札幌高等裁判所 昭和27年(う)230号 判決
検察官副検事佐藤赳の控訴趣意は同人提出の控訴趣意書記載の通りであつて原審の量刑は軽きに過ぎるというにある。
記録並びに原審で取調べた証拠を検討すれば原判示第一の窃盗は通学通勤等にて混み合つていた列車に於てあらかじめ共犯者と共謀して行つた所謂掏模であつて其手段よりみるも情状決して軽いとは云えない同第二、第三の事実は正当な自己の外国人登録証明書を架空の氏名尹鐘烈の証明書に偽造しことさらに自己の身分を秘匿して之を行使したものであつて其情状もまた決して軽いものとは云えない然らば原判決が被告人を懲役二年に処し三年間右刑の執行を猶予したのは軽きに過ぎるものというべく論旨は理由がある。