の旨を伝達した事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後〇時一二分頃、訴外生島郵便課長が同局郵便外勤休憩室において、同原告、原告戸沢、訴外宮崎昭八、同木沢良治らに対し年次有給休暇の時季指定についてこれを変更する旨を伝達したところ、同課長に対し「お前の顔見たくない。今日仕事が終つたら待つていれ。ぶつたたいてやる。」と大声で叫び、「そんなことをしたらどうなるか知つているか」とたしなめた同課長に対し、さらに「そんなことわかつてやるというのだ。うるさい。帰れ。」と再度大声を出したうえ、殴りかかろうとしたことが認められ、<証拠判断省略>。

(四)  (四)の事実(昭和四四年四月三〇日)について

同原告が、同日午後七時一〇分頃から、約三〇名の組合員とともに局長室に入り話し合いを求めたことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、原告板摺らを含む約三〇名とともに同日午後七時一〇分頃施錠してある幾春別局々長室廊下側扉を押し破つて入り込み、訴外渡部局長の再三にわたる解散命令にもかかわらず、同局長をとり囲むようにして集団で話し合いを求め、その際同局長に対し「二組作りするな、ばかやろう」などと大声を浴びせ、同八時一〇分頃まで同局長の執務も妨害したうえ、同局長の用便にまでつきまとつたことが認められ、<証拠判断省略>。

もつとも、被告は、同原告が原告板摺とともに先頭となつて局長室扉を押し破つたと主張するが、原告高橋が先頭に立つていたことを認めるに足る証拠はなく、かえつて<証拠>によれば、先頭になつて入つてきたのは原告板摺であり、原告高橋はその他の組合員ともに同局長室に入り込んだことが認められ、前記被告の主張はこれを認めることができない。

(五)  (五)の事実(昭和四四年五月九日)について

<証拠>によれば、訴外武田貯金保険課長および同鍵谷庶務会計課主事が、同日午後六時二五分頃、幾春別局西側通用口付近で座り込みに参加するため同局を訪れた部外者に対し退去するように制止していたところ、訴外宮崎昭八、同高橋正和ら一四、五名が右訴外武田、同鍵谷に対し、「お前何のためにメモしている。労働者の気持を解らないのか」「二組をなぜ作らせた。」などと抗議していた際、原告高橋は、右鍵谷の正面からその背中で同人を同局雑務員室入口のガラス戸に強く押しつけたことが認められ、<証拠判断省略>。

(六)  (六)の事実(昭和四四年五月九日)について

同原告が、同日午後五時四六分頃から同七時頃までの間、幾春別局二階廊下で座り込んだ事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時四六分頃から同七時頃までの間同局二階廊下において訴外氏家庶務会計課長ら同局管理者の再三にわたる解散退去命令にもかかわらず、約三〇名の組合員とともに座り込みをし、この間訴外高久が右氏家課長に対し局長との面会を求めたのに対し、同課長が「このような状態では話し合いできない。座り込みがなされないという確認がなければできない。」と言つて拒否するや、原告高橋はこれに反発し、右組合員らとともに同五時五八分頃、同局庶務会計課事務室入口付近に立つていた右氏家課長および訴外生島郵便課長のところに集り、右両課長をとり囲んでうず巻きデモに巻きこみ二階廊下階段まで連行し、さらに右氏家課長の左腕、肩あたりを肩で押しつけるなどして同所から局長室付近まで押して行き、他の組合員とともに右両課長を局長室前廊下側ドアに押しつけるなどしたが、その際右ドアの止めねじ一本が折れたことが認められ、<証拠判断省略>。

(七)  (七)の事実(昭和四四年五月一二日)について

同原告が同日午後五時一〇分頃から約一〇名の組合員とともに局長室に入室していた事実は当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は同日午後五時一〇分頃から、約一〇名の組合員とともに先に原告斉藤になされた訓告処分に対し抗議するため、幾春別局々長室に訴外氏家庶務会計課長の制止を無視して押し入り、原告斉藤が同室で再三にわたつて解散退去を命じている右氏家課長の腕を引つ張つた際、原告高橋は同課長に体当りするなどして局長席まで押しつけていき、次いで、たまたま同局長室に入つてきた訴外生島郵便課長に対しその両肩を両手でわしづかみにして引き上げ、同室内にあつた長椅子に打ちつけるようにして座らせたうえ、右生島が「暴力はやめろ、仕事があるから離せ。」と制止したのに対し、「年休はどうしてくれるんだ。何とかしろ」などと言いながら、他の四、五名の組合員とともに同六時二五分頃に至るまで右生島を押えつけるなどして抗議をしたことが認められ、<証拠判断省略>。

