大判例

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札幌高等裁判所 昭和26年(う)369号 判決

しかし職権を以て原判決を調査すると原判決には先ず第一に原判示事実中に「……進駐軍放出コーヒー罐詰一個価格金八百五十円を所持の手提袋の中に隠し入れたところ……」と記載されているのであるが該判示は前説示の如く原判決引用の証拠によりこれを認めるに足りる。かかる場合においては被告人が其の所持の手提袋中に隠し入れた行為により其の窃取は既遂に達したと解すべきところ、原審は更に「……を同人に気附かれたためその目的を遂げなかつたものである」と判示しこれに対し刑法第二百四十三条を適用した違法があり更に原判示中に累犯たるべき被告人の前科の事実を証拠で認めながら適条に際し刑法第五十六条第五十七条の適用を遣脱したる違法があり該違法はいずれも判決に影響を及ぼすべきものであることが明白である。従つて原判決はこれらの点において破棄を免れない。

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