札幌高等裁判所 昭和26年(う)214号 判決
原判決の認定した事実は、被告人は昭和二十五年十二月九日午後九時頃札幌市豊平一条一丁目の自宅において原審共同被告人格栄春外一名が窃盗の意思があることを表明したのに対し、盗んで来た品物は自分が買つてやるといい同人等の窃盗の意思を強固ならしめ、同人等が共謀して翌十日午前二時頃同市豊平三条二丁目十一番地横山元太郎方において同人所有のネル無地九反他服地等十四反を窃取する犯行を容易に敢行させ以てこれを幇助した、というにあつて、窃盗の意思ある同人等に対し「盗んで来た品物は自分が買つてやる」といつた事実によつて同人等の意思を強固ならしめたと判断することは決して証拠によらない認定ということができないのである。(中略)
弁護人上田保提出の控訴趣意第一点について
原判決は前記のとおり被告人の窃盗幇助事実を確定した上、被告人の行為は刑法第二百三十五条、第六十二条に該当するので同法第六十三条に則り正犯の刑に照して減軽した所定刑期の範囲内で被告人を懲役一年に処する旨判示しているが、正犯の刑をどのように減軽したかその適条を示すところがないのは判決に理由を附しない違法がある。