札幌高等裁判所 昭和25年(う)524号・昭25年(う)525号 判決
本件起訴状自体(原審第五回公判調書によれば検察官は別表の引渡場所及び超過額を訂正した)に徴し本件の取引は相被告人西原、稚内水産商工業協同組合間に行われたものであり其の内容は起訴状添附のとおり昭和二十三年十一月二十九日頃及び同年十二月十五日頃魚粕類合計百四十七俵を昭和二十三年九月二十三日札幌地方物価事務局告示第百二十七号指定の卸売業者販売価格の統制額を合計約十三万円余を超過した代金合計六十二万五千三百円で買受けるものであり又主犯者である相被告人西原に営利の目的のあつた事実記載の存することも亦明白であるから起訴状は適法であり論旨は理由がない。(中略)
控訴趣意第五点について
本件記録及び原判決に徴すれば原審は産地最寄駅貨車乗渡の卸売業者販売業者販売価格に基ずき本件の統制額を認定したことが明白でありその認定超過額は三十貫入り一俵につき三十三円八十七銭二十四貰入り一俵につき十七円八銭の割合による運賃を夫々差引き算出していることも亦計算上明かであるが右運賃の計算の根拠については記録上之を認むべき資料がないのみならず原審第五回公判調書によれば原審の右差引運賃と同額の運賃差引を主張した原審検察官事務取扱検察事務官すら其の根拠等につき「目下のところ判明し難い」旨を述べているのであつて当裁判所が自ら鉄道につき調査するも右差引運賃額の正当である根拠が判明し難いしかして超過額より差引くべき運賃の額が確定しない限り本件の超過額は認定できない原判決は此の点において理由を附さない違法があるので爾余の論旨に対する判断をなすまでもなく原判決は破棄を免れない論旨は結局理由があるので上記の他の控訴趣意に対する判断を省略し刑事訴訟法第三百九十七条により原判決を破棄し尚当裁判所において直ちに判決をなすに適しないものと認め同法第四百条本文により本件を旭川簡易裁判所に差戻すこととし主文のとおり判決する。