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札幌高等裁判所 平成25年(ネ)331号 判決 2014年2月20日

控訴人

同訴訟代理人弁護士

佐藤哲之

佐藤博文

長野順一

三浦桂子

中島哲

安部真弥

山田佳以

香川志野

池田賢太

被控訴人

国立大学法人Y大学

同代表者学長

同訴訟代理人弁護士

齋藤隆広

主文

1  本件控訴を棄却する。

2  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第1控訴の趣旨

1  原判決を取り消す。

2  控訴人が、被控訴人に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。

3  被控訴人は、控訴人に対し、平成23年4月1日から、本判決確定の日まで、毎月17日限り前月の総日数から土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律に定める休日及び12月29日から翌年1月3日までの日を控除した日数に8756円を乗じた金額並びにこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6パーセントの割合による金員を支払え。

4  被控訴人は、控訴人に対し、100万円及びこれに対する平成23年3月31日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

5  訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。

第2事案の概要

原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。

第3当裁判所の判断

1  当裁判所も、控訴人の請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は、原判決の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決13頁10行目の「証拠<省略>」の次に「(以上、枝番号を全て含む。)」を加え、21行目の「主任研究官」を「主任研究者」に、14頁21行目の「証拠<省略>」を「証拠<省略>」に、16頁9行目の「平成16年」を「平成17年」に、17頁12行目の「思います」を「思っています」にそれぞれ改め、18頁21行目の「認識」の次に「(本件における法的主張と区別する意味でこのように表現する。以下同じ。)」を加える。

2  控訴人は、当審において、「謝金雇用」(謝金業務)を、雇用継続の合理的期待を持ち得ない関係であるとして雇用継続の合理的期待についての判断から排除する原判決の論理は誤っており、本件においては、「謝金雇用」の期間も併せた上で雇用継続の合理的期待について判断すべきであり、このような見地から判断するならば、控訴人は本件労働契約が締結された平成19年4月1日の時点で既に保護されるべき雇用継続の合理的期待を有していたなどとるる主張する。しかしながら、本件雇止めがされた平成23年3月31日当時、控訴人が契約更新の合理的期待を有していなかったと認められることは、前記引用に係る原判決の認定判断のとおりであり(控訴人は、「謝金雇用」の実態の認定並びにその法的性質及び期間管理の有無・程度等の判断なしに、それが雇用継続の合理的期待を持ち得ない関係であるかどうかの判断を行い得ないにもかかわらず、原判決はその判断をあえて脱漏している旨非難するが、原判決が、その認定した事実に基づいて謝金業務を雇用継続の合理的期待を持ち得ない関係であると判断したことは正当であり、上記非難は控訴人独自の立場からするものであって、的を射たものということはできない。)、上記控訴人の主張及び控訴人の当審提出の証拠<省略>によって原判決の認定判断が左右されるものではない。

第4結論

以上によれば、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岡本岳 裁判官 佐藤重憲 裁判官 近藤幸康)

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