大判例

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札幌高等裁判所 昭和25年(う)518号 判決

原審の取調べた証拠によれば被告人は昭和二十五年一月十六日午後七時頃河西郡芽室町東二条一丁目千三番地芽室町農業協同組合第四号倉庫前広場において野積してあつた同組合保管の大豆を窃取せんとして同所の大豆の俵に棒を以て穴を開けその種類を物色中監視人に発見されたため其の目的を遂げなかつた事実が明白であり右の場合は当然窃盗未遂を以て論ずべきであり未だ本件は犯罪の予備の段階にある旨の所論は理由がない。しかし未遂罪は犯罪の実行に着手して遂げなかつた場合であるから未遂罪を断ずるに当つては実行の着手があつたと認むるに足る程度の具体的事実の判示を必要とするのであるが原判示第二事実には「昭和二十五年一月十六日午後七時頃河西郡芽室町東二条一丁目千三番地芽室町農業協同組合第四号倉庫前広場において野積してあつた同組合保管に係る大豆を窃取せんとしたが監視人に発見せられて其の目的を遂げず」とあるのみであつて被告人が窃盗の実行所為に着手した具体的事実の記載がない従つて原判決には理由を附さない違法があり破棄を免かれない。

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