札幌高等裁判所 昭和27年(う)474号 判決
なお、弁護人は、本件は刑事訴訟法第三百八十三条第一号により再審の請求をすることができる場合にあたる事由があるから、原審に提出し得なかつた古物台帳を疎明資料として添付し被告人が賍物たるの情を知らなかつたことを立証のため事実の取調を求める、というのであるが、本件控訴趣意によると何が再審の理由となるか解し難いのである。恐らくは刑事訴訟法第四百三十五条第六号の事由があると主張するものと思われる。そうだとすると同条第六号にいわゆる「明らかな証拠をあらたに発見したとき」とは判決の基礎となつた事実の認定を覆すに足る適切な証拠であつて、若し裁判所が知つていたならば有罪の言渡又は原判決の認定した罪の言渡はなかつたであろうと考えられるものを新たに知るに至つたときをいうものであると解すべきであるところ、古物台帳が、かような明確な証拠とは認めることができないものであるから、再審の事由とはならないものである。
(後略)