(八)  (八)の事実(昭和四四年五月一四日)について

同日、訴外生島郵便課長が前日の未配達郵便物を配達させるため、幾春別局郵便課事務室において、原告斉藤および同戸沢に対し、午前八時四〇分頃業務命令を発したことは当事者間に争いがない。

右争いのない事実、<証拠>を総合すれば、同原告は、同日訴外生島郵便課長が前日の未配達郵便物を配達させるため、幾春別局郵便課事務室において原告斉藤、同戸沢に対し、午前八時四〇分頃業務命令を発したことに多数の組合員が抗議していたものであるが、自らもこれに加わり同局管理者の再三にわたる就労命令を無視して、右生島課長をとり巻き同人につめよつて抗議し、さらに訴外渡部局長に対しても他の組合員とともに抗議を続け、その間勤務を欠いたことが認められ、右認定に反する証拠はない。

ところで被告は、原告高橋が右生島課長および訴外渡部局長に対して暴行を加え、それにより右生島課長に対し加療二週間を要する傷害を与えたと主張し、それに副う証人渡部幸夫(第一回)、同生島照国の各証言、乙第一二号の一一、第二〇号証、第二二、二三号証が存するけれども、これらは原告高橋の行動は原告斉藤の行動と密接に関連していたというものであるところ、前記原告斉藤の(七)の事実で判示したとおり、前掲各証拠の原告斉藤に関する部分はいずれもこれを措信することができないところであるから、原告高橋についてもこれを措信することができないといわなければならず他にこれを認めるに足る証拠はない。

また被告は、同原告が一〇分間の間勤務を怠つた旨主張するところ前記認定の如く、同原告が、右生島課長や渡部局長に対して抗議をしていたため若干の時間その勤務を欠いたとは認められるところである。しかし右勤務欠如が、それ以上一〇分間にわたつたことについてはこれを認めるに足りる証拠はない。

5  国家公務員法第九九条は、職員はその官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない旨規定し、又同法第八二条は、同法又はこれに基づく命令に違反した場合、職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合、および国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合には懲戒処分をなし得る旨規定しているものであるところ、国家公務員が全体の奉仕者として公共の利益のために誠実に勤務すべき一般的義務を負うものであるから、より高度の倫理基準を要するものというべく、しからば右にいう品位、信用を保つ義務に違反した場合および非行のあつた場合とは刑罰法規に触れる違法行為に出た場合がこれに当るのは勿論、これに限られず、他人に対し暴言を吐く等の行為に出た場合をも含むものと解すのが相当である。

そこで原告らの右各行為のうち、原告板摺の(一)・(三)・(五)ないし(一九)および(二一)の所為、同斉藤の(一)ないし(六)の所為、同戸沢の(二)および(四)の所為、同高橋の(一)および(三)ないし(七)の所為は、夫々他人に対し暴行し、「街を歩いたらぶん殴つてやる。」「家族をノイローゼにしてやる。」等脅迫し、器物を損壊し、施錠のある他人の部屋に侵入し、他人の管理する建物部分を占拠して退去せず、暴言を吐く行為なのであつて、国家公務員法九九条に違反する場合に当るものであり、従つて同法八二条一号および三号に当るものといわなければならない。又同板摺の(二)、(四)、(二〇)の所為、同斉藤の(七)および(八)の所為、同戸沢の(一)、(三)および(五)ないし(七)の所為、同高橋の(二)および(八)の所為は、夫々、上司の職務上の命令に忠実に従うべき義務に違反し、職務を怠つたものというべく、従つて同法九八条一項(上司の命令に従う義務)、九九条、一〇一条一項(職務に専念する義務)に違反する場合に当るものであり、従つて同法八二条一ないし三号に当るものといわなければならない。

なお、被告は、原告板摺の(八)の行為が同法九八条一項、一〇一条一項に該当するので同法八二条一ないし三号に該当すると主張するが、同原告の右の行為がその職務執行中になされたことを認めるに足りる証拠はないから、同法九八条一項、一〇一条一項に該当するということはできず、結局前示のとおり同法九九条に該当するので、同法八二条一号および三号に該当するにすぎないものといわなければならない。

もつとも原告ら労働者は団結権および団体交渉権を保障されるべきであるから、原告らの前示行為につきこれを前記品位および信用を保つ義務に違反しおよび非行のあつた場合というためには、その保障の範囲外に逸脱したものといい得ることが必要と解すべきである。しかして右団結権および団体交渉権の行使もその時、場所、人数、態度において社会通念上合理的な基準に適合するものでなければならないものというべく、労働組合の統制を外れて無秩序に多数をたのんで交渉を求める等のことはこの右保障の範囲外に逸脱したものというべきである。ところで前記認定の原告らの行為の中には、いわゆる団結権の行使とみられる部分もないではないが、原告らの右行為は、その行使の方法、態様等において団結権の行使としての正当性の範囲を逸脱しているものと言わざるを得ない。

四再抗弁事実について

1  <証拠>を総合すれば、以下の事実が認められ、<証拠判断省略>。

(一)  幾春別局管理者は、昭和四四年の春闘にそなえて対策を立てることとし、それを春闘対策と題する書面にまとめたが、その内容は次のようなものであつた。

(1) 服務規律を確立するため具体的な事項を例示しこれを禁止すること

(2) 時間を区切り、その担当を定めたうえ局管理者による職場巡視を行ない、その際に知りえた情報はすべて局長に報告すること

(3) 施設の破損しているものなどは、積極的に発見措置して組合に乗ぜられないようにし、また組合掲示物については常に注意して違反があればこれを是正すること

(4) 全逓組合役員や、組合員の中で積極的に組合活動をするいわゆる過激派に対してはその動向をマークすることとし、その中でも特にマークする者については同局管理者がマンツーマンシステムで監視すること(原告らのうち特にマークの必要があるとされたのは、原告板摺と同斉藤であり、原告板摺については訴外武田貯金保険課長が、原告斉藤については訴外生島郵便課長がその動向を監視することとなつていた。)

(5) 主事らをして主事会を結成させるように指導すること

(6) 全逓のストライキなどの闘争方針に反対している全逓組合員をいわゆる良識派と称し、同グループを積極的に養育することとし、同グループに加入している者を他局見学させるほか、全逓組合員に対する態度については次のように指導すること

イ 組合幹部あるいは過激派グループが家庭を訪問した際は知人といえども部屋には通さないこと、またカンパ者名簿があつたときは原則としてしないこと、また一通りはを目を通し署名していないものの名前を確認すること

ロ 組合の会議等には積極的に参加し発言させること

ハ 無届集会等には参加しないこと

ニ 常に良識者グループ相互間の意思の疎通に留意し、落伍者が出ないようにすること

(7) ストライキにそなえ、いわゆる良識者を局長室内にカンズメにするが、その際はその処置を合法化するため本人からの承諾書を徴すること

(8) マイク、テープレコーダなどの整備点検を行うほか、地元警察署と緊密な連絡をとること

(二)  さらに同局管理者らは、幾春別局においていわゆる二組が結成されることをあらかじめ予期し、そのための対策を立て、それを訴外生島郵便課長がメモしたが、その内容には次のようなものがあつた。

(1) 近く結成が予定されている全郵政の事後対策については、同局管理者は十分現状を把握し、適切な処置をすること。特に個人に対するいやがらせ等には局内はもちろん局外においても十分の処置をすること。

(2) 業務に対する全逓組合員の非協力的な態度には断固たる処置をとり、少なくとも温情主義はとらないこと。

(3) 全郵政結成後は勤務時間については厳正に行うとともに、全郵政の職員に対しては気を配ること。

(4) 全郵政に加入する職員の家庭において通学児童のいる場合には十分な対策をたてることとし、また全逓組合員の家庭訪問については、幾春別局班の者が必ず案内役としてつくであろうから、その場合における家族だけの場合の対処の仕方に対しては十分なる指導を行うこと。

(5) 当局の場合、特殊事情もあるので、できればアジトを作る必要があること

(6) 全郵政が結成された場合には地元警察署と十分連絡し、警備等の必要が生じた場合には速やかに措置すること。

(三)  そして幾春別局において良識派と呼ばれていた七名の者が前示のとおり昭和四四年四月一八日全逓を脱退し、即日全郵政幾春別局支部を結成した。

2  右事実を総合すれば、昭和四四年の春闘時以前において幾春別局管理者は、全逓の組合役員もしくは積極的な活動をする組合員を過激派と称してその行為を徹底的にマークするとともに、全逓の掲げるストライキなどの闘争方針に反対するいわゆる良識派グループを積極的に擁護育成しようと企て、右良識派グループに他局見学をさせるなどの利便を与えた他、良識派グループをして積極的に全逓の組合会議に出席させて右の闘争方針に反対させ、さらに組合内部における各組合員の言動をさぐらせるなどし、ひいては右良識派グループが全逓を脱退して第二組合である「全郵政」を結成するための予備段階として主事会等を結成するように指導しさらには事後対策を立てるなどして「全郵政」の結成に助力した行為があつたことが明らかである。

3  そうだとすれば原告らの本件非違行為は何れも幾春別局における労使関係が悪化していた状況下においてなされたものであつて、右労使関係の悪化については、幾春別局管理者の前示の如きいわゆる二組結成に対する支援的態度がその原因の一班をなしていたものと考えられること、原告らの本件各非違行為自体いわゆる春闘の一環であると同時にこのような管理者側の態度に対する抗議行動としてなされたものであること、および前示のとおり被告が主張する各原告らの非違行為のうち傷害などの重い結果を生じたものは全て証拠上認められないことを合わせ考慮すれば、原告らの本件非違行為は決して看過することはできないものであるが、しかし乍ら管理者側の態度なり行動を棚に上げてこれと密接に関連する原告らの非違行為のみをとらえて原告らに対し、最も重い懲戒に当り、原告らの生活の根拠を奪うに至るべき解雇に付した本件処分はその選択につき極めて苛酷にすぎ、懲戒権の濫用と言わざるを得ず、本件懲戒解雇処分はこの点ですでに違法であると言うべきである。

五結語

以上の次第であつて、その余の点について判断するまでもなく、原告らの本訴請求はその理由があるのでこれを認容することとし、訴訟費用の負担については行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を各適用して、主文のとおり判決する。

(磯部喬 太田豊 末永進)

点検項目

労務管理体制点検項目No.一

一 管理体制の強化 管理者相互間の連絡の緊密化

(1)○ 対策、意識統一、意識高揚のための会合をひんぱんにもつているか

○ 労務管理は局長と庶務課長だけでやるものとの意識はないか

○ 管理者間の連絡は十分に行われているか

ア 現場の状況はこまかく局長まで報告されているか

イ 都合の悪い事項は便宜処理をして局長まで報告しないことはないか

ウ 局長は指示しただけで結果を確認しないことはないか

○ 管理者間相互の協力体制は十分になされているか

ア 連絡不十分を理由に責任転化にすることはないか

イ 各課ごとにセクト的になつていることはないか(たとえば他部応援の忌避、超勤、原資を常時(○○○)によつて一率配算することなど)

ウ 闘争時における行動監視、処置体制は万全か

○ 郵政局との連絡上欠陥はないか

ア 局長の知らない情報、不統一な情報が出されていることはないか

イ 郵政局の情報の迅速、回覧等の手続はととのつているか

ウ 郵政局へ送る情報に手びかえしていることはないか

エ 郵政局のバックアップがたりないと思われる点、又は郵政局内の横の連絡上で困つていることはないか

○ 郵政局指示事項及び局長指示事項は十分下部に浸透処置されているか

(2) 中間管理者の職制意識の確立

○ 局、課長(副課長、課長代理)は主事、主任層を十分把握活用しているか

○ 主事、主任層は職責を自覚し、任務を十分はたしているか

ア 主事、主任は職場、規律の確立確保、勤務時間関係、諸規程の運用(休暇届の処理、勤務指定、担務指定の決定変更)に上司と協力しているか

イ 局、課長(副課長、課長代理)の指示事項は主事、主任を通じて十分浸透されているか

ウ 職場、改善事項は、主事、主任を通じて、又主事、主任の職責上適正なものは上部へ報告されているか

エ 主事、主任の部下への指導は適切に行われているか

オ 部下、職員の苦情、不平不満、提案意見等の吸収について配意は適当か

○ 主事、主任の業務打合せ会は効果のある方法で行われているか

○ 役職者回報は積極的に編集発行されているか

二 管理者運営権及び人事課の確保

(1) 管理運営上の問題について自ら権限の巾をせばめているようなことはないか

○ 前任者の約束事項についての再確認はないか

○ 宿舎入居者を管理、選こう委員会などで協議決定していることはないか

○ 週休振替、担務変更勤務指定変更の組合への事前通知又は了解(服務表、勤務指定表の事前協議を含む)はないか

○ 週休振替、担務変更等はスムースに行なわれる状態かどうか

○ 一日の作業量に対する組合との事前了解はないか

○ 特定作業についての担否を容認していることはないか

○ 集配区の分割、併区について事前了解はないか

○ 業務命令は適切に発せられているか、又発すべき業務命令をひかえている事例はないか

○ 年末首業務運行計画等を職制を通じて立てないで組合と相談して立てていることはないか

○ 非常勤の雇傭計画を組合に示して了解をもとめていることはないか

○ 事務室、物品の使途を変更する場合の事前了解はないか

(2) 人事権の介入を容認していることはないか

○ 非常勤の本務化について組合との事前協議はないか

○ 職員の採用、昇格、昇任、配置換等に関し、組合との事前協議はないか

○ 昇給の発令等を局長が各課に出向いて行つているところはないか

○ 以上の問題について組合が意見をしつように申し入れてくる状態はないか

(3) 管理者の権限において当然なすべき事柄について組合の抵抗が予想されるため実行していないものはないか

三 職場、規律の維持

○ 管理者に対する抗議行動(集団を含む)はないか

○ リボン、腕章、ハチ巻戦術及びビラハリ戦術等を放認していることはないか

○ 部外者の無断人局(オルグの入局を含む)を黙認していることはないか

四 勤労意欲の向上

(1) 従業員意識の高揚

○ 職員は郵政事業にたずさわるものとしての自覚と責任をもつて仕事に従事しているか

○ 職務と組合活動をよく区別しているか

(2) 人間関係

○ 管理者は職員と親しむ機会を積極的に作つているか(たとえばレクリエーション、雑談等など)

○ 同僚とのおりあいはいいか、職場の調和を乱す者はないか

(3) 教育、指導

○ 欠勤の多い者はいないか

○ 職員に対する教育指導はよく行なわれているか

○ 職員の勤務意欲の向上に積極的に配意しているか

五 職場の点検(悪慣行、規則取扱等)

(1) 組合活動関係

○ ヤミ専従を容認していないか

○ 勤務時間中一定時間組合業務に従事していることはないか

○ 勤務時間中みだりに離席し、組合活動に従事していることはないか

○ 勤務時間中の者に対する説明会及び報告会等を行つていることはないか

○ 勤務時間中の集会を黙認していることはないか

○ 庁舎内での組合活動を黙認していることはないか

○ オルグ活動の無条件容認はないか

○ 組合専従役員の無断入室(事務室、作業室)等はないか

○ 組合費の俸給からの控除を黙認していることはないか

○ 無料扱による組合文書の発送を黙認しているところはないか

(2) 便宜供与関係

○ 官組、組合活動に対する出勤扱いはないか

○ 許可基準以外の組合休暇扱いはないか

○ 組合事務室(物品を含む)の無断使用はないか

○ (土地、えい造物)の無断使用はないか

○ 展示物の一括承認後、掲示責任者名を明示していないものを添付させていることはないか

○ その他条件に反する掲示物を黙認していることはないか

(3) 勤務時間関係ヤミ休息

○ 規程時間を上廻るものを附与していないか

○ 特例休息の悪用(無条件退局を黙認しているのはないか)

○ 休憩休息時間の位置が業務運行に支障をきたす時間帯に設定されていないか

又これが労務上の問題から変更しがたいものになつていないか

○ 無届欠勤、遅刻、早退、外出等の処理は厳正に行われているか

○ 自由年休の鉛筆計理、法定休暇の時間附与等はないか

○ 年休の附与手続に違則はないか

○ 年休の附与について業務に支障ある場合でも労務上の問題から他日に振替えることが困難な状態となつていないか

○ 個人の請求にかかわる諸休暇の附与について組合役員との受け答はないか

○ 郵便外務員の日曜日の早帰りを黙認していることはないか

○ 宿直勤務者の翌日の遅刻、早退を容認していることはないか

○ 祝日給の超過支給(実働を上廻る手当の支給)はないか

○ 鉛筆超勤(実働を上廻る手当の支給、一率支給等)はないか

(4) 交渉、会見

分科会関係

○ 交渉、会見、分科会等の申し入れに対しては、あらかじめ窓口において、日時・場所・出席人員・議題などをきめた上で実施しているか

○ 長時間にわたる交渉、会見、分科会はないか

○ 交渉、会見、分科会事項として適当でないものについて応ずることはないか

○ 組合側説明員、傍聴者の出席は規正しているか、無条件容認はないか

○ 傍聴者及び無断出席者(記録係を含む)の交渉扱はないか

○ 課長交渉、会見、話合いの容認はないか

三六協定締結関係

○ 協定締日の遡及はないか

○ 締結行為と交渉、分科会との混同はないか

○ 協定締結を条件とした、他問題の同時解決容認はないか

(6) 情報連絡関係

○ 支部交渉、会見、分科会及び組合活動等の規様を適格に取りまとめ、その都度速やかに郵政局に情報連絡ルートにより連絡しているか

○ 労務連絡官及び監察支局との連絡は適切に行なわれているか

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