札幌高等裁判所 昭和26年(う)237号・昭26年(う)238号 判決
第二、被告人橋本他八は右第一、(一)の日時場所に於て被告人船山金助より塩酸モルヒネ液合計約六十ccを譲受けたものである。
と記載していることは所論の通りであるが右の記載によると被告人橋本に対する公訴事実中少くとも同被告人は麻薬取扱者の免許なきに拘はらず昭和二十三年十一月頃に札幌市南一条西十四丁目一番地の相被告人船山金助の自宅に於て塩酸モルヒネ液を譲受けたということ及びその時の譲受数量は六十cc以下であるということは明示している訳で右十一月頃に譲受けたという事実については訴因のうち譲受数量の点だけが幾ccであるか確定的な数量を示さないで六十cc以下としたに過ぎない筋合であるから十一月頃の譲受行為は右記載の程度で特定するものと云うべく従つて本件起訴状も亦この部分については刑事訴訟法第二百五十六条第三項に違反するものと断ずることは出来ない。それ故原審が同被告人に対する公訴事実中前記十一月頃の譲受行為に対する公訴を棄却しなかつたのは相当である。
(註。本件は量刑不当により破棄。